概要
重量物運搬船とは、通常の貨物船には載せられない貨物を輸送するために設計された運搬船である。重量のある貨物や、巨大な貨物を運搬する際に使用される。単に「重量物船」とも。
大型の建設機械、鉄道車両、建造物、他の船舶など、ひとつの貨物の重量が30トンを超えるような重量物を運ぶ際に用いられる。
重量物船にも主に3種類があり、
- LO-LO方式:「Lift on/Lift off」の略。デリック(クレーンのようなもの)を使い重量貨物を荷役する。
- RO-RO方式:「Roll on/Roll off」の略。カーフェリーのように車両を船上に乗り入れさせて荷役する。船尾のランプウェイから、台車などを使って重量貨物を直接積み込むタイプの船はモジュール船、モジュール重量物船とも言われる。
- FO-FO、FLO-FLO方式:「Float on/Float off」の略。潜水艦のように半分だけ沈むことができ、甲板を水面下に沈め、水上に浮かぶ貨物を下から掬い上げて搭載する。半潜水式重量物運搬船、FOFO船とも言われる。
……に大別される。
LO-LO方式。荷役に使うデリックが見える。
RO-RO方式。カーフェリーのようなランプウェイがあるのがわかる。
RORO船の稿も参照。
FO-FO方式。映像のようにイージス艦のような大型艦船すら運べる。世界最大の半潜水式重量物運搬船「BOKA VANGUARD」であれば理論上は戦艦大和すら運搬可能。
創作では
割とマイナーかつニッチな種類の船ということもあり、創作での登場機会もかなり少ない。
しかし近年だと映画『GODZILLA VS KONG』にて、作中前半に怪獣コングを輸送する船として登場したり(ついでに戦闘の舞台にもなった)、ゲーム『スプラトゥーン3』にてバトルステージ「オヒョウ海運」として登場するなど、知名度のある作品にて登場する機会もそこそこあったりする。