曖昧さ回避
概要
DDG-174「きりしま」は、海上自衛隊が運用しているミサイル護衛艦。こんごう型護衛艦2番艦のイージス艦である。
艦名は宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島連峰にちなむもので、日本の艦艇名としては2代目。初代「霧島」は言うまでもなく金剛型戦艦の4番艦である。
三菱重工長崎造船所で建造され、1993年に進水、1995年に就役した。
就役時は第1護衛隊群第61護衛隊所属、横須賀を定係港とした。その後、CIWS(ファランクス)を能力向上型のblock1Bに換装している。
護衛艦隊の再編後、第4護衛隊群第8護衛隊に配置換えとなったが、さらに2014年10月24日からは、現在の第2護衛隊群第6護衛隊へと転属した。定係港は横須賀のまま。
日本のイージス艦の中で、ハワイ沖で大陸間弾道弾の迎撃試験を初めて成功させている。きりしまの放ったSM-3弾道弾迎撃ミサイルは、6発の大陸間弾道弾にすべて命中し、弾道弾を宇宙空間で迎撃してしまったとんでもない逸話を持っている。大陸間弾道弾がミサイルで撃墜させられたのは世界初の快挙。高速で飛来するミサイルを宇宙空間で撃ち落とすというのは、飛んでくるピストルの弾を、ピストルの1発の射撃で撃ち落とすよりも非常に困難だといわれている。
姉妹艦
こんごう型護衛艦1番艦「こんごう」
こんごう型護衛艦3番艦「みょうこう」
こんごう型護衛艦4番艦「ちょうかい」
リムパック参加7回の実績を持つ
これだけは頭に入れておきたいのだが、「霧島」~「きりしま」は2代とも国産である。しかも作られた場所が同じ三菱重工長崎造船所であるという奇跡の運命につながっている。
また、きりしまは環太平洋合同軍事演習リムパックに過去7回(1996・1998・2000・2002・2006・2008・2014年)参加しているが、このうち2006年のリムパックでは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が弾道ミサイル発射実験の兆候を見せたため途中で帰国を余儀なくされている。
ほかの海自イージス艦がリムパックに参加したのは「こんごう」が就役翌年の1994年、「あたご」が2010年、「みょうこう」が2012年、「ちょうかい」が2016年の各1回きりで、現在「あしがら」のみ未参加である。
映画『バトルシップ』撮影時に冒頭のサッカーシーンでちらっと映っている(とある役者に自衛隊は「アメリカ海軍よりも早く出てきた(意訳)」と言われている)。
67年の時を超えてよみがえった照月~「てるづき」との縁
現在「きりしま」が定係港にしている横須賀基地には、第6護衛隊での同僚として、たかなみ型護衛艦のネームシップ・3代目「たかなみ」、あきづき型護衛艦(Ⅲ)の2番艦・3代目「てるづき」がいるが、このうち「てるづき」は、かつて「きりしま」の先祖にあたる戦艦霧島の最期の戦いになった、第3次ソロモン沖海戦において、その霧島の護衛を任されていた駆逐艦照月の名を継いでいる。同海戦で照月は結果的に戦艦霧島の護衛に失敗、自らもまた敵艦の猛攻を受け大破、就役後わずか104日で自沈を余儀なくされてしまったが、それから67年を経た2010年、すでに「きりしま」が定係港にしていた横須賀基地に3代目「てるづき」が配備され、ともに海自艦に転生した姿であるとはいえ、両者は67年ぶりの再会を果たしている。さらに2014年度下半期からは同じ6護隊での同僚にもなった。
加えてこの3代目「てるづき」の故郷は「きりしま」と同じ三菱長崎だが、日本海軍の照月もまた、戦艦霧島と同じく三菱長崎で建造されており、深い因縁を感じさせる。
関連イラスト
関連リンク
あたご型護衛艦:「こんごう」型の発展型となったイージス艦。前述の「あたご」「あしがら」の2隻。
三菱重工長崎造船所:前述の「ちょうかい」以外の海自イージス艦はここで建造された。
非関連であってほしいタグ
イージスです-宮城地本募集課の「サト吉(海自♂)」によってパワーポイントで描かれた艦船擬人化クリーチャーの通称。旗番号から本艦がモデルと思われる。尚、サト吉(海自♂)は以前本艦に乗艦していた。