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概要編集

コンテナ船は、貨物船のうちコンテナを用いた輸送に特化した構造を持つもの。コンテナ船が積載する貨物は、製材品、建材機械類や機械部品、薬品日用品冷凍食品加工食品...などなど(コンテナに入らない極端に大きな構造物や燃料類、鮮度勝負の生鮮食料品以外の)「ほとんど何でも」である。


現在、日本と海外を結ぶ「外航船」は、タンカー(油槽船)や粉体・粒体をそのまま船倉に収めるばら積み船、自動車運搬船といった特定の貨物に特化したもの以外では、コンテナ船が主流である。

一方、日本国内の港のみを結ぶ「内航船」の場合、コンテナ船が占める輸送量はRO-RO船やフェリーなど同種の貨物を輸送できる他の船種を大きく下回り、令和3年度の時点で1/10以下程度である。(国土交通省 全国物流調査)


船舶輸送はスケールメリットが大きいため、世界の主要の間は大型コンテナ船が定期船(ライナー/Liner)として運航される。その前後では小型のコンテナ船や鉄道、トレーラーなどが使われる(フィーダー輸送)。


特徴編集

荷姿が統一された大きさのコンテナに規格化されているので荷役が効率的で、大きさの不揃いな貨物を積み込む在来船を駆逐した。在来船は港に立ち寄るたびに貨物の積み替えにとても時間がかかっていたため、人件費がかさむばかりか貨物が目的地に到達する時間も読みにくく、とても非効率だったのである。


ただし、コンテナ船は基本的に自船に荷役設備を備えず、コンテナを積み込むのにガントリークレーンが必要になる(フィーダー輸送に用いる中小型コンテナ船は船体にクレーンを据えつけ、専用の荷役設備を必要としないものもある)。車両が自走して積み込めるフェリーRO-RO船に比べると積み替えの手間はかかるものの、コンテナ船はコンテナをぎっしり積み込める(車体ヘッド分のスペースや船内のスロープなどが不要)ので積載効率は良い。


1960年代の普及初期は高速性能も大きな売りだったが、オイルショック後のコンテナ船は高速性能はあまり重視していない。


船倉はコンテナを固定するレールが据え付けられ、規格化されたコンテナがずれないようになっているほか、3相400V電源(内航船の場合は3相200Vの場合が多い)を備え、リーファーコンテナ(冷凍コンテナ/冷蔵コンテナ)に電力を供給することができる。大型船の場合は船倉に蓋(ハッチカバー)がない上部開放構造で、船倉内には直接風雨が吹き込んでしまう。ハッチカバーを備えたものであっても、甲板上にコンテナを積み込むことがあるので、コンテナには風雨に耐える耐候性が求められる。


海上コンテナ編集

コンテナ船に積載されるコンテナ(インターモーダルコンテナ、日本では陸上ではあまり用いられないので一般的に海上コンテナという)のサイズはISO(国際標準化機構)で規格化されていて、長寸12.192mの40フィートコンテナと、6.058mの20フィートコンテナが主流である。


JR貨物が用いている12フィートコンテナは国鉄由来の独自規格で、日本と近隣の外国(中国・韓国)を結ぶコンテナ便でしか用いられない。日本の陸上輸送で12フィートコンテナ主流なのは車両限界や荷役設備の制約があるためだが、JR貨物は20フィート・40フィートの国際海上コンテナへの対応を徐々に進めている。

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