解説
文字通り大学生の女性のこと。もしくは女性の入学を前提としている女子大学の学生のこと。略称はJD。
「女子」の指す範囲は広いものの、高校卒業後すぐ入学した学生や、浪人・社会人などを経ての入学でも比較的若い世代の学生を指すことが大半である。
制服から卒業し、染髪やピアス、メイクなどファッションの幅も女子高生に比べて広がりを見せるようになる。
日本ではかつて女性が大学や旧制専門学校などの高等教育機関に在籍することは稀であったが、時代が進むにつれ徐々にその数を増やし、戦後しばらく経った1950年代からは多くの大学で女子学生が見られるようになった。
1980年代前半から1990年ごろまでのバブル期には、女子の大学・短大進学率が上がったこともあって「女子大生ブーム」が到来しており、数々のテレビ番組等で取り上げられたほか、フィクションでも頻繁に描かれていた。
しかし、バブル経済崩壊後の1990年代半ば以降は就職氷河期の影響もありブームが下火になる。さらに、同時期に「コギャル」と呼ばれる女子(中)高生の世代が新たに女性向けカルチャーを席巻し、女子高生がブームとなった。
フィクションでも同様であり、キャンパスライフを描いた作品のなかでも特に「女子大生」にだけ焦点を当てた作品は少ない。オタク界隈ではオタク=ロリコンのイメージがあるようにかねてから女子高生以下のほうが人気の状況にあり、男子大学生が女子高生以下や異世界美少女と恋をするものは多いが女子大生を描いたものは稀である。自主規制による女子校生なる用語もあるほど。また『らき☆すた』や『けいおん!』のように、物語のスタート時点では高校生であった主人公たちが、大学に進学した後のストーリーを描くという作品自体はあるものの、その展開には賛否両論がある。
フィクションにおいてあまり取り上げられない理由について、受け手側の反応としては
- 大学に進学したことがない人には親近感が沸かない
- 大学生に限らず、現実世界の18歳以上(2022年4月1日より成人年齢)は3K含む恋人持ちが出てくるころで、R-18に手を出せるようになり、フィクションにおいて恋愛要素で非常に荒れやすいため、炎上阻止のために、恋愛に縁がなさそうな化粧していないキャラ、恋愛しない(してもプラトニックラブに留まる、相手が年上なだけで目上に見てくれる)未成年のキャラ、現実の人間から遠い異世界人のキャラで代用しなくてはならないことがある→処女厨
- 制服をキャラクターとしての萌え属性の一つとして考える人が多い
- 「大学デビュー」などでキャラクターのイメージが変わってしまうのが受け入れられない
作者側の都合としては
- 大学や専攻によって講義の内容や校風が大きく異なるため、作者自身の思い出があまりなかったり取材が適当な場合嘘っぽくなってしまう
- 中学や高校に比べると学内でも学外でもイベントが多岐に渡り、逆に描くべきものを絞りにくい
- キャラクターそれぞれに私服を設定しなければならず、描き分けが難しい
- ストーリーの展開上、終盤に辛い就活や大学院進学のための試験などが描かれることが多いため、閉塞的な雰囲気になってしまう
- 18歳~20代前半が多いが、中学や高校と違い、在学生の年齢に決まりがない
などが挙げられる。
Pixivにおいて
Pixivにおいても、全年齢向けでは「女子中学生」や「女子高生」に比べるとタグ登録は少ない。
しかし、成人向け作品においては基本的に18歳以上のため安心して描きやすい存在といえ、閲覧するときも全年齢向けよりも検索しやすいといえる。
また、「女子大生」として想定される年齢層や、そのイメージを持ったキャラクターを描いていても、実際には年齢不詳や学歴不詳ということもあるため、タグとして機能していないことも少なくない。
セーラー服のような学校の制服※を着ていない以上、私服姿の高校生以下のキャラや社会人と区別がつけにくいという作画上の都合もある。例えば就活などでリクルートスーツを着用している大学生キャラと、単にダークカラーのスーツを着ているだけの(成人以上の)社会人キャラをパッと見た印象だけで描き分ける・見分けるのは難しいといえる。
成人済みでも外見が幼い「合法ロリ」ということも多いため「中学生や高校生よりは大人っぽい」というイメージを求める人は注意が必要となる。
※基本的に現代日本の一般的な大学には制服は存在しないものの、防衛大学校など一部制服を採用している大学(に相当する機関)は存在する。また、学部によっては実習などの都合から、常時着用でなくても各種ユニフォームを指定しているところは多い。