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亡国のイージス

ぼうこくのいーじす

『亡国のイージス』(ぼうこくのイージス)とは、1999年に講談社から刊行された福井晴敏の小説である。
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『亡国のイージス』(ぼうこくのイージス)とは、1999年に講談社から刊行された福井晴敏の小説。これを原作として、映画(2005年公開)、漫画、ゲームなどのメディアミックス展開がなされた。


あらすじ編集

以下は原作『亡国のイージス』についての解説である。


海上自衛官である宮津弘隆北朝鮮工作員ホ・ヨンファと結託し、自分の座乗艦であるミニ・イージスシステム搭載ミサイル護衛艦「いそかぜ」(艦番号はDDG183)に特殊兵器「GUSOH」を持ち込み反乱を起こした。人質は首都東京、困惑する内閣。新人の部下如月行を、そして自分の艦を取り戻すために飛び込んでいった先任伍長仙石恒史


「守るため」に戦う2人の隊員は「俺たち」の艦を取り戻し、ミサイルの発射を阻止できるか。

(以上Wikipediaより引用)

亡国のイージス


漫画版編集

2000年に「コミックバウンド」で中村嘉宏氏作画によるコミカライズ版が連載されていたが、同誌の廃刊により打ち切り。単行本化はされていない。

2004年に「モーニング」にて横山仁氏により再度コミカライズ版が連載された。

単行本は講談社より4巻まで発刊されており、物語中盤に仙石と如月が「いそかぜ」にて合流するところで連載が中止され、4巻の最後には「第一部・完」と記されている。

pixivの横山仁氏のページ→http://www.pixiv.net/member.php?id=1613123


映画版編集

2005年に防衛庁海上自衛隊航空自衛隊協力のもと映画化された。

3月に公開された『ローレライ』、6月に公開された『戦国自衛隊1549』に続く福井晴敏原作による映画作品である。

『ローレライ』の監督を務めた樋口真嗣はもともと本作の映画化を構想していたが「とても2時間に収まる内容ではない」と考え福井に映画化を前提にして執筆を依頼したのが『終戦のローレライ』である。

よって本作もまた福井の判断によって内容が大幅に削減されており、その結果ハリウッド調のアクションシーンまで一部削除されるなど一部で不評の声が上がった。


出演者編集

仙石恒史真田広之

宮津弘隆寺尾聰

如月行勝地涼

渥美大輔佐藤浩市

竹中勇:吉田栄作

杉浦丈司:豊原功補

風間雄大:谷原章介

衣笠秀明:橋爪淳

阿久津徹男:矢島健一

宗像良昭:真木蔵人

梶本幸一郎:原田芳雄

瀬戸一馬:岸部一徳

明石智司:平泉成

ホ・ヨンファ中井貴一

チェ・ジョンヒチェ・ミンソ

ドンチョル:安藤政信


スタッフ編集

原作:福井晴敏

監督:阪本順治

脚本:長谷川康夫、飯田健三郎

音楽:トレヴァー・ジョーンズ

特撮監督:神谷誠

製作総指揮:小滝祥平、遠谷信幸


映画版の「いそかぜ」と原作版の相違について編集

「はたかぜ」型ミサイル護衛艦3番艦 「いそかぜ」

原作における「いそかぜ」は、はたかぜ型護衛艦の3番艦(架空)にSPY-1Dレーダーを中核とする国産の艦載武器システムFCS-3を搭載した「ミニ・イージス艦」である。

なお実際に試験艦「あすか」などに搭載されたFCS-3はSPY-1Dではなくアクティブ式のフェーズドアレイ・レーダーを使用している。

すなわち形態からして架空の艦であり、特撮による再現も困難であった。

よって映画版では実際のこんごう型護衛艦「みょうこう」をそのまま撮影に使用した。

設定上は「いそかぜ型」1番艦となっており、艦尾の艦名表記は「いそかぜ」に直されているが、艦首の艦番号は「みょうこう」の175のままになっている。

静岡県内の海岸にこんごう型をモデルとした「いそかぜ」の実物大撮影用セットも建設され、甲板での戦闘シーンなどに使用された。


うらかぜ」について編集

原作でたちかぜ型ミサイル護衛艦であった「うらかぜ」は、映画ではむらさめ型汎用護衛艦である「いかづち」が撮影に使用されている。これに伴い設定上の「うらかぜ」の艦種はミサイル護衛艦から汎用護衛艦に変更された。このため、イージスシステムを持つ防空艦「いそかぜ」と、同じく防空艦だがそれを持たない「うらかぜ」の性能格差が、映画では特に描写されていない。

「いそかぜ」と「うらかぜ」の海戦シーンは映画版では原作から大幅な内容の変更が行われており、原作の「うらかぜ」がSM-1→5インチ砲→ファランクス→チャフの順番でハープーンミサイルを迎撃したのに対し、映画版ではシースパロー→76mm砲→チャフの順番に変更されている。「いそかぜ」から発射されたハープーンミサイルの数も原作の4発に対して映画版では2発に変更されている。

庵野秀明の画コンテでは76mm砲と同時にファランクスの射撃が描かれている。


航空自衛隊関連の描写編集

原作では宗像はF-15Jのパイロットで、前述の「うらかぜ」が撃沈された後にアラート待機のまま発進し、スパロー空対空ミサイルによる攻撃を試みるという場面があった。

しかしこのエピソードがカットされた影響で対艦攻撃装備を持たないF-15Jが対艦攻撃に用いられる場面が不自然となり、宗像の機体はF-2支援戦闘機に変更された。


コラボレーション編集


亡国のイージス2035~ウォーシップガンナー~

『亡国のイージス』の30年後の世界を題材にしたメディアミックス作品。(公式サイト


いそかぜ反乱事件から30年の月日が流れた2035年を舞台に『ブイ・ウェッブ』仕様に改装された「いそかぜ」を操る海戦アクションゲーム。

コーエー制作の「鋼鉄の咆哮2 ウォーシップガンナー」のシステムを流用しているが、シナリオやブイ・ウェッブ艦の設定などに福井が関わっている。


いそかぜ反乱から30年後、高度なネットワーク社会の構築により「世界連邦」の樹立さえも現実味が帯びてきた時代。

海上自衛隊の呉基地で建造されたブイ・ウェッブ艦が「千里馬(チョンリマ)艦隊」と名乗る国籍不明の武装集団に強奪された。千里馬艦隊の首領は自らを「ホ・ヨンファ」と名乗り、「10年前の偽りの統一政策から祖国を解放し祖国を再建する」、「ブイ・ウェッブ艦は統一政策に加担した日本の賠償として受け取る」、そして「我が艦隊が保有するミサイルの弾頭は通常にあらず」と声明を発表する。

この事態に対し、DAIS元局長の渥美大輔は東京湾からサルベージされ、ブイ・ウェッブ艦に改造された「いそかぜ」による海上自衛隊のはぐれ者ばかりで構成された追撃部隊を編成。

その艦長に指名されたのはいそかぜ事件の首謀者の甥・宮津直基だった。


物語の中核となる「ブイ・ウェッブ艦」とは、作戦に応じて艤装を自由自在に配置変更する事が可能な最新鋭艦。すなわち「鋼鉄の咆哮」の艦船設計システムを本作の世界観に落とし込んだものである。

本作の後続作品である「ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮」では、本作に登場した「T-Pex」が「焼夷弾頭ミサイル」、「アポトーシスV」が「電子撹乱ミサイル」として逆輸入されている。


二次創作編集

近年は「艦隊これくしょん」とのコラボ作品も多い。当然主役は磯風である。

亡国のいそかぜいそかぜ改二

たまに浦風との絡みも。

うらかぜ


また、磯風はメシマズで知られているため、その料理がGUSOHと呼ばれることがしばしば。

料理教室

もっとも、テルミット・プラスで焼却されたかの如く(ある意味)無毒化されている事も多いようだが…



関連タグ編集

福井晴敏 仙石恒史 如月行 ジョンヒ ホ・ヨンファ 宮津弘隆

GUSOH テルミット・プラス

亡国のイージス(論文):この作品のタイトルにもなっている、ある人物の息子が書いた論文。


川の深さは:梶本の前歴と思われる「梶本官房長官」が登場。

TwelveY.O.:本作で断片的に語られるGUSOHが解き放たれた事件「辺野古ディストラクション」が描かれる。

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