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水雷艇

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すいらいてい

水雷艇は海軍で使用された水雷装備、後には魚雷装備で敵を攻撃する小型艦艇

この艦艇は当初水雷(火薬を用い水中で爆発することにより艦艇を直接攻撃する兵器)を運用するための小型高速の船舶であったが、魚雷の発明により安価な対艦兵器として用いられるようになった。

その後軍艦の大型化が進むと本来この艦船を撃退するはずの水雷艇から駆逐艦に取って代わられた。ロンドン軍縮会議によりさらに駆逐艦が制限されるとこの水雷艇が一時脚光を浴びるが、第二次世界大戦の時点ですでに旧式の部類であり、駆逐艦より航続距離が短く小型のため、高速性を重視し、主に沿岸警備などに用いられた魚雷艇となった。

その後船舶の設備の向上等もありこの種の船舶が魚雷の有効距離外から砲撃されるリスクが高まったこと、魚雷よりも高性能な攻撃システム、例えば対艦ミサイルなどの開発によりこの主の船舶は完全に廃れてしまった。

詳細

当初、この軍艦は「へさきに水雷をつけた棒を取り付けた小さな船」というものであり、この船は航洋性は低いものであったがある程度の高速が出るように作られており1860年代の南北戦争には用いられ、戦果を挙げていた。

1870年代になると魚雷(水中を自走可能な水雷)の開発が進み、これを搭載した小型(数十トン程度から100t前半まで)の船舶が開発された。これは実戦としては露土戦争(1877年-1878年に発生したロシア帝国オスマン帝国との戦争、ロシア帝国の勝利となり、バルカン半島諸国の独立につながった)でロシアが用いた(ちなみにこの戦略を研究したのが後に海軍戦術論の大家として知られたステパン・マカロフ、後に砕氷艦を作らせたりしていたものの、日露戦争にて乗艦が機雷接触して死亡)。

近代的なこの船舶は特に大規模な戦闘艦を所有できない国が用いたり、戦闘艦の補助として用いられた。また、小型であるため大型の船舶(特にこの船舶を搭載することを目的とした軍艦を水雷艇母艦と呼ぶ)に搭載することも可能であった。

この船舶に高価な戦闘艦をつぶされるのはたまったものではない、フランス海軍はこの船舶を多用しようとした。そこで水雷艇駆逐艦という「ある程度の高速がでて砲撃も可能」な軍艦イギリス海軍は開発した(後にこの軍艦は他国も採用し駆逐艦と呼ばれるようになる)。この軍艦が作られたことにより小型、かつ航洋性の低いこの艦艇は使用されなくなり、その役割はこの艦艇を破壊するために作られた駆逐艦が引き継いだ。

ところが1921年のワシントン海軍軍縮条約の締結後、条約に含まれない巡洋艦および駆逐艦が大型化したためその種類の軍艦の制限を行うためロンドン海軍軍縮会議が行われた。

この際厳しい制限がかかったものの、排水量600トン以下の艦は無制限となったため、小型船舶であったこの艦艇が復活した。

特に日本はこの種の船舶を復活しいわばポケット駆逐艦のようなものを作成(ただしあまりにもバランスが悪かったため転覆事故「友鶴事件」を起こしている)、またヨーロッパでもこの種の船舶が地中海北海での利用を目的として製造された。

条約の失効とともに日本では建造のメリットがなくなり(より大きい駆逐艦を製造した方が良い)作られなくなり、ヨーロッパでは大型化し小型駆逐艦として使われるるようになっていた。

さらにはレーダー等の進歩により遠距離からの発見確率が上がると魚雷の有効範囲に入る以前に砲撃により沈没させられるため、対艦攻撃用として用いることはなくなり、コルベットフリゲートに取って代わられることとなった。

魚雷艇

日露戦争の結果、今までの水雷艦艇では性能的に不十分であることが明らかとなったため、戦術などを改めた。その結果駆逐艦にその役割を譲ることとなったが、「小型高速の艦艇を複数使用することにより攻撃を行う」という戦術も存在した。これを突き詰めたのが魚雷艇と呼ばれる軍艦である。

第一次世界大戦ではあるがイタリアはこの種の艦でオーストリア=ハンガリー帝国戦艦撃沈していたりと有用に利用されている。ただし高速ではあったものの外洋での利用は考慮されていないと思われる。

第二次世界大戦においては非常に小型かつ高速の船体(おおむね50t程度で30ノット後半から50ノット以上まで、ドイツの用いたもので115t)に少数の魚雷を搭載したむしろ先祖がえりを起こしたような船舶である魚雷艇が主として沿岸防護用として用いられ、特にアメリカ軍では日本軍の物資輸送に対し有効にそれを阻止し、ドイツ軍では航続距離を延長させ通商破壊などで実力を発揮した。

なお日本軍はこの種の兵器はおそらくは防御用の兵器であるとして開発を後回しにした結果、アメリカ軍にひどい目に合わされ、水上艦による海上特攻兵器も開発できなかった(ただ、第二次世界大戦時代の水雷艇は、各国とも巨大化が進んでおり、ほとんど駆逐艦と変わらない武装・設備を備えたものとなっているものもあった)。

しかしこの種の船舶もまたミサイル等対艦兵器や高速化の発達により、1980年代には製造されなくなり、ミサイル艇などの目的特化艦艇に取って代わられることとなった。

pixivにおいては

 特に日本軍の使用したこの種の船舶の作品が多い。

参照

wikipedia:同項目魚雷艇およびリンク先

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