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概要編集

第二次世界大戦後初の国産護衛艦・はるかぜ型が戦後10年近い技術的空白を埋めるべく旧海軍とアメリカ海軍の技術を参考としたのに対し、本型は新しい技術を盛り込んだ設計となっていた。

設計にはF-102の基本計画番号が付与され、旧海軍の技術者を中心に組織されて警備隊時代より技術研究本部を補完してきた外部組織である財団法人船舶設計協会がこれにあたった。


船型は艦内容積・復原性能の増大・軽量化を図りつつ、風圧面積を減らすために長船首楼船型を採用した。長船首楼船型は、前部と後部の段差の接続部の強度が弱点となってしまうが、前部と後部の接続部を緩やかな傾斜(約13度)を付けた連続した甲板とすることでその問題を解決している。

この傾斜甲板は就役後、乗員から「オランダ坂」と呼ばれ通行等の不便さから不評を買ったが、設計上は優れたものであったため、むらさめ型あきづき型にも採用された。艦内容積は、はるかぜ型と比して約2割程、乗員一人あたりの居住区画面積がはるかぜ型の1.74m²から2.21m²に増加しており、乗員の居住性向上が図られている。


本型は、1955年度計画艦4隻の後、むらさめ型(初代)3隻を挟んで1957年度、1958年度計画艦3隻の計7隻が建造された。30年度計画艦が前期型、32・33年度計画艦が後期型と呼ばれ、電子装備などが若干異なる。

ソナーは当初はAN/SQS-11を装備していたが、33年度計画艦では新型のAN/SQS-4 mod.1が搭載された。AN/SQS-4は従来のQHシリーズをもとに発展させて開発され、8〜14キロヘルツの周波数を使用し、探知距離4600メートルを狙ったものであり、米海軍ではディーレイ級護衛駆逐艦より装備化された。これらの捜索ソナーとは別に、攻撃用ソナーも搭載されている。

なお、のちに一部艦ではさらにAN/SQS-31に換装したほか、可変深度ソナー(VDS)として、1965年から1967年にかけて、「あやなみ」「いそなみ」「たかなみ」にOQA-1A(アメリカ製AN/SQA-10の国産化版)が後日装備された。


電子戦支援用の電波探知装置(ESM)はアメリカ製のAN/BLR-1の装備を計画したものの、貸与が遅れたことから、前期建造艦はESM装置を搭載せずに就役し、後期建造艦のみがこれを搭載した。前期建造艦については、初の本格的な国産機であるNOLR-1が後日搭載されている。

主砲は新世代のアメリカ製速射砲であるMk.33 50口径3インチ連装速射砲を初採用しており、前部に2基背負い式で、後部に1基の計3基を搭載した。本砲は後にライセンス生産も行なわれ、1974年度計画艦に至るまでの各艦種、計44隻に搭載された。

砲射撃指揮装置は28DDで40mm機銃用として搭載されたのと同系列のMk.63が使用されるが、その射撃指揮レーダーは新型のAN/SPG-34に更新された。AN/SPG-34は2・3番砲塔に設置されていた。


就役後はワークホースとして長年護衛艦隊を支えた。兵装は就役時からやや物足りないものであったが、退役するまで大きな変更が加えられることは無かった。

旧式化が進行すると、代艦としてはつゆき型が建造されることとなり、はつゆき型の配備が進行すると同時に特務艦や練習艦に転用された後、除籍されていった。


同型艦編集

  • DD-103「あやなみ」
  • DD-104「いそなみ」
  • DD-105「うらなみ」
  • DD-106「しきなみ」
  • DD-110「たかなみ」
  • DD-111「おおなみ」
  • DD-112「まきなみ」

「あやなみ」から「しきなみ」までの4隻が前期型、「たかなみ」以降の3隻が後期型に相当する。


登場作品編集

護衛艦隊の主力だったことから多くの映画に登場している。


海上自衛隊の艦艇として登場。なぜか「哨戒艇」と呼称される。

海中に潜むバランに爆雷で攻撃し、浮かび上がったバランに主砲を叩きこむ。

空母「飛龍」から脱出した主人公らを救出する駆逐艦「風雲」役で「うらなみ」が登場。「飛龍」を雷撃処分する場面も描写されており、実際に魚雷発射管が旋回する場面がある。

宇宙船を回収する任務に挑む護衛艦として「いそなみ」が登場。緯度0から地上に帰還したペリーを救出する。


関連タグ編集

海上自衛隊 護衛艦

あやなみ型

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