海自最新鋭のイージス艦
DDG-178「あしがら」は、海上自衛隊が運用するイージスシステム搭載護衛艦、あたご型の2番艦。艦名は神奈川県と静岡県とにまたがる金時山の別名足柄山に由来し、日本海軍の妙高型重巡洋艦3番艦「足柄」より受け継いだもので、本艦が2代目にあたる。
1番艦のあたご同様、三菱重工長崎造船所で建造され、すでに2008年に竣工したが、あたご型そのものが本艦との2隻で建造を終えてしまい、その後現在にいたるまでイージス艦の新造もない状態が続いたが、2018年7月30日に「まや」が進水されたことで、腹違いの妹ができた。
また海自イージス艦として唯一、環太平洋合同演習リムパックには現時点で参加実績がない。ただ、同型のあたごに続き、2015年8月下旬(~翌月9日終了)に実施された合同演習ドーンブリッツ2015には参加した。ドーンブリッツ2015での僚艦は前回からの続投になったひゅうがである。
第2護衛隊群第2護衛隊配属で、佐世保を定係港に持つ。
艦歴
発注 | 2003年 |
起工 | 2005年4月6日 |
進水 | 2006年8月30日 |
就役 | 2008年3月13日 |
要目 | |
排水量 | 基準7,700トン 満載10,000トン |
全長 | 165m |
全幅 | 21m |
吃水 | 6.2m |
エンジン | LM-2500COGAG×4基 |
最大速力 | 30kt以上 |
兵装 | MK41VLS SSM-1BSSM4連発射機 69式魚雷発射管 CIWS Mk45mod4 デコイ発射機 |
電子装置 | SPY-1D OPS-28 OPS-20 Mk99/SPG-62 OQS-102 NOLW-2ESM/ECM Mk137 |
艦載機 | ヘリ1機 |
自衛艦これ風足柄
ちなみに重巡洋艦の初代足柄は川崎重工神戸造船所で竣工した。同造船所では現在でも海自の潜水艦が建造されている。
時空を超えてよみがえった礼号作戦での同僚・大淀との縁
現「あしがら」は2008年の竣工当時から一貫して佐世保基地を定係港にしているが、竣工された当時、すでにこの基地を定係港にしていた艦の1隻にあぶくま型沿岸護衛艦3番艦の「おおよど」がいた。このおおよども2代目で、初代にあたる日本海軍の軽巡洋艦の大淀は、礼号作戦における初代足柄の戦友にあたる。
そして戦後60年以上の時を経て、本艦・2代目あしがらと、その初代大淀の名を継いだ2代目おおよどとは、同じ佐世保基地に轡を並べる先輩後輩の関係となった。
2代目おおよどは2011年3月、大湊基地に異動となり、入れ替わりに佐世保基地には同じあぶくま型の2番艦「じんつう」が大湊より転属、現在にいたる。
蛇足
ひらがなの「あしがら」の名称はかつて小田急電鉄が運行していた有料特急ロマンスカーの愛称に用いられていたことがあり、こちらは現在の「はこね」「ホームウェイ」の始祖に当たる。詳細はロマンスカーの記事も参照のこと。
関連タグ
あたご型護衛艦 足柄(艦隊これくしょん)/足柄改二
あたご:同型1番艦でこちらは舞鶴基地を定係港にしている。
こんごう型護衛艦(前級)
※4隻すべて前述のリムパックに参加歴がある。
こんごう - きりしま(イージス艦):こんごう型の1~2番艦。どちらも建造先は本艦と同じく三菱長崎で、「こんごう」は本艦ともども佐世保基地を定係港に持つ。
みょうこう:3番艦で「あたご」とともに舞鶴基地を定係港とする。やはり建造先は三菱長崎。初代足柄の同型艦・妙高の名を継いだが姉妹関係自体は失われた。
ちょうかい:4番艦で「あしがら」と同じく佐世保基地を定係港とする。こちらの建造先は、亡き石川島播磨重工東京工場。
本艦と同じ第2護衛隊の所属艦
いせ - はるさめ - あまぎり
その他
伊勢(艦隊これくしょん) 春雨(艦隊これくしょん) 天霧(艦隊これくしょん)
日向(艦隊これくしょん):舞鶴を定係港とする前述の「ひゅうが」は2代目。
愛宕(艦隊これくしょん) 妙高(艦隊これくしょん)/妙高改二
大淀(艦隊これくしょん)/アシタイ(淀柄)
神通(艦隊これくしょん)/神通改二:前述した当代の「じんつう」も2代目にあたる。
あぶくま型護衛艦