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ヘリコプター搭載護衛艦

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へりこぷたーとうさいごえいかん

対潜水艦戦に備え、複数の哨戒ヘリコプターを搭載した護衛艦のこと。海上自衛隊ではDDHと表記される(DDは駆逐艦 Hはヘリコプター)。

概要

海上自衛隊が運用する護衛艦のカテゴリーの一つ。対潜水艦戦に備え、複数の哨戒ヘリコプターを搭載する。艦種記号は「DDH」(DDは駆逐艦、Hはヘリコプターの意)。

冷戦末期から13中期防までの護衛艦隊は、ヘリコプター3機を搭載するヘリコプター搭載護衛艦1隻と、各1機を搭載するまたは汎用護衛艦(DD)5隻、ヘリ搭載なしのミサイル護衛艦(DDG)2隻の8艦8機体制(いわゆる新・八八艦隊)で構成されていた。現在は全通甲板型のひゅうが型護衛艦及びいずも型護衛艦の就役により、運用機数がさらに増えている。

登場の経緯

海軍の任務の1つに対潜水艦戦があるが、そのための固定翼機の運用には相当な大きさの空母が必要であった。その弱点をカバーしたのがヘリコプターである。ところが普通の駆逐艦などでは十分な数のヘリコプターを搭載できないという弱点があった。

そこで海上自衛隊「8隻の護衛艦と6機のヘリコプターを運用する」という方針(8艦6機体制)を打ち出した。当時はまだDDH以外の護衛艦にはヘリを搭載する設備、それどころか着艦させるスペースも無く、DDHのみがヘリ運用の要であったが、ヘリ空母1隻に6機すべてを搭載すると有事のヘリ全滅に繋がるため、それを防ぐため航空巡洋艦タイプの艦に半分の3機を引き受ける船として登場した。

現代ではDDHは前述の通り全通甲板のヘリ空母タイプとなり、またそれ以外のDD、DDGもヘリ1機を搭載または着艦させる事が可能な設備を持っているため、"運用できるヘリの総数"が大幅に増加している。

ただし、運用するヘリの総数が大幅に増加しているとは言ってない。つまり、ヘリは常に大幅な定数割れの状態である。…満載ではなくすっかすかの状態のため、一応ヘリ飛行中に艦又はヘリに何かあった場合、余裕がある…と取れなくもない…

種類

計画・構想・検討段階で中止

  • 興安丸:鉄道連絡船。終戦後に引き揚げ船として使われた後、ヘリコプター搭載艦への改造が検討された。検討段階で中止。
  • 護衛空母:米軍から中古の護衛空母を供与してもらえないか検討されていた。米側は供与に前向きであったが、日本政府で予算が承認されなかったため中止。
  • エセックス級航空母艦:米軍から中古を供与してもらえないか検討し、将来の空母運用を見越して隊員を同級「プリンストン」にも研修として派遣していた。予算の問題から検討段階で中止。
  • 2次防CVH:1960年代の第2次防衛力整備計画(2次防)で建造が計画されたヘリ空母。計画段階で中止。
  • 8700トン級DLH(4次防DLH):1970年代の第4次防衛力整備計画で建造が計画されたヘリ搭載艦。ヘリ6機とスタンダード対空ミサイルを搭載し、将来的にはハリアー垂直離着陸戦闘機の搭載運用も考慮して全通飛行甲板を備える艦として構想。国防会議事務局長の反発とオイルショックの影響により計画前に中止。上記のしらね型護衛艦が代わりとして建造。
  • 航空機搭載護衛艦(DDV):1980年代に構想。哨戒ヘリと早期警戒ヘリ数機を載せ、シーハリアー垂直離着陸戦闘機10数機を主力として搭載運用する軽空母として構想。構想段階で中止。

強襲揚陸艦空母との違い

揚陸艦と同じく格納庫に車両を搭載して運搬することも可能だが、出入り口は片舷のサイドランプのみであり、かつ何もない海岸や砂浜で積み下ろしする事はできない。揚陸艦として運用するには整備された岸壁に横付けできることが前提である。

空母と見なされることもあるが、カタパルト着艦拘束装置を搭載しておらず、固定翼機の運用はできない。

・・・の、ハズでしたがぁあああああっ!ついに固定翼機の運用が閣議決定されるに至った ⇒ 詳細はいずも参照

関連タグ

ヘリコプター搭載型大型巡視船- 海上保安庁のヘリコプター搭載船

潜水艦 哨戒

伊勢型戦艦 利根型重巡洋艦 重巡最上-旧海軍航空戦艦航空巡洋艦ではるな、しらね型の祖先といえる存在。

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