概要
身長50m、体重20000t。
「ゴジラ対メガロ」に登場するゴジラ、およびゴジラの着ぐるみ。
後に「ゴジラ対メカゴジラ」「メカゴジラの逆襲」に登場した他、TV特撮シリーズ「流星人間ゾーン」にも、このゴジラが登場した。
着ぐるみの造形
総進撃ゴジから五年ぶりに新調された着ぐるみ。
目は一見するとくりくり目で、つぶらな瞳をしており、可愛げがある…が、日本映画専門チャンネルで放送されたリマスター版などで顕著であるがよく見ると層状の虹彩と血走った強膜を持ちなかなかにキマっている。
鼻孔は丸い穴二つになっている(ある研究書では「泥に指を突っ込んだような穴」)。頭部自体も大き目で、そのためにバランスもあまり良くない。
その目と、更に丸みを帯びた身体つきから、子供に愛されるようにわざと可愛く造形したかのような印象も与える(実際はわざと可愛く作ったわけではなく、いつも通りに造形したとの事)。
それまでも「イヤミのシェー」をしていたりするが、
このゴジラも、「ゴジラ対メガロ」作中で、木枯し紋次郎のモノマネをしていたりする。
新たな仲間としてジェットジャガー、キングシーサーと防人一家が追加している。
木を引き抜いて武器にしたり、雷を浴びて電磁力を身に付ける能力を披露した。
総進撃ゴジと同様対戦相手は侵略者と宇宙怪獣そして侵略兵器のため、苦戦を強いられる場面が少なくない。
ゴジラ対メガロ
ジェットジャガーに呼ばれて出現。宇宙から海底王国が呼び寄せたメガロやガイガンと戦い、2体の撃退に成功する。
尻尾を地面に擦りながらドロップキックをするシーンはシュール。
怪獣島の仲間としてアンギラスとラドンが出る。人間の核実験に迷惑していた。
流星人間ゾーン
このゴジラは、特撮ヒーロー番組「流星人間ゾーン」に、ゲストキャラクターとして登場している。
登場話は4話、11話、15話、21話そして25話である。
主人公の、ゾーンファミリーこと防人一家の装置「ゾボット」により呼び出され、敵である「ガロガバラン星人」が放つ恐獣(怪獣兵器)と戦った。
「ゾーン」本編内のゴジラは、徹底して「人類の味方」「正義の怪獣」であり、ゾーンファミリーの頼りになる味方として描かれている。
なお、ゾーン劇中には、キングギドラとガイガンも、恐獣の一種として登場している。
詳細は流星人間ゾーンの項目内を参照。
ゴジラ対メカゴジラ
背びれの順番と向きが変わっており目つきも上目遣いになっている。(背びれに関しては意図的なものではなくメンテナンス時のケアレスミスではないかと書籍「大ゴジラ図鑑」では考察されている。)
ブラックホール第三惑星人が作ったメカゴジラと激突。
東京湾のコンビナート地帯で暴れるにせゴジラ(自分に化けたメカゴジラ)の前に、闘争本能のままに倉庫を砕いて突如出現。放射熱線を浴びせて正体を暴くが、激闘のすえに痛み分けとなる。
岩礁で傷を癒しながら、強烈な落雷を浴びる事で、自分の身体を電磁石のように磁気を帯びた帯電体質に変化させる。
その後、沖縄玉泉洞奥にあったメカゴジラの基地に上陸。キングシーサーとともにメカゴジラと再戦するが、大火力と飛行能力の前に流血するほど苦戦を強いられる。体内の電気による磁力と怪力でメカゴジラを吸い寄せ、強引に頭部を破壊して倒す。
メカゴジラのミサイル攻撃を浴びるシーンでは、着ぐるみの首に穴を開けてホースを仕込み、鮮血を噴水のように飛び散らせている。
メカゴジラの逆襲
スーツは頭が改修されており、目つきが若干鋭くなっている。
アンギラスやキングシーサーなどの味方怪獣がいた前作とは異なり、この映画は1対2というハンディキャップ対決となっており、作中の味方は人間である。
横須賀港でチタノザウルスと対決した後、都市部でメカゴジラ2とチタノザウルスを同時に相手する。この戦いでは、チタノザウルスの打撃と、メカゴジラ2のフィンガーミサイルにより、生き埋めにされてしまった。
しかしその後で復活。チタノザウルスが防衛軍のヘリコプターが放つ超音波により苦しんでいる隙に、メカゴジラ2と一騎討ちする。
オールウェポン攻撃を受け苦戦するが、メカゴジラ2をコントロールしていた女性サイボーグ真船桂が自殺。制御不能になったところで、メカゴジラ2を投げ飛ばし、放射熱線で粉砕する。
ムガール隊長らブラックホール第三惑星人の乗る宇宙船を撃墜したあと、チタノザウルスも放射熱線で追撃して海中に沈め、海へ帰っていった。
流血するシーンはないが、「ゴジラがメカゴジラのミサイルを食らって、口から煙が上がる」という描写が存在する。そして、スーツに火がついてしまい燃えているシーンも確認できる。
備考
昭和ゴジラシリーズの末期の着ぐるみであり、この当時はゴジラ自体のコンテンツとしての人気も低迷していた。
人類の脅威としてのゴジラは既に無きに等しく、ゴジラは人類の味方であり一種のヒーロー、完全な子供向けのキャラクターとして認知されていた。この着ぐるみはその低迷した時期を象徴したような存在でもあり、そのために後年の一時期は、(外観とともに)コアな特撮ファンまたはゴジラファンの一部から蛇蝎の如く嫌われていた。
また、この大きなくりくり目から、「このゴジラはミニラが成長した姿」などと言われたりもしたが、実際はそのような公式設定は無い(当時に誰かが口にした推測が広まり、定着してしまったらしい)。
これらの理由のせいか、メガロゴジは商品化にあまり恵まれていない。しかしムービーモンスターシリーズや少年リックなどから数は少なくとも製品自体は出ている。(ムービモンスターシリーズに関しては偶然の結果ではあるもののにせゴジラを含めた全バリエーションがこれまで商品化されているという子供向けブランドとしては珍しいことになっていたりする。)
アメリカでは、「ゴジラ対メガロ」が有線TVでのリピート放送が多かったこともあり、総進撃ゴジと同様に人気である。2023年にはアメリカのフィギュア会社であるMEZCO TOYZから、「ゴジラ対メカゴジラ」のフィギュアBOXが、このメガロゴジとメカゴジラ、キングシーサーのセットで商品化されている。