概要
2次防CVHとは、海上自衛隊が1950~60年代に第2次防衛力整備計画(2次防)で企画していた、幻のヘリ空母の通称である。
CVHは、2次防策定過程で登場した、ヘリ空母(CVH)を基幹とする対潜水艦掃討群および汎用護衛艦を基幹とする護衛グループを計4~5個整備することを目標とした「赤城構想」にて建造が構想された。この計画にはアメリカ海軍も賛同しており、建造費は艦載機の対潜ヘリコプター購入費も含めて日米協同で負担することも決まっていたという。
しかし決定した2次防では、当時の政局の混乱と防衛庁内局の反対もあって建造が認められず、計画はお流れになってしまった。また、当時としては割高な100億円という建造費(海自初のミサイル搭載艦となった護衛艦「あまつかぜ」も98億円という建造費から2番艦建造を見送っている)や、そもそも艦載機となる対潜ヘリは実用化前で性能面にも疑問があったという。
海上自衛隊はその後、ひゅうが型護衛艦といずも型護衛艦の就役によりようやく本格的なヘリ空母(もといヘリコプター搭載護衛艦)を所得したが、それは21世紀に入ってからの話であった。
性能
2次防CVHは次のような諸元で建造を計画されていた。
- 基準排水量:11,000トン
- 全長:166.5メートル
- 水線長:160メートル
- 最大幅:22メートル
- 飛行甲板:全長155メートル×幅22メートル
- 武装:76ミリ連装速射砲×4基
- 艦載機:HSS-2対潜ヘリ×18機
なお、上の計画案は「CVH-b」とされる計画案で、棄却されたもう一つの計画案「CVH-a」案では基準排水量23,000トン、対潜ヘリコプター18機に加えてS2F対潜哨戒機を6機搭載する軽空母として企画されていた。もしこちらの案で計画され、建造されていれば、海自はずっと昔の時点から固定翼機を搭載する空母を運用できていたのかもしれない。