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最後のレストラン

さいごのれすとらん

『最後のレストラン』(さいごのレストラン)は、藤栄道彦による日本の漫画作品。新潮社の『月刊コミック@バンチ』2011年4月号から始まり2024年4月号終了。話数表記は「GUEST.○」。1話1人物の一話完結型ストーリーになっている。
目次 [非表示]

あらすじ

今ひとつ流行っていないレストラン「ヘブンズドア」

オーナー兼シェフの園場凌が何やかやと騒いでいると、なぜか死の間際の歴史上の著名人がレストランを訪れてくる。その人物たちに最期の料理を食べさせるため、園場は従業員の有賀千恵や前田あたり、過去に帰れず従業員として居付いたジャンヌ・ダルクと共に機転を利かせて、何とか工夫して満足のいくものを作って行く。


登場人物

「ヘブンズドア」の従業員

園場凌 (そのば しのぐ)

父からレストラン「ヘブンズドア」を受け継いだばかりのオーナーシェフ。28歳。マイナス思考かつ無気力で、すぐに自殺を図ったり仕事を放棄しようとしたりする。しかし料理の技術や発想は高く、店を訪れる著名人の無理難題に見事に答えていく。当初は父の店を継いだばかりで客も殆ど訪れなかったレストランにも徐々に客が増えていくことになる。先代のオーナーシェフであった父は一年前に他界。

基本的に厭世的で後ろ向きなダメ人間(作者談)だが、料理のことに対し貶されたり軽く見られると真顔で静かに怒る場面も。

原作では一貫して訪れる偉人が本物だとは信じていないが、ドラマ版では中盤から本物だと信じるようになっている。

名前の由来は「その場しのぎ」から。


有賀千恵 (ありが ちえ)

ヘブンズドアのアルバイト。17歳の女子高生。特殊な技能はないが、明るく人なつっこい性格で、店のムードメーカーのような存在。毎回一生懸命に園場を励ましたり発破を掛けたりしてやる気を出させようとしているが、彼のあまりのマイナス思考振りにキレてしまい、上司が相手とは思えないような乱暴な態度をとってしまうことも。両親と姉との4人暮らし。都二格(とにかく)高等学校在学中。「ヘブンズドア」に勤めはじめてから、料理人の道に進みたいと思うようになる。

名前の由来は「ありがち」から。


前田あたり(まえだ あたり)

ヘブンズドアのアルバイト。19歳の女子大生。園場が店にガソリンをまいて火を点けようとしているのを見ても平然としているほど冷静沈着な性格の持ち主。専攻は不明だが語学に極めて堪能であり、英語はもちろんフランス語、古代ギリシア語、古典ラテン語、ヘブライ語、アラビア語、スペイン語、中期漢語、オーストリアドイツ語、中世日本語(3巻までの時点)による会話を行い、店を訪れる古今東西の著名人との通訳をこなす。歴史や文化についても博覧強記と言っていいほどの知識を有しており、彼女のアドバイスが「最後の料理」のヒントとなることも多い。

同様に語学堪能で何でもこなせる従姉妹がホテルに勤めているという裏設定がある。

聖ウァレンティヌスの時はジャンヌとともにドリフのコントのごとく大声を上げた。

非常に博識の才女であるが、料理と運動は苦手。

名前の由来は「あたりまえだ」から。


ジャンヌ・ダルク

中世イギリスの異端審問裁判で火刑により死ぬ直前にヘブンズドアへ飛ばされてきた。園場のことを死刑から自分を救ってくれた唯一神と勘違いし、神の奇跡を見せる一皿を注文する。出された料理に満足し帰ろうとするが、何故か元の時代に戻れず、そのままヘブンズドアで従業員として働くことになった。史実として語られる通り純真で真面目な性格だが、それが嵩じて時折やや狂気じみた表情や振る舞いを見せ、園場を戦々恐々とさせている。

ヴィーガンであるため肉や魚、乳や卵を食べず、一人だけ違うまかないを食べることもある。

自分を処刑したイギリスにはトラウマを持っており、イギリス人を見ると決戦兵器並に暴走する。横須賀の海岸で水着の人々を見て恥ずかしがった。

いつも鎧を着ているので力が強い。

パソコンを使ってジル・ド・レが変わってしまった事を知った。


ヴォルフ

アドルフ・ヒトラーの飼い犬であり、自殺前のヒトラーを導くようにヘブンズドアにやってきた。ヒトラーは元の時代に戻ったがヴォルフは付いていきそびれ、そのまま店で飼われることになった。食品衛生法上の問題で普段は店の外の犬小屋にいる。

安徳天皇とのキャッチボールが最近の趣味。安徳天皇を小学校へ迎えにいっている。

母親犬はマルティン・ボルマンからヒトラーに贈られたジャーマン・シェパード・ドッグ(アルサシアン)のメスのブロンディ(Blondi、1934年 - 1945年4月29日)。

1945年1月、ヒトラーが総統地下壕に移転したのちも、ブロンディはヒトラーと行動をともにした。ヒトラーはブロンディが総統防空壕の寝室に泊まるのを許していた。

同年4月、ブロンディは Gerdy Troost の所持するジャーマン・シェパード・ドッグのHarass との間に5匹の子犬をもうける。ヒトラーはそのうちの1頭の子犬に、彼の大好きな名で彼自身の名前の由来であり、を意味する「ヴォルフ」 (Wolf) という名前をつけた。


御奴心 (みやっこ こころ)

かってヘブンズドアで働いていたことのある料理人。ステーキなどの焼き物専門シェフであり、先代の助手にして凌の先輩。料理の腕は確かなのだが少々性格に難があり、持論を曲げないことから勤め先の大手ホテルオーナーに反発し失職。半ば強引にヘブンズドアに復帰した。

いつも笑顔なのだが、怒る時も笑顔でプレッシャーを放ちつつ淡々と正論を並べてくるので、凌たちには恐れられている。

仕事着が網タイツ+肩と背中が大きく露出したワンピース型エプロンという、アレにしか見えない格好で店の中を歩き回るため、よく店長と勘違いされるらしい(曰く「店長以外があんな格好してたら怒られるから」)

実家には茸が採れる山がある。

名前の由来は「御怒り」から。「」の漢字を分解すると「奴」「心」となる。


一瀬 一大(いちせ いちだい)

先代の時、ヘブンズドアに勤めていたソムリエ。しかしギャンブルにはまってしまい、嫁さんに逃げられ、お店の金57万8千円を持ち逃げする。その後風美という娘の為に改心し、紆余屈折し再びヘブンズドアのソムリエとして再就職。

酒類や香辛料について博識。

名前の由来は、一世一代、娘の名は一世風靡から。


安徳天皇

源平の世、幼くして亡くなった天皇。壇ノ浦の戦い最中に入水自殺しようとした途端にヘブンズドアへ。前田さんが言仁という名と持ち歩いていた神器(剣)から安徳天皇だとすぐわかった。料理を食した後、まだ元の時代には戻っていない。料理の御礼となる土産を渡していないためだと思われる(剣は前田さんが言仁に返した)。

千恵も弟のようにかわいがっており、帰ってほしくない事を願っている。

性別不詳、実際の歴史も性別のデータがあいまいで女子だったという説もあるが、今作では男の子として登場している。

その血筋ゆえか本人の資質ゆえか、凄まじいカリスマオーラを放っており、だれもが彼の前では自然とかしこまってしまう上、来店する偉人達もただならぬオーラを感じ取っている。

現在は千恵のところへ暮らすという展開となり、「有賀言仁(ありが ときひと)」と名乗ることに。

新鮮な食材や調味料、料理法の少ない時代の人なので、現代の食事は不味くて食べられないことも多い。

老人会との野球の試合&沢村栄治の影響で野球に興味を持った。義務教育の関係で一増(ひとまず)小学校へ通う事になった。バレンタインデーにはチョコを大量にもらった。

茸が好きで松茸より椎茸が好き。遠足の前の日は眠れないタイプ。

学芸会ではさるかに合戦の猿役になった。


クルンテープ

ナレースワンから報酬としてもらったシャモ(厳密にはシャモの原種)。ムエタイの創始者であるナレースワンの影響か、胸に傷を持つ眼帯の戦士の技が使える。


「ヘブンズドア」の従業員の家族

園場の父

「ヘブンズドア」の先代オーナーシェフ。病院で長い闘病生活だったが死亡。流行りものに飛びつくミーハー。スタッフの教育はきちんとしていた。

今のところ凌と心の台詞のみに登場。


園場の母

凌と同居している。


有賀の両親

マンションに住んでいる。安徳天皇の居候を最初は反対していたが、安徳天皇のオーラを観た事で居候を許可した。


有賀 多喜(ありが たき)

有賀の姉。就職している。安徳天皇の面倒見がいい。


御奴の両親

立川区の農家。野菜を送る代わりに「ヘブンズドア」でタダで食べさせろと微妙な取引を望んでいる。

アガサ・クリスティの回で猪による作物被害を園場に相談してきた。

その他

面津 駆(めんつ かける)

食品・飲料メーカーカントリーの御曹司。イギリス料理が得意。経営者センスはあるが、調理センスに問題がある(元々イギリス料理が素朴で華やかさに欠けるというのもあるが。なお「ウナギのゼリー寄せ」は18世紀から伝わるイギリスの伝統料理)。凌とは別タイプの駄目人間。

何故か一々言葉を一部英語に置き換えて言い直す妙な癖がある。

横須賀の映画のイベントでは自分の働いているレベルを見せびらかすために園場達を温泉旅館へ無料で招待した。クルーザーをもっている。

イギリスに留学中は芋料理ばっかだった。

名前の由来は「メンツをかける」から。


茂野月 好美 (ものづき このみ)

アパレルメーカー「ラディアント」に勤める25歳の女性。

園場の叔母の勧めたお見合いにて登場。

変わったものが大好きで、凌のことを「今までに見たことの無いタイプ」と好意を寄せる。

合気道の達人。趣味はZ級の映画鑑賞。

名前の由来は「もの好き」から。


岸 開成 (きし かいせい)

外務大臣。(のちに副総理に昇進)

ヘブンズドアが火災で半焼してしまい、改装のために今までの偉人の残していったものを売ろうとしていた園場に、それらを担保に改装費用一千万を貸したことからヘブンズドアの上客になる。

名前の由来は起死回生から。モデルはおそらく麻生太郎


タイムスリップの法則

  • 偉人は非業の死を遂げる直前に「ヘブンズドア」にタイムスリップしてくる。
    • 死の直前だけでなく、死ぬ少し前に不図したきっかけで現れたりする者もいた。
    • 第4巻以降は「ヘブンズドア」だけでなくジャンヌや安徳天皇の周辺でも現れるようになる。もはや園場の血が偉人達を引き寄せているのかもしれない。
  • 園場は偉人の客の注文に合わせた料理を作らなければならない。
  • 料理を食べた偉人が元の時代に戻るには報酬を園場達に渡さなければならない。
    • 報酬は品物ではなく講演やキスやアイデアでもOK。
    • ただし、レストランの材料で作った料理の場合、対価にはカウントされない。
  • 報酬を渡さなかった偉人は現代に住み続ける事になる。

関連動画


関連イラスト

最後のレストラン(園場凌・御奴心)ドラマ化記念


TVドラマ

『月刊コミック@バンチ』2016年3月号でTVドラマ化が発表された。

2016年4月26日夜11時15分から6月14日までNHKBSプレミアムにて放送された。


スピンオフ

最後の小料理屋

月刊コミック@バンチ2015年2月号から連載開始。


最後のレストラン Dante(ダンテ)

WEBマガジン・コミックバンチKAI2024年6月号より連載開始


外部リンク

関連タグ

藤栄道彦

漫画 新潮社 コミックバンチ

レストラン 歴史 タイムトラベル 料理漫画


糸色望……さよなら絶望先生の主人公。眼鏡、非常にネガティブな小人物というところが似ている。初期のころ、羅列ネタなどこの作品をオマージュしたような表現が見られた。

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