概要
昭和19年(1944年)8月20日に、サイパン島の戦いで司令部が壊滅した第三水雷戦隊を改組する形で編成された戦隊。
この際、対潜機動部隊の設立を訴えていた連合艦隊司令部らと、米潜水艦による通商破壊への対策を模索していた軍令部第12課の後押しもあり、三水戦の残存兵力と当時量産が開始されたばかりの松型駆逐艦に加え、海防艦と零式水上偵察機部隊を編入した戦隊として誕生する事となった。
「第三十一“水雷”戦隊」ではなく、単に「戦隊」と銘打たれているのは、対潜水艦戦を主な任務とし、雷装を持たない海防艦なども編入されているためである。
対潜戦闘を主務とする戦隊だが、民間の船団護衛を担う海上護衛総司令部ではなく、連合艦隊の指揮下にある点も特徴で、単なる護衛のみならず、積極的な対潜掃討も念頭に置いた、いわゆる「ハンター・キラー・グループ」的戦隊でもある。
(ちなみに、海上護衛総司令部麾下の“護衛戦隊”は、100番台の戦隊名を与えられていた)
編成後は連合艦隊に編入され、大型艦の対潜護衛やエンガノ岬沖海戦、礼号作戦、天一号作戦等での艦隊護衛を行った。また、本戦隊所属艦は時折単独、または複数で船団護衛に駆り出される事もあったという。
戦局の悪化に伴い、最終的には第十一水雷戦隊とともに本土決戦に向けた回天による奇襲部隊として海上挺身部隊に組み込まれたが、燃料不足によって訓練すらままならないまま終戦を迎える事となった。
尚、船団護衛として各艦とも最前線に駆り出された結果消耗は激しく、また1944年末で所属海防艦が全艦離脱している(一応所属した海防艦は全艦終戦まで健在であった)ため、結成から解隊まで一度も抜ける事なく在籍し続けたのは竹ただ1隻のみとなっている。
艦隊これくしょんにおいて
艦隊これくしょんサービス開始から現在まで、当戦隊に所属、または指揮下に入った事のある艦のうち実装されているのは以下の16隻となっている(太字はゲーム中で本戦隊に言及している艦)。
- 五十鈴(初代旗艦)
- 大淀(レイテ沖海戦期間中のみ旗艦として所属)
- 第三十駆逐隊:
- 第四三駆逐隊:竹、梅、桃
- 第一駆逐隊:神風(1944年12月26日~1945年2月5日)
- 第二十二号海防艦(1944年末に離脱)
(当初は元三水戦旗艦の名取が旗艦を続投する予定だったが、武装の関係からより対空対潜に特化していた五十鈴が代わりに編入となった。なお名取は第三十一戦隊新設の2日前に戦没している)
(上記の他に、松、磯風、浜風の3隻が書類上在籍扱いとなっているが、いずれも編入前に戦没している)
また、装備扱いではあるが零式水偵も実装されており、史実の第三十一戦隊よろしく基地航空隊として出撃させることが可能。特に11型乙(通常型・熟練型ともに)に関しては2017年12月11日のアップデートより対潜支援哨戒が可能となっている。
ゲーム中においては下記アップデートまで本戦隊に言及する要素は存在せず、唯一五十鈴改二の対潜値のみがそれを彷彿とさせるのみであった。pixivにおいても、2016年11月29日現在、本タグの付加されたイラストはメイン画像の1枚のみとなっている(当時未実装であった竹および梅の2隻はオリジナル艦娘が充てられている。なお松は書類上第三十一戦隊に編入されているが、実際には新設の16日前に戦没している)。
2016年2月29日のアップデートでこのうち皐月に改二が実装されたことに伴い、新任務「「第三十一戦隊(第一次)」を編成せよ!」が追加された。第一次、とある事から、今後松型実装に伴う第二次編成任務があるのではないか、と見る提督も早くも現れている。
その後、2020年12月10日に竹が実装されると、改の時点での編成ボイスで「第三十一戦隊、竹。抜錨だ」という風に名乗るようになった。前述の通り編成当初から解隊まで一貫して同戦隊に所属し続けてきた彼女が、ゲーム内でも初めて恒常的に同戦隊について言及するようになったという事になったのである。
2022年4月現在、竹以外では桃が図鑑内で、冬月が無印の段階での編成・出撃ボイスでそれぞれ本戦隊の名を出している。