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戦艦大和

せんかんやまと

旧日本海軍の超弩級戦艦。第二次世界大戦で連合艦隊の旗艦として就役したが、その存在は一般には秘匿されていた。最終決戦兵器として無為に温存され、沖縄出撃の途上で沈められる結果となった。
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概要

戦艦大和は、昭和16年に大日本帝国海軍が建造した戦艦としては最後の型式である大和型のネームシップである。
同型艦に武蔵信濃111号艦
全長263m/満載排水量72809tと、史上最大の戦艦として知られる(アメリカ海軍のアイオワ級戦艦は270m/59331t)。
45口径46cm三連装砲も史上最大の艦砲であり、存在を秘匿するため「九四式45口径40センチ砲」と公称された。そのため連合国側は太平洋戦争終結後まで40センチ砲搭載艦と認識していた。
この砲は威力もさることながら爆風反動が凄まじく、設計段階からそれを考慮して搭載艇艦載機を艦内に収容できるようになっており、主砲発射時には機銃高角砲の要員を艦内に待避させるため、警報が発せられた。それでも対策は不十分で、エレベーターケーブルが切れるなどの被害があった。
これよりも口径が大きい主砲を搭載した戦艦は建造されることがなかったが、次期主力艦載砲の研究のため19インチ(48cm)砲が試作された。
艦首喫水線下の球状突起に零式水中聴音機が配され、一部資料に拠れば爆雷も積まれていたとされる。

多額の建造費を要したこともあって出し渋られ、出撃の機会は殆どなく、トラックに停泊していることが多かった。艦内設備は充実しており、大和ホテル(姉妹艦の戦艦武蔵武蔵旅館)と揶揄された。
戦艦金剛戦艦榛名の代わりに大和がヘンダーソン飛行場砲撃を行えば相応の戦果が期待できたはずであるという意見もあったが、日本海軍は第2飛行場の存在を知らなかったので結果は同じと考えられる。レイテ沖海戦は漸く訪れた実戦の機会だったが特に戦果は無く、両舷を魚雷に挟まれて何キロも戦場から遠ざかる(サマール沖海戦)など散々だった。

昭和20年4月6日、米軍沖縄上陸を受け、徳山沖で大和に矢矧駆逐艦8隻が合流した第一遊撃部隊は、沖縄へ向け特攻出撃。
日本側の行動はアメリカ海軍に筒抜けで、7日正午頃より坊ノ岬から211km沖で第58任務部隊(マーク・ミッチャー中将)の艦載機による波状攻撃を受け、次々と撃沈された。大和には500ポンド爆弾と1000ポンド爆弾が8発、魚雷が11発命中し、横転・爆沈した。
第2艦隊司令長官・伊藤整一中将は沈み行く大和と運命を共にし、乗組員の9割以上が命を落とした。
第一遊撃部隊残存の冬月初霜雪風は乗員救助の上、佐世保へ帰投。涼月は後進で佐世保に帰投し、ドック内で擱座した。
同日、鈴木貫太郎首相に就任し、日本は降伏に向けて動き始めた。

要目

艦歴

起工昭和12年11月4日
進水昭和15年8月8日
就役昭和16年12月16日
喪失昭和20年4月7日
除籍昭和20年8月31日


主な戦歴

昭和17年6月5日:ミッドウェー海戦(初出撃)
昭和19年6月19~20日:マリアナ沖海戦(米軍機に対し初の主砲三式弾による攻撃)
昭和19年10月24~25日:レイテ沖海戦(米護衛空母群に主砲124発を発射)
昭和20年4月7日:坊ノ岬沖海戦(戦没)

評価

太平洋戦争開戦の直後、日本海軍の航空部隊が英戦艦プリンス・オブ・ウェールズおよびレパルスを沈めたマレー沖海戦に伴い、いわゆる「大艦巨砲主義」は時代遅れとなり、主戦力は航空戦力へと変わった。大和の就役はその1週間後であり、大和は誕生と同時に時代遅れとなってしまった。
これにより、終戦後の1987年には当時の大蔵相から「青函トンネルは戦艦大和、伊勢湾堤防に並ぶ昭和三馬鹿公共事業だ」とまで言われることとなる。

とはいえ、軍縮条約もあり大和型以外の戦艦は皆艦齢20年以上の旧型艦で、仮想敵の戦艦に対抗できるのは長門型二隻のみ、という状態だったので旧型艦更新用の戦艦の建造自体は決して間違いではない(実際、米海軍は同時期にノースカロライナ級を建造しその後もサウスダコタ級、アイオワ級と建造。英海軍はキング・ジョージ5世級を建造しヴァンガードに至っては戦後に建造しており、大和型の建造は必然だったといってもいい)

それでも戦艦は空母機動艦隊の護衛、または地上艦砲射撃のプラットフォームとしてなお有効ではあったが、大和型と長門型は喪失を恐れて消極的運用に終始し、日本海軍が戦艦として有効に活用できたのは金剛型戦艦の4隻(それと海上輸送艦・輸送艦隊の護衛としては伊勢型戦艦の2隻もそこそこ活躍している)のみであった。これは「金剛型は古いので失っても惜しくない」という判断があったため積極的な運用ができたからである。

無為に温存された大和は、レイテ沖海戦での連合艦隊の壊滅後、内地に残っていた重油をかき集めて生還の望めない沖縄特攻へ出撃。作戦に向かう途上で米軍機の波状攻撃に成す術なく沈没という結果になったが、これは帝国海軍軍令部ももとより予想していた結果であった。「大和」の沈没により帰投した第二艦隊の戦闘詳報では「精鋭部隊(艦船)をもみすみす徒死させた」として軍首脳部の判断を厳しく批判している。

大和出撃により海上護衛戦に使うべき重油が無くなってしまい、海上輸送網を封じられた日本は燃料はもとより生活物資や食糧に事欠く状態になり、飢餓に落ち込んでいく。海上護衛戦の責任者であった大井篤大佐は護衛艦隊の重油を大和出撃に奪われたことに憤り、「国を挙げての戦争に、水上部隊の伝統が何だ。水上部隊の栄光が何だ。馬鹿野郎」と嘆いたという。

なお、大和の存在は戦時中秘匿されていたため一般には明確な形で知られておらず(漠然と「新型戦艦」と呼ばれていた)、一般に広く知られたのは戦後である。

海底の大和

戦艦大和は、長崎県男女群島女島南方176km、水深345mの海底に沈んでいる。
沈没時に大爆発を起こした為、艦体は1番主砲基部と2番主砲基部の間を境に、前後2つに分かれていた形で沈んでいた。前部部分は比較的原型を保ってたが、後部部分は完全に横転した状態で根元から脱落した艦橋は艦首の下敷きとなって原型を留めていない。主砲と副砲塔はすべて転覆時に脱落し、特に3基の主砲は、砲塔の天蓋を下にして海底に塔のように同一線上に直立しており、特に主砲2番砲塔の損傷が酷い。4あるスクリューも3つは無傷で合ったが、1つは折れてシャフト後と抜け落ちて海底に突き刺さっている。

諸元

新造時

全長263m
全幅38.9m
基準排水量64000t
満載排水量72809t
武装
  • 45口径46cm三連装砲塔3基
  • 60口径15.5cm三連装砲塔4基
  • 40口径12.7cm連装高角砲塔6基
  • 25mm三連装機銃8基
  • 13mm連装機銃2基
航空兵装
  • 水上偵察機/水上観測機7機(カタパルト2基)
装甲
  • 舷側410mm
  • 甲板230mm
  • 主砲防盾650mm
  • 艦橋500mm(最下部)
速力27.5ノット
乗員2500名

最終状態
全長263m
全幅38.9m
基準排水量64000t
満載排水量72809t
武装
  • 45口径46cm三連装砲塔3基
  • 60口径15.5cm三連装砲塔2基
  • 40口径12.7cm連装高角砲塔12基
  • 25mm三連装機銃52基
  • 25mm単装機銃6丁
  • 13mm連装機銃2基
航空兵装
  • 水上偵察機/水上観測機7機(カタパルト2基)
装甲
  • 舷側410mm
  • 甲板230mm
  • 主砲防盾650mm
  • 艦橋500mm(最下部)
速力27.5ノット
乗員3332名

大和を大きく扱った創作作品

  • アミーゴ!戦艦大和5000頭の現物支払いでアルゼンチンに買われ搬送中に事故で沈んだように偽装して秘蔵されていた大和がアルゼンチン海軍艦アントノ・リベロとしてフォークランド紛争に参加。最終的には日本に返還され記念艦となる。
  • 宇宙戦艦ヤマト:大昔に沈み放置されっぱなしの戦艦と見せかけておき、実は海底で密かに宇宙戦艦に改造されていた。ガミラスの脅威に対抗し地球を救いうる唯一の希望としてイスカンダルへと飛び立つ。ちなみに、作中ではほぼ原形を保ったまま沈んでいるように描かれているが、後の海底調査で船体が真っ二つに折れていて「密かに改造」など到底無理と判明(ただしディープな軍事マニアは既に海中の大和がそのような状態であることを予想していた)し、スタッフの一部がひどく落胆、松本零士に至っては泣いて悔しがったというエピソードも。
  • 宇宙戦艦ヤマト2199:上記のリメイク作品。海底での大和が大破している事実を反映し、「密かに改造」から「軍艦の残骸に偽装して建造」と経歴が修正された。
  • 『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』:上記リメイク作品シリーズの過去映像に新規映像を加えた再編集作品。こちらでは本来の戦艦大和が登場。西暦2144から2145年にかけて極東を代表する戦争遺物として浮揚、復元された後、2145年の第二次世界大戦二百周年式典にて再び海底へ還されたことが語られる。この大和が前述の宇宙戦艦ヤマト建造時の残骸と同一であるかは不明だが、「永遠の眠りにつくはずだった」とナレーションされたことから偽装用残骸に利用されたと思われる。
  • 一峰大二ウルトラマン:大和の残骸に無数の群体生物が憑りついた軍艦怪獣ヤマトンが出現しウルトラマンと戦う。
  • ウルトラセブンミミー星人が大和を始めとする戦艦の残骸を元に軍艦ロボット・アイアンロックスを作り、船舶や港を砲撃。体内には自爆装置があり、セブンを道連れにしようとした。
  • ストライクウィッチーズ:2期1話で登場。最初から対空兵装強化型として竣工している。物語の後半では自慢の46cm砲をネウロイ相手にブッ放したり、『オペレーション・マルス』成功の鍵としてネウロイ化して空を飛んだり、と他の艦艇以上に見せ場が多かった。最終的には座礁するも、ポーツマス軍港で修復が行われて再航行が可能になり、劇場版にも登場。浮き輪をつけてライン河を上ってきてしまった。ちなみに登場こそしていないが武蔵も存在している。
  • 世界戦艦大和列伝:戦艦大和の設計図がスパイによって世界中に流出してしまった為に、世界中が各国の趣向を凝らした戦艦大和を建造し、「ヤマト・ファイト」が繰り広げられる。
  • 戦艦大和欧州激闘録 鋼鉄の破壊神 … 日本が連合軍に参加したため、イタリア海軍艦との戦闘で大破した後に日米両軍の最新技術で傷だらけの破壊神として復活。地中海と大西洋で転戦・破壊の限りを尽くした。
  • 帝国の危機:作中の日本は民本主義(民意優先の政治思想)で動いており、大和は公共事業の一環として、これまた公共事業で造られた無駄に大きいドックで建造されたため史実より更にデカくなったので、船員一人一人にも小さいながら個室が割り当てられるなど後述する高い居住性がさらに向上、オマケに偶然にも艦橋の形状が高いステルス性を発揮したため敵艦に接近を勘付かれなかった描写もある。
  • ビッグY 戦艦大和の戦後史:偶然の不運と信濃の犠牲に助けられて撃沈を免れた大和が戦後に接収されてアメリカ海軍艦モンタナ名義で何の因果か湾岸戦争にまで参加。最終的には日本に返還され記念艦となる。
  • ジパング太平洋戦争中にタイムスリップした主人公達の前に連合艦隊と共に大和が姿を現す。その後も度々登場し、実際の戦史には無い戦闘を行ったりするが最後はジャックされた挙句、史実と同じように爆発轟沈してしまう。
  • 征途レイテ沖海戦での栗田提督戦死で艦隊決戦に勝利、その後米軍フィリピン上陸部隊壊滅に伴うマッカーサー戦死により歴史が変化、留萌~釧路44度線において分断国家となった日本にて、海上自衛隊の運用する「超大型護衛艦やまと」として近代軍艦最長不倒の現役運用記録を持つ艦となり、1980年代にはイージス艦装備すら持つようになる。
  • 超弩級空母大和第一次世界大戦に史実以上に深入りした日本は、戦艦というハードウェアに限界を感じ、変わって台頭した航空主兵により超巨大空母の建造を開始する。信濃以外の大和型が空母として完成する架空戦記は他にも存在するが、本作はその代表作といえる。
  • 葵の太平洋戦争明治維新に失敗し徳川幕府体制のまま近代化した日本という設定の架空戦記。同作で本級は当初『大和』の名を予定されていたが、「『扶桑』に続いて『大和』は、朝廷におもねるにも程があるのではないか」という理由から、徳川由来の地を取って三河型戦艦1番艦『三河』として竣工する。艦首に入っているのは菊の御紋ではなく徳川家の三葉葵
  • 連合艦隊秘史 覇龍の戦録:作中世界ではを燃料とする常温核融合の実現・実用化に海軍が成功しており、その煽りで他の艦共々常温核融合炉で稼働しているため燃料の心配が全くない(この常温核融合の仕組みは詳細を秘匿するためなのか『第二石油』と称されている)。大和の場合は炉心が生み出す膨大な電力(この電力には『特号火薬』なる名称がつけられている)を利用して副砲をレールガン化してあるが、電極の損耗率が極めて高いため連射力は主砲と比べるとかなり劣る。
  • 最後のレストラン:最後の作戦である天一号作戦のため沖縄に向けて航海中に現代の横須賀沖にタイムスリップする。有賀幸作は同じ名字の有賀千恵と出会う。
  • ドラえもんラジコン大海戦:詳細はリンク先記事参照。
  • ファンタシースターオンライン2(幻創戦艦・大和):敵として登場。本物の大和ではなく、超空間通信物質「エーテル粒子」の集合によって具現化した「幻創種」。ストーリークエストでプレイヤーにコテンパンにされたマザー・クラスタの「金の使徒」、亜贄萩斗(あにえ はぎと)がプレイヤーへの意趣返しのために、彼自身の妄想から作り上げた存在。彼自身が召喚した自律型具現武装「ハギト・フェムト」によって自律制御される。2017年になって強化版が実装され、その気になれば宇宙戦艦や霧の艦隊とも互角に殴り合えそうな超兵器と化している。
  • ダライアス:(こちらも敵として登場。宇宙人(ベルサー軍)の機械に全システムが乗っ取られていて、最終的には完全に破壊されてしまう)
  • 深海獣レイゴー:南洋のトラック諸島に生息する伝説の怪獣『レイゴー』と戦艦大和との壮絶な戦いが描かれる。
  • オーバードウェポン:(未実装のオーバードウェポンに大和の名を冠した変態兵器が存在する。右ミサイルブロック、左砲塔ブロックで構成される)


余談

進水~竣工の間に全体像が完全に把握されないように、大和の横には空母鳳翔が横付けされて目隠しの役割を担っていた。ただし全長の差が100メートル近くも存在したために効果としては疑問視されており、46cm三連砲の全体像の把握の阻止が目的であった可能性が高い(大和の全長は263m、鳳翔の全長は168m)。

日本海軍で「大和」を名乗る艦艇は戦艦が2代目である。初代大和は日清戦争前に就役した葛城型(初代)スループで、姉妹艦「武蔵」とともに海防艦を経て測量艦として活躍。1935年に除籍された後も戦後まで海上にその姿をとどめていた。初代大和は建造当時としても旧式の鉄骨木皮構造だったにもかかわらず大いに活躍し、2代目とは対照的に幸運に恵まれた船であったと言える。

また、最終状態が模型化される際には艦後部側の空中線と支柱を残したままの形態が度々見られるものの、「天」一号作戦時には無線封止の観点からこれらが撤去されていた(格納されていたという説もある)ことから、こちらの仕様を取り入れるキットも見られる。

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戦艦 大和型戦艦 大和(無印) 大日本帝国海軍 連合艦隊 旗艦
大和(艦隊これくしょん) 大和(最ラブ)....艦船擬人化キャラクター
有賀幸作 天一号作戦

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