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概要編集

TV-3508「かしま」は、平成4年度計画4,000トン型練習艦3502号艦として、ジャパンマリンユナイテッド舞鶴事業所(当時は日立造船舞鶴工場)で建造され、1993年4月20日起工、1994年2月23日進水を経て1995年1月26日に竣工・就役した海上自衛隊練習艦

2017年1月1日現在、練習艦隊直轄でその旗艦を務めており、定係港は呉である。また、練習艦隊の司令部も現在は呉に置かれている。


海自において、専用練習艦(当初から練習艦として設計された艦)としてはTV-3501「かとり」に次いで2隻目にあたり、動力は「かとり」の蒸気タービンに対し、ガスタービンが採用された。

教育訓練設備として、候補生170名を収容可能な実習員講堂が備えられ、その後部にはヘリコプター甲板としても使用できる訓練甲板があり、レセプション会場としても使用できるよう引き込み格納式の天幕が備えられている。

また兵装は「かとり」に比して、前甲板の62口径76ミリ速射砲1基及び両舷の68式3連装短魚雷発射管2基のみに削減された。対空・対艦ミサイル及びアスロックの発射訓練はCIC内のシミュレーターによって行われ、実際の発射機操作を伴う訓練に際しては随伴の護衛艦への移乗を必要とするなど、実習効率を優先した、かなり割り切った設計になっている。


毎年遠洋航海で諸外国を訪問するため、練習艦特有の装備として礼砲を艦橋前部に2門設置した他、「日本国の顔」として公式儀礼を行うのにふさわしい内装上の配慮がなされており、前級の「かとり」のものからグレードアップした特別公室を設置している。


このほか、設計段階より女性実習幹部の乗艦が考慮され、女性専用居住区が設けられた。

女性専用のベッド数は24床となっており、これがそのまま海上自衛隊における女性幹部自衛官の年間任命数上限にもなっている。


なお艦名は茨城県の鹿島神宮に由来し、旧日本海軍の戦艦「鹿島」、軽巡洋艦(練習巡洋艦)「鹿島」に続いて3代目にあたるが、2代とも香取型に属していた旧海軍の鹿島とは異なり、同型艦はない。


スペック編集

  • 基準排水量:4,050t
  • 主要寸法:全長143m×全幅18.0m×深さ12.3m×喫水4.6m
  • 乗員:360名

ガ島での遺骨迎え入れとマゼラン海峡通過編集

2014年の遠洋練習航海の際、本艦はかつての激戦地・ガダルカナル島ホニアラに入港する。ここで本艦は、現地でボランティアにより収集された、ソロモン諸島戦没者の御遺骨137柱を艦内に迎え、日本へ送り届けるという任務を果たした。この任務は日本海軍の流れをくむ海自として初めて行われたもので(それまで行われていた遺骨収集は、基本的に厚労省によるチャーター便での帰国だった)、日本の艦艇がガ島を訪れたのは、旧日本海軍がガ島を放棄してから実に71年ぶりのことになる。

ホニアラはちなみにソロモン諸島共和国の首都で、日本海軍が建設したルンガ飛行場が、ホニアラ国際空港(旧名称はヘンダーソン空港)として現役で使用されていることでも知られる。

  • この任務は2年後に3代目たかなみ」も参加しており、ニュージーランド海軍主催国際観艦式、及びADMMプラス海洋安全保障実動訓練マヒ・タンガロア16に参加した帰りにガ島に入港し、戦没日本兵の遺骨を迎え入れ、帰国に導いている。

2015年の練習航海では、南米マゼラン海峡の通過にも成功した。これは日本艦として初めてのことだが、すなわち1873年の日本海軍誕生以来初めての快挙ともなった。

また翌2016年には、初代(戦艦)鹿島の故郷でもある英国を訪問している。

  • 戦艦鹿島は「大正の軍縮」の影響により1923年に除籍→解体されたが、その2年前の1921年3月、皇太子(後の昭和天皇)欧州ご巡遊に伴う遣欧艦隊に同行、御召艦の戦艦香取と共に「里帰り」を果たしており、この当時の写真が、2代目の軽巡鹿島の写真ともども3代目である本艦の実習員講堂に飾られている。

関連タグ編集

まきぐもむらくもしらゆき:現在は除籍されたやまぐも型護衛艦2番艦「まきぐも」、みねぐも型護衛艦3番艦「むらくも」、はつゆき型護衛艦2番艦「しらゆき」は、最晩年に練習艦に転用され(TV-3507/TV-3511/TV-3517)、第1練習隊所属となっていた。「まきぐも」が先に「かしま」就役にともなう代替で除籍、「むらくも」も数年後に後を追ったため、「かしま」の同僚として最も長く練習艦隊にいたのは「しらゆき」である。ちなみに「しらゆき」「むらくも」の建造先は「かしま」と同じJMU舞鶴である。

はたかぜ:上記の3隻と同様、はたかぜ型護衛艦1番艦「はたかぜ」もまた現在練習艦に転用され(TV-3520)、第1練習隊所属として「かしま」の同僚となっている。


ベルファスト英国海軍所属のエディンバラ級(タウン級のサブクラス)軽巡洋艦。戦後、テムズ川の大英帝国戦争博物館分館(博物館船)となり、かしまの2016年イギリス初寄港の際にはベルファストの隣に停泊することとなった。


飛行場姫:ルンガ飛行場についてはこちらの記事も参照されたい。

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