概要
ヴィラート(Viraat)は、インド海軍で運用されていた軽空母。艦番号はR22。イギリス海軍のセントー級空母ハーミーズを購入して改装したもの。艦名は『巨人』を意味する。
来歴
イギリス海軍時代
ハーミーズはセントー級の四番艦として建造されたが、船体が小さく、ジェット機の運用は困難だった。そこで、イギリス海軍は余剰となった本艦にヘリコプターを使った揚陸作戦能力を持たせ、コマンド母艦(ヘリコプター揚陸艦)へと艦種を変更した。しかし、ハリアーが登場すると、これを運用するSTOVL空母へと再改装され、退役までの時間を過ごすことになる。
インド海軍時代
インド海軍は、退役したハーミーズを改装し、軽空母として運用することになった。インド海軍では、揚陸作戦の支援や対潜作戦の展開などを任務としていたという。インド海軍での退役は2017年であった。
設計
補強された飛行甲板を持ち、スキージャンプで搭載機の発艦を行っていた。弾薬庫は30.5mmの装甲が施され、最低80発の短魚雷を含む容量があった。コマンド母艦としても運用されていたことから、上陸用舟艇や兵員の搭載能力も保持していたという。外見的には、ハーミーズ時代、アングルドデッキが設置されていた名残から、飛行甲板が左に大きく張り出しているのが特徴である。