曖昧さ回避
『金田一少年の事件簿』に登場する犯人のキング・シーサーは殺戮のディープブルーを参照。
概要
ゴジラシリーズ第14作『ゴジラ対メカゴジラ』に登場する怪獣。金色の体毛が目を引く二足歩行のシーサーのような姿をしている。
古代琉球王国のアズミ王族の伝説の守護神であり、王国に危機が迫ったとき目覚めると言い伝えられている。劇中では恩納村の万座毛の岸壁に眠っていた。
沖縄で破壊活動を行うメカゴジラを倒すべく、アズミ王族の末裔、国頭那美が「ミヤラビの祈り」を歌ったことによって眠りから目覚めた。
相手が発射した光線を右目から吸収し、左目から威力を倍にして反射する『プリズム光線』という能力を持つ。
当初はゴジラから沖縄を守ると思われていたが、眠りから覚めた後は、序盤でメカゴジラに破れて退場したアンギラスに代わるパートナーとして、ゴジラと共にメカゴジラと戦う。
光線吸収増幅能力でメカゴジラのビーム攻撃を無効化し善戦するが、3回目で見切られてミサイル攻撃に切り替えられ、あっという間に形成は逆転。(メカゴジラは確認のために3発目を撃ち、跳ね返ってきたところを難なく回避している)
格闘戦に持ち込んでもメカゴジラの圧倒的なパワーですぐにねじ伏せられてしまう。
散々撃たれた挙句蹴り飛ばされ、追い詰められたところでゴジラが参戦。しかし今度はゴジラの熱線をメカゴジラが回避したためにその流れ弾を食らう。その後もメカゴジラの壮絶な火力に圧倒されて何も出来ずゴジラの背後に逃げ隠れするという有様。
ゴジラが大ダメージ覚悟の前進の末に、ゴジラの切り札の電磁石を発動したことでようやく反撃に移り、辛くも勝利を掴んだ。
長時間活動が出来ないためか、ゴジラと共にメカゴジラを倒した後は再び眠りについた。
これまでにゴジラと共闘してきたアンギラスやジェットジャガー等と違い、特にゴジラと意思疎通を図るようなシーンはなく、共通の敵がいたので結果的に共闘しただけという感が強い。実力の程も戦力外もいいところで、全体的にパッとしない印象だけを残してフェードアウトする事になってしまった。
- 深まる謎
しかし、ブラックホール第3惑星人は何らかの理由でキングシーサーの存在を知っており、なおかつゴジラと同じくその復活を極度に恐れ、目覚めさせようとする主人公一行を執拗に妨害した。第3惑星人の指揮官黒沼によればキングシーサーの復活は、「他の地球怪獣たちが騒ぎ出すこと」に繋がるらしく、伝説怪獣の名に相応しい影響力を備えていると言われてはいるが、シリーズ終盤間際という事もあってそうした設定は何ら生かされなかった。本当に何のために出てきたのか
ゴジラアイランド
怪獣たちの棲む島『ゴジラアイランド』にある悟りの森に生息する怪獣で、島の怪獣たちからは長老と慕われている。
神社の神主を務めていることもあってか神通力に優れ、ガイガンに敗北したゴジラの修行を受け持ち新たな技を会得させた。
メカキングギドラとの戦いでは口から電撃状の光線を吐いている。また、スペースゴジラの悪霊がゴジラに憑りついた際には、悪魔祓いを行っている。
ゴジラ FINAL WARS
身長 | 100m |
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体重 | 5万t |
スーツアクター | 中川素州 |
今回は人類およびゴジラの敵として登場。X星人によってM塩基を植え付けられ、操られる。
初代よりも細身になり、足の指が3本から4本に増えた。
地元沖縄の海沿いの工場地域を襲撃した後、一度X星人によってほかの怪獣たちと共に回収されたが、本性を現したX星人によって再び送り込まれ、富士の裾野でアンギラス・ラドンと共にゴジラと戦った。
必殺技は、体当たり攻撃「タックルブレイク」と跳び蹴り「フライングシーサーアタック」。
俊敏を生かした戦闘でゴジラを翻弄するが、単独では軽くいなされ、アンギラスをボールに見立てゴジラに蹴り飛ばすもかわされ(なぜかゴジラはキャッチしようとしているようにも見える)、最後は飛び蹴りをかわされ頭から岩山に突っ込み先に倒れていたラドン・アンギラスの上に折り重なる形でKOされた。(ただし命までは取られなかった模様)
本編ではカットされたが、沖縄襲撃の際「どうされたんじゃシーサー様!?」と現地住民が驚くシーンがあった。また当初はゴジラにノされた後、熱線を浴びせられて爆散する予定だったが、アンギラスやラドン共々「過去にゴジラと共闘した怪獣だから」という理由でトドメを刺す描写はカットされたらしい。
プロジェクト・メカゴジラ
沖縄に上陸してきたメガロの接近に際して万座毛に出現し、死闘の末に相討ちとなった。
この戦いの勝者が沖縄を蹂躙していたと考える者もいたが、この出来事を語った人物を含む沖縄県民は、キングシーサーは沖縄の守り神であり、体を張って自分たちを救ってくれたのだと深い感謝を表している。
この出来事が、後に怪獣同士を戦わせるという案のきっかけの一つになったという。
怪獣人形劇 ゴジばん
セカンドシーズン第7話にて、息子とされるヤングシーサーとその妹のミヤラビが登場した(キングシーサー自身は名前のみの登場)。
余談
- ミヤラビの祈りは、「ゴジラ対メカゴジラ」の主題歌としても使用された。劇中では2コーラスという長い尺を使ってキングシーサーを復活させていた。ちなみにメカゴジラは歌が始まる前に出撃し、ブラックホール第3惑星人の司令官から「眠っているうちにやっつけろ!」という命令を受けたにもかかわらず、歌が終わりキングシーサーが起きるまで待っていた。しかも間奏の時に雄たけびを上げて自己主張までしていた。ロボット怪獣にも空気が読めるということだろうか……なんというか、良くも悪くも全体的にこまい理屈をフル無視して趣味を闇鍋して作ったような映画である。
- 『ゴジラ対メカゴジラ』に監督助手として参加していた浅田英一氏は、後年ゴジラ・フェス2024でのインタビューの中で、(はっきりしたことはわからないと前置きをしつつも)「ミヤラビの歌がフルコーラスになったのは、国頭那美を演じたベルベラ・リーンが台湾の出身であり、国際的な契約か何かでフルコーラスを歌わせることになっていたからではないか」と証言している。
- 「ゴジラ FINAL WARS」で登場する事になった理由は簡単。「監督が個人的に好きな怪獣だから」である。いくらパッとしなくても好きな人は好きなのだ。
- また、過去のシリーズを振り返るとラドン・アンギラス共に「メカゴジラ」と因縁があるキャラである(アンギラス→初代メカゴジラに顎を砕かれた。ラドン→スーパーメカゴジラにトドメを刺された)。
- 2017年11月に放送された「ゴジラ総選挙」にて、MCを務めたウエンツ瑛士が、なぜか一位と予想した(結果は言わずもがなどころか、ランク外でした)。
- 2020年4月発売のマジック・ザ・ギャザリング『イコリア:巨獣の棲処』にてカードイラストをゴジラシリーズの怪獣に差し替えたプロモーションカードが封入されたのだが、イコリアの猛獣たちとイメージが合致する獣系の怪獣がキングシーサーしか居らず配役が集中したためか、他の人気怪獣を差し置いて2枚も枠を取るという好待遇を受けた。ちなみに同様の理由でナイトメア役を担うスペースゴジラも2枚枠を取っており、これらを除くと他に複数枠を取っているのはゴジラだけという、人気よりイメージ重視のストイックなコラボであった。