人物像
海上自衛隊ミサイル護衛艦「いそかぜ」の艦長。二等海佐。そして、いそかぜ事件の首謀者。
映画版では寺尾聰が演じたが、防衛庁側の意向もあって役職が副長に変更されている。
父親も日本海軍出身で戦後は海上自衛隊の技術幹部を務めた人物であり、父に憧れて自衛官を志す。
人望に厚く、同級生・先輩後輩・同僚に彼を慕う者は多い。妻と防大生の子供にめぐまれていたが、ある事件をきっかけにそれまでと全く逆の歯車が回り始める。冷徹になろうとするも、ここ一番で冷徹になりきれない。
原作では初任幹部時代に仙石と出会っていて、中学生時代の如月とも縁があるらしい描写が見られる。
各人物との関係
宮津隆史
息子。彼が13歳のときに初めて艦長職を拝命した。
防衛大学校の卒業を半年後に控えたころに父に何も告げずに中退。高速道路を暴走して防音壁に激突・死亡してしまった。
ヨンファからその死にまつわるある秘密を聞かされた弘隆は、彼の誘いを受けいそかぜ事件の首謀者となって政府に対し息子の敵討ちを試みる。
原作においては事故自体がDAISにより仕組まれたものであることが描写されているが、映画版では正真正銘の事故だったことが示唆されている。
ホ・ヨンファ
隆史の死後弘隆のもとを訪れ、その死に日本政府の陰謀が潜んでいたと伝え彼をテロに誘う。
しかしここ一番に冷徹になり切れない弘隆のことは「息子の仇討にしか興味がない」と内心見下している。
如月行
あくまで一乗組員であったころから「父を自ら殺めた息子」と「息子を失った父」という立場からどことなく隆史の面影を見ていた節がある。
いそかぜ事件を決意してからもに彼に隆史の面影を感じて行動を躊躇する場面がみられる。
そして終盤にはとうとう行に隆史の幻影を重ねてしまった。
阿久津徹男
『うらかぜ』の艦長。宮津とは防衛大学校時代から付き合いがあり、宮津を「部屋長」と呼んで慕っていた。
しかし『うらかぜ』が撃沈されたことを機に宮津への復讐として救助に来たMH-60を乗っ取り宮津と再度接触を試みる。
その際に眼下に浮かぶ壊滅した920SOFの生存者たちを見つけ、復讐よりも救助を優先したことで宮津を動揺させた。
宮津直基
『亡国のイージス2035』に登場した甥。防衛大学校を首席で卒業した優秀な人物だが、「反乱事件の首謀者の甥」という立場故に閑職を転々としていた。
さらに「千里馬艦隊」事件においてもスタンフォード米第8艦隊司令から何かに漬けて弘隆と比較される。
そのため弘隆のことは「私の人生を縛ってきた叔父貴」と複雑な感情を抱いている様子。
関連タグ
亡国のイージス(論文):息子が書いた論文。これが全ての始まりでもある