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概要

大日本帝国海軍空母の艦級。当初は給油艦潜水母艦として建造されたが、戦時に改装され空母となった。

ワシントン・ロンドン海軍軍縮条約により、日本海軍は空母保有量に制限が付けられていた。しかし、日本海軍はこの制限をくぐり抜けて空母を保有しようと検討し、平時は条約制限外の給油艦潜水母艦であるが、戦時に改装することにより空母となる軍艦の建造を計画した。

この計画に則り、1934年(昭和9年)の海軍軍備補充計画(通称マル2計画)において、剣埼型給油艦2隻(剣埼、高崎)の建造が開始された。両艦は1935年(昭和10年)と1936年(昭和11年)に進水したが、1936年にロンドン海軍軍縮条約を脱退したことに伴い、空母改造の前段階として主機(エンジン)の強化やエレベータを設置した潜水母艦への改装が開始された。

剣埼は1939年(昭和14年)に潜水母艦として竣工するが、1941年(昭和16年)より空母改装に着手し、1942年(昭和17年)1月に空母「祥鳳」として竣工した。

高崎は潜水母艦として竣工することなく1940年(昭和15年)に空母改装が開始され、同年12月に空母「瑞鳳」として竣工する。

一番艦は祥鳳(剣崎)だったため、祥鳳型と呼ばれる時もある。

祥鳳は珊瑚海海戦にて日本海軍初の喪失空母となり、就役から約3ヶ月という短い生涯に幕を閉じた。

それとは対照的に、姉妹艦である瑞鳳は日本海軍機動部隊として最後の戦いとなったレイテ沖海戦まで、第一線で戦い続けることになり、そこで囮としての任務を全うして沈んでいった。

この2隻が共に活動したことはない。

また、いくらかの相違点があるものの、龍鳳も書類上は祥鳳型に含まれる。これは史実での書類上の扱いと実態の乖離から発生している。

日本海軍の書類上は「瑞鳳型航空母艦」であるが、瑞鳳以外に龍鳳・祥鳳・千歳・千代田が含まれている。要するに他母艦からの改装艦を一纏めにした分類であり、この場合は始めに空母として竣工した瑞鳳がネームシップ扱いとなる。

実態は「瑞鳳型」各艦で設計・元々の艦型の違いから瑞鳳型祥鳳・瑞鳳、龍鳳、千歳型千歳・千代田と分離されることが多い。

No艦名工廠起工進水竣工戦没
一番艦祥鳳(剣崎)横須賀1934/12/03(補給艦)1935/06/01(補給艦)1939/01/15(潜水母艦)1942/01/26(空母改装)1942/05/07
二番艦瑞鳳(高崎)横須賀1935/06/20(補給艦)1936/06/19(補給艦)1940/12/27(空母)1944/12/20

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