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AH-1W

えーえいちわんだぶりゅー

海兵隊向けAH-1の更なる発展型。双発になったAH-1Tからエンジンが換装されており、『ここ一番のパワー不足』が解消されている。電子機器も新型になったのでAGM-114「ヘルファイア」も発射できる。通称は「スーパーコブラ」。
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海兵隊のコブラ

強襲揚陸艦上での運用を主体とするアメリカ海兵隊AH-1は海上飛行時のエンジントラブル対処などの必要性から「双発機(エンジンを2基搭載している)」となっている。

それがAH-1Jシーコブラであり、エンジンが2基になった以外初期のAH-1コブラとは殆ど違いが無かった。しかしベトナム戦争終了後、アメリカ陸軍は対戦車ミサイルTOWの運用能力を追加したAH-1Q型と更なる発展型AH-1Sに更新を始める。海兵隊はベル社より提案されたベル309キングコブラを採用せず、AH-1Jのエンジンと駆動系を出力向上形に換装したAH-1Tを採用する。同機種は1977年から海兵隊に引き渡されたが、後にTOW対戦車ミサイルを運用できるように改造され、AH-1の運用を続けた。


しかし、攻撃ヘリコプターを対戦車戦での攻撃手段として確立したこの時代、ある計画が持ち上がる。1972年にアメリカ陸軍がワルシャワ条約機構軍の地上部隊に対抗する為の新型攻撃ヘリコプターの開発計画を発表させる。のちにコレはAH-64として完成し、1976年に陸軍に採用された。(運用開始は1984年である。)


AH-64はAH-1より大型で、出力も高く、作戦能力もAH-1G/Tより上であった。当然陸軍はAH-1の置き換えすることとなるが、すると議会などから海軍と海兵隊もAH-1をAH-64に置き換えるべきであるとの声が出てきた。またAH-64を製造するマクドネル・ダグラス社からも艦上からの運用に対応したAH-64シーアパッチの開発計画が提案される。


しかしこういった声に当の海兵隊側は「No」を示す。理由は簡単である。海兵隊の航空戦力の運用は基本的の艦上。スペースに制限がある強襲揚陸艦の甲板に現行より大型の機体を同規模で展開するのは戦力的に好ましくない。

また航続距離がAH-1より長いとはいえ、機体の整備が高度で塩害に弱く(AH-64が洋上運用に対応したのは最新のE型になってからである)、前線での修理だと不都合がある(同型機を持たない全くのオリジナル機体である事も一因であり、AH-1はエンジン等一部の部品は汎用ヘリで数も多いUH-1の物が転用可能)機種は運用に適さないと判断された。


しかし、AH-1Tの作戦能力は見劣りするのは事実であり、新型機が必要であったことから、海兵隊は発展した攻撃ヘリコプターの導入計画を開始。AH-1TのエンジンをSH-60と同系列のT700-GE-401に換装したAH-1T+を1983年に初飛行させた。1985年に同仕様をAH-1Wスーパーコブラとして採用された。(兵装システムのアップグレードは1990年代に入ってから)


現在もアメリカ陸軍が新型のAH-64を運用するのに対し、海兵隊はこのAH-1WをAH-1Zに改修したうえで使い続けている。2020年にアメリカでの運用は終了したが、トルコ台湾ではまだ現役。


ちなみに、キャノピーは陸軍式のような『光の反射が少ないので、発見されにくい』ものと違い、

海兵隊式の『空気抵抗を軽減し、飛行性能を重視する』ものになっている。


AH-1Tからの変更点

まずエンジンが換装され、飛行性能が改善されている。

次に火器管制装置が新型のものに換装されているので、夜間や悪天候でも対地ミサイルを発射し、誘導する事ができる。

これによりミサイルに関してもAH-1T(TOWミサイルのみ)を上回り、さらに新型のAGM-114「ヘルファイア」ミサイルを運用できる。

対地センサーが充実し、運用能力が拡大したので従来のTOWミサイルの誘導性能も向上している(はずである)。

また海兵隊は攻撃ヘリでも対空戦闘能力(対ヘリコプターがメインであるが)を重視している事から、スタブウィング両端にチャフ・フレア発射装置、排気孔近くに赤外線ジャマー、暫定的にサイドワインダースティンガー対空ミサイルの運用能力も付与され「対空は機銃とロケット弾だけ」という貧弱な状態から脱する事になった。


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戦闘ヘリ

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