概要
軽空母とは、正規空母より排水量が小さく、航空機の搭載数も少ない航空母艦。概ね20~50機程度の航空機を搭載し、運用する事ができる。同じく少数の航空機を搭載する空母に護衛空母があるが、低速な護衛空母に対し、軽空母は艦隊行動に追随しうる速力を持つ。
ただし、搭載機数が少ないという事は空母としての運用の柔軟性に難があるという事でもあり、例えば戦闘機を十分に搭載すると、今度は攻撃機や対潜哨戒機、救難機などを十分に搭載できないなどの不都合がある。小型の空母を同時に展開させられる経済力があるなら話は別なのだが、ベトナム戦争以降はさしものアメリカでも維持費が問題となり、一隻あたりの効率のいい正規空母に統合されて軽空母は姿を消した。
さらに、時代が下るにつれ空母の運用する航空機の機体も大型化しているので、現代の軽空母のサイズは第二次大戦時の正規空母並みである。イギリスは高額な正規空母の建造費・維持費に耐えかねて、VTOL/STOL機を搭載できる軽空母(V/STOL空母)を保持する事にしたが(インヴィンシブル級)、フォークランド紛争で上記のような点が問題となった(この時問題になったのは能力十分なレーダー機を搭載しない点だった)。後継のクイーン・エリザベス級航空母艦はVTOL/STOL機を運用することから「軽空母」とはされるものの、6万トンを超える大きさ(フランス海軍の正規空母シャルル・ド・ゴールの1.5倍)であり、「軽空母だから安価」とは必ずしも言えなくなっている。
こうしたことから、従来、軽空母を運用してきた国の多くは、SVTOL機の運用以外にヘリコプターの運用や揚陸任務などに汎用的に使える強襲揚陸艦に移行しており、イタリア海軍のカヴールなども揚陸艦としての機能を有している。
なお第二次世界大戦時に大小多数の空母を運用した旧日本海軍だが、「軽空母」や「護衛空母」の分類は存在しなかった。運用できる機体の数に関わらず全て「航空母艦」であり、強いて分けるなら、最初から空母として建造されたという意味での「正規空母」と、他の艦種として建造(あるいは設計)されて最終的に空母として竣工した「改造空母」の二種類である。
主な艦
日本
その他
- インディペンデンス級(アメリカ)
- アーガス(イギリス)
- ハーミーズ(初代)(イギリス)
- コロッサス級(イギリス)
- ハーミーズ(2代目)→ヴィラート(イギリス→インド)
- インヴィンシブル級(イギリス)
- プリンシペ・デ・アストゥリアス(スペイン)
- チャクリ・ナルエベト(タイ)
『艦隊これくしょん』における軽空母
ブラウザゲーム『艦隊これくしょん』に登場する艦娘の分類のひとつ。
空母の下位分類。
艦載機の搭載数と、装甲・速力の面で正規空母には劣るが、コスト面では駆逐艦を複数運用するよりも安くつく為、序盤における強力な助っ人になってくれる。
コストパフォーマンスが良いので、低難易度の海域でのレベル上げにも重宝されたり、強化のさせ方次第で正規空母並みの活躍も期待できるなど、下位艦種と侮れない力を発揮してくれる。
このゲームでは対潜攻撃が可能な仕様であり(正規空母では不可能)、護衛空母としての側面も併せ持っている。ただし、軽空母と護衛空母はその出自から運用手法まで根本から異なる存在である。
現在、以下のメンバーがカテゴライズされている。
改造後に軽空母となるもの
詳細は各艦の記事を参照。
こちらは鈴谷改二及び熊野改二のコンバート改造で軽空母に改造できるが、史実にはないif改装。
改最上型重巡として建造されていた「伊吹」が空母に改装されたのを受けて実装された要素である。