概要
「まきなみ」は海上自衛隊の護衛艦名のひとつ。旧日本海軍の夕雲型駆逐艦「巻波」を初代として、あやなみ型護衛艦の2代目、たかなみ型護衛艦の3代目が存在する。
いずれも艦番号はDD-112である。
3代目まきなみ(現役)
メイン画像右側の艦。現在運用中の3代目「まきなみ」は、中期防衛力整備計画に基づく平成11年度計画4,600トン型護衛艦2241号艦として、JMU横浜事業所磯子工場で建造され、2001年7月17日起工、2002年8月8日進水ののち2004年3月18日に就役した、たかなみ型護衛艦の3番艦。
就役と共に第2護衛隊群第2護衛隊に編入、佐世保に配備された。
なお、国産護衛艦としては通算100隻目で、また石川島播磨重工業東京工場の閉鎖→移転により稼働を開始した、JMU横浜事業所磯子工場で建造された最初の護衛艦でもある。
2005年5月18日から8月20日の間、護衛艦「みょうこう」、「あけぼの」とともに米国派遣訓練に参加。
2006年11月12日、テロ対策特別措置法に基づき、補給艦「とわだ」と共にインド洋に派遣、2007年3月まで任務に従事し、4月26日に帰国。
2008年3月26日、護衛隊改編により第3護衛隊群第3護衛隊に編入。同年環太平洋合同演習(RIMPAC)に参加。
2010年8月26日、第6次派遣海賊対処行動水上部隊としてソマリア沖・アデン湾に向けて佐世保から出航同年9月20日から12月22日までの間計28回の船団護衛を実施し2011年1月18日に佐世保に帰港した。
2011年3月16日、編成替えにより定係港が佐世保から大湊に変わる。
2012年8月31日、第13次派遣海賊対処行動水上部隊としてソマリア沖・アデン湾に向けて大湊から出航。2013年1月23日、インド洋でモルディブ沿岸警備隊哨戒艇シャヒード・アリと親善訓練を実施し、2013年2月11日に大湊に帰港した。
2015年10月23日、同型の「すずなみ」と共に第23次派遣海賊対処行動水上部隊としてアフリカ・ソマリア沖での海賊対策任務にあたるため出航した。集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法の成立後としては初めての派遣となった。任務を終え、2016年5月8日に大湊に帰港。
2016年10月11日、「すずなみ」と共に現在の第3護衛隊群第7護衛隊に編入。
2017年11月12日、日本海において護衛艦「いなづま」「いせ」、および空母「ロナルド・レーガン」以下米軍の艦艇数隻と共に、日米共同訓練を実施。
2018年5月21日、練習艦「かしま」と共に『平成30年度遠洋練習航海』に出発。第69期一般幹部候補生課程修了者約190名(うちタイ王国海軍少尉1名)を含む約580名と共に163日間で10カ国、12寄港地を訪問、10月30日に横須賀に帰投した。
現在の定係港は大湊である。
2代目まきなみ(除籍)
一方、かつて存在した2代目「まきなみ」は、第1次防衛力整備計画に基づく昭和33度計画1,700トン型警備艦1612号艦として、旧舞鶴海軍工廠の流れを汲む飯野重工業(日立造船を経て現・JMU)舞鶴造船所で建造され、1959年3月20日起工、1960年4月25日進水ののち1960年10月28日に就役した、あやなみ型護衛艦の最終7番艦。
就役と共に呉地方隊第11護衛隊に編入されるも、翌1961年2月1日、第11護衛隊は自衛艦隊隷下に再編された第2護衛隊群隷下、さらに10年後には護衛艦隊隷下に新編された第4護衛隊群隷下へと編成替えになっている。
1973年12月16日、第11護衛隊が第3護衛隊群隷下に編成替えされたのに合わせ、定係港が佐世保に変わる。この前後に短魚雷落射機を撤去し、68式3連装短魚雷発射管を2基装備する対潜攻撃能力強化工事を実施した。
本艦は1987年2月20日の第11護衛隊廃止と共に特務艦に種別変更され、艦籍番号がASU-7014に変更。佐世保地方隊の直轄艦となった。除籍は1990年3月23日付。