劇中設定
元々は25億年前、地球上に酸素がほとんどなかった先カンブリア時代に生きていたとされる微小生物。
東京湾海底の同時代の地層で眠りについていたが、1954年に初代ゴジラに対して使用されたオキシジェンデストロイヤーが無酸素状態を作ったために復活し、1996年に東京湾横断道路トンネル工事の掘削によって地層が発掘されて酸素に触れ、克服適応の結果異常進化して怪獣「デストロイア」となった
オキシジェンデストロイヤーの影響で、酸素原子を微小化した「ミクロオキシゲン」の生成能力を得ており、成長・合体することで形態を変える能力を持つ(過去の東宝怪獣との共通点からヘドラとよく比較されている)。
微小体、クロール体、幼体はミクロオキシゲンをビーム状にして吐き出す能力を持つが、集合体・飛翔体・完全体はミクロオキシゲンの濃度が極限(集合体を形成する過程の段階でミクロオキシゲン用の観測機器ではその濃度を測定しきれずにオーバーフローを起こしてしまったほど)まで高まったことで、光線がオキシジェンデストロイヤーに匹敵する威力を得ている。
このため、集合体および完全体の吐く光線はオキシジェン・デストロイヤー・レイと呼称される。
なお、幼体・集合体・飛翔体・完全体は口から光線を吐く直前に頭部の両側にバチバチと電流が走るようなエフェクトがかかる。
ただ、ミクロオキシゲンは極低温下(通常の酸素と同じく零下183.2度)で液体化して無効化されてしまうため、デストロイア自身も極低温が弱点。
また逆に、火災や高エネルギーなどの高温状況の場合は、進化・変異を早めてしまう。
しかし、高すぎる熱はダメージになり幼体はロケットランチャーや火炎放射器で死亡。
飛翔体はゴジラジュニアの放射熱線で墜落し撃退され、完全体はバーニングゴジラの赤色熱線により表皮が焼け爛れるほどのダメージを負ってしまった。
当初は『バルバロイ』という仮称で企画が進められていたが、バルバロイは古代ギリシャで「野蛮な異民族」を指す侮辱語で(現代でも英語ではギリシャ語から派生したバーバリアン(Barbarian)が同じ意味の侮辱語として使われている)がある為改称された。
なお、本来ならば「デストロイヤー」="Destroyer"の名が着く筈だったが、商標登録などの都合上いろいろと面倒が起こるということで、「デストロヤァー」="Destroyah"という妙な英語名を貰っている。
ちなみにこのDestroyahも Destroy yah と区切って読むと、「ヤハウェを破壊せよ」というこれはこれで大いに問題がある意味になるのだが。
これがもとで、海外のゴジラファンであるAVGNに「デストロイアッー!」と呼ばれてしまっている。
各形態
微小体
体長 | 3mm~5mm |
---|---|
体重 | 0.5g |
三葉虫に似た形態であり、本編には登場していない。
関連書籍にデザイン画のみが掲載されている。
オキシジェンデストロイヤー使用時に覚醒し、海底に生息していた頃の姿だとされる。
クロール体
体長 | 2mm〜30cm |
---|---|
体重 | 2g〜1,5kg |
赤いカブトガニを思わせる外見をしているのが特徴。
伊集院博士の解説によると、25億年前の先カンブリア時代に生息していた、無酸素環境に適応した微小生物が酸素への克服反応の結果、巨大化を果たした結果こうなったとされる(つまり、最初からこのような姿をしていたわけではなかったと考えられる)。
クロール体(あるいはそれ以前の微小体)の段階で既にミクロオキシゲンを噴出する力を持っており、道路工事のケーブルや機材、フラスコのガラス、しながわ水族館の魚達を溶かしてしまった。
ちなみに、たまたま魚が溶解するところを目撃してしまったしながわ水族館の警備員は「水が魚を食ってる!!」と絶叫していた。
なお、一部資料ではこの形態を微小体としているものがある。
幼体
体高 | 2〜18m |
---|---|
体重 | 350kg〜260t |
水中から地上へと進出した形態。
クモのような6本の脚を持ち、長い胴体が上に生えている。
先端が鋏となった長大な尻尾を生やし、自在に獲物を絡めとる。
この尻尾は、以降の形態全てに共通する特徴となっている。
ミクロオキシゲンをガスのように高圧で噴射する能力を持っており、移動する際も足元などから噴射している。
口から吐いて攻撃する際は、青白く発光する稲妻状の光線のようになっている。
デザイン案では本当にガスを吹き付けているものもあったらしいのだが、これは地下鉄サリン事件の影響でボツになっている。
きわめて攻撃的で、警官隊や自衛隊に積極的に襲いかかった。
集合体・中間体
体高 | 40m |
---|---|
体重 | 15,000t |
冷凍メーサーによって被害を受けた幼体群が集合・合体した姿。
基本的には巨大化した幼体といった姿だが、肩から槍のような触手が2本と、胴体から大きな鋏が2本生えている。
体内のミクロオキシゲンの濃度が異常に高まっており、オキシジェン・デストロイヤーに匹敵する威力となっている。
これを噴出する攻撃は、紫色に発光する稲妻状の光線のようになっているほか、第二の顎を敵の体に突き刺してエネルギーを窮すると同時に直接オキシジェン・デストロイヤーを流し込む攻撃も行う。
また、劇中ではゴジラによって破砕された完全体が一時的に中間体(分裂体)と呼ばれる形態になっている。
こちらは姿こそ集合体と同じだが、大きさは集合体のそれを下回っている。
ちなみに、特報・予告編で最初に登場したのはこの形態である。
このため中には当初デストロイアの事を、「巨大な虫型の怪獣」だと思っていた者もいたという。
飛翔体
体長 | 65m |
---|---|
翼長 | 80m |
体重 | 15,000t |
巨大な翼を獲得した飛行形態。
集合体から自在にこの姿に変身することが可能である。
顔は爬虫類のような大顎を備え、額部分に角が生えているなど、ジュニアのエネルギーと細胞を取り込む前に何故か完全体のそれとかなり近くなっている。
肩の触手と胴体の間に膜の様な翼がついているのが特徴。
推進エネルギーは不明だが、幼体や集合体のことを考えるとミクロオキシゲンを噴射しているのかもしれない。
完全体
体高 | 120m |
---|---|
翼長 | 210m |
体重 | 80,000t |
飛翔体が火力発電所の強力な火炎を受けて、急激に進化を遂げた完全成長形態。
一般的にデストロイアと言えばこの形態を指すことが多い。
ゴジラジュニアから吸収したエネルギー並びにG細胞の影響からか、ゴジラに似た2足歩行の姿になっており、長い尻尾も健在。
また、飛翔体では前肢が変化していた翼は背中から大きく生やしたものになっている。体液は緑色。
形態変化を経ずとも陸海空を自在に行動できる形態である。
ゴジラを上回る巨体と、頭部の角や、先端が鋏となっている尻尾を駆使して戦う。
特に尻尾はゴジラすらも引きずりまわすほどの怪力を持っているほか、相手の体に巻きつけることでエネルギーを奪い取ることも可能である。
また、体内のミクロオキシゲンの濃度は極限にまで高まっており、瞬間的にはオキシジェン・デストロイヤーさえも超えるほど。
これを凄まじい勢いで吐き出す「オキシジェン・デストロイヤー・レイ」や、ミクロオキシゲンの特性を利用して自らの角の分子間結合を解き、一時的に巨大な剣のように変化させ、ミクロオキシゲンを高圧で噴出しながら相手を切り裂く「ヴァリアブル・スライサー」が強力な武器である。
この体躯の割に、戦闘スタイルは極めて狡猾であり、後述したような死んだと見せかけてからの奇襲を、何度かに渡って繰り返している。
そもそも初撃からして、死んだふりからの不意打ちだった。
また、複数の中間体に分裂・再融合することも可能で、分裂して大群で敵に群がるのが最後の攻撃手段である。しかし、ゴジラには通じず蹴散らされてしまった。
なお、放映当時配布された劇場版パンフレットでは、「これでデストロイアの進化が止まるという保証はない」と書かれていたことから、この後も進化を続けていたとすれば、さらに上の形態が登場していた可能性もある。
実際、完全体はバーニングゴジラのエネルギーを吸収してから逃げ去る行動を取っており、自衛隊があの時冷凍メーサーで撃ち落とさなければ更なる進化を行っていた可能性が高い。
また、カットされたが本来なら腹から極太のビームを発射する予定だった。
DVDの特典映像で後述の没エンド共々見ることができるが、没になった関係上ビームのエフェクトは入っていない(特撮の光ったり爆発したりという効果は入っている)。
お台場での格闘シーンでその名残としてデストロイアの腹部が開いているカットがあり、そこをゴジラに集中攻撃されて吐血している。
甲殻類や虫を思わせる他の姿から打って変わって、最後だけ二足歩行の怪獣型で異彩を放っているが、こうなったのは最終形態だけは怪獣っぽい姿にしてほしいというスポンサー(バンダイ)からの要望があったからという噂がある。
その代わり、撮影用着ぐるみの素材をバンダイは提供したと言われるが、あくまで噂話の域を出ない。
劇中での活躍
東京湾岸道路建設の掘削工事によって復活し、工事のケーブルを溶かす、工事現場の機材を消滅させるなどの損害を与える。
次に酸素への克服反応を起こしてクロール体に進化し、しながわ水族館の水槽内に現れ、ミクロオキシゲンの効果で魚の体組織を分解&白骨化させた。
合体と成長を繰り返して幼体と化すと有明クリーンセンターを占拠し、警視庁の対ゲリラ特殊部隊「SUMP」と交戦、相次いで隊員たちを溶解・殺害する。
無反動砲や手榴弾、火炎放射で一旦は撃退されたが、その裏で熱によってさらに進化を遂げて10m以上の個体群に巨大化し翌日に再出現する。
その後、伊集院博士から『ミクロオキシゲンは零下183.2度なると液化して無力化される』との情報を得た自衛隊の冷凍レーザー部隊による攻撃を受けて大ダメージを受けるが、大群全てが集合・合体して集合体へと進化。
冷凍攻撃をものともせずに部隊を壊滅させた後に飛翔体へと姿を変え、東京一帯を飛行しながら大きな被害を与える。
その後、三枝未希らのテレパシーに導かれて有明に上陸したゴジラジュニアと、闘争本能により戦闘に突入。
飛翔体のままジュニアに攻撃を仕掛けるが、三枝未希らを救おうとしたジュニアに隙を突かれて熱線を撃ち込まれる。
それでもなお、再び集合体へ形態変化するとビルの陰に隠れてジュニアを強襲、そのまま馬乗りになり、エネルギーを奪いつつミクロオキシゲンを直接ジュニアの体内に注入して内部からジュニアの体を破壊しようとする。
しかし、ジュニアの起死回生の熱線を受けて吹き飛ばされる。
戦いに不慣れなジュニアに対し終始優勢を保っていたものの思わぬ反撃に怯み、最後は飛翔体になって敗走しようとする所に追撃を受けて品川火力発電所に墜落する。
これで絶命したかと思われたが、火力発電所の熱と、ミクロオキシゲンを注入した際に吸収したジュニアのG細胞やエネルギーの影響で急激に変異・進化を遂げて完全体として復活。
羽田空港で再会を果たしたゴジラとゴジラジュニアの前に現れゴジラを一蹴、その勢いのままゴジラジュニアを空中に攫って東京ビッグサイトに墜落させる。
空港に舞い戻ると、ジュニアを失ったことに怒り狂うゴジラと対峙する。
当初は肉弾戦でゴジラを圧倒し、尾で絡めとったまま海中に引きずり込むなど優位に戦いを進めたが、核エネルギーが暴走していたゴジラに対してはオキシジェン・デストロイヤーすら決定打となりえず(劇中ではヴァリアブル・スライサーで複数回ゴジラを攻撃していたが、核エネルギーによって暴走したゴジラの再生能力の前には切断した瞬間から即その部分を再生されてしまうという状態だった)、ゴジラの熱線の連射を浴びて一度は破砕される。
この隙に、複数の集合体に分裂してゴジラを攻撃するが、これも通用しなかった。
完全体に再生してゴジラに対し三度目の戦いを挑み、空中からオキシジェン・デストロイヤー・レイで攻撃したり体当たりで地面に打ち倒したゴジラに尻尾を巻き付け、エネルギーを吸収しつつ投げ飛ばすなどの肉弾戦を行う。
しかしジュニアが目の前で死亡して泣き叫ぶゴジラを不意打ちしたためかゴジラの逆鱗に触れてしまい、メルトダウン寸前の状態となったゴジラによる猛烈な体内放射とインフィニット熱線の猛攻を受け、全身を焼かれて顔面を砕かれるほどの重傷を負ってしまった。
これによって戦意を喪失し、そのまま空中へ飛来して逃走しようとするも、これを逃がすまいとした自衛隊の冷凍メーサー戦車隊やスーパーXⅢから冷凍兵器による総攻撃を浴びて敢えなく撃墜され、地上に落下したと同時に爆発四散して完全消滅した。
余談
VSシリーズ最後の作品の敵キャラクターであり、事実上シリーズのラスボスと言える存在である。
ただ、劇中では序盤こそゴジラに対して戦いを優位に進めていたものの、ジュニアを殺害したことでゴジラの逆鱗に触れ、そのあとは然したる抵抗もできないままボコボコにされ逃走するという醜態を晒してしまい、遂には自衛隊の冷凍兵器で撃墜されて墜落死するという呆気ない最期を遂げてしまった。
このため、ファンの間では「ラスボスとしての威厳が感じられない」「前作に登場したスペースゴジラよりも弱い」という意見も見受けられる。
さらに、デストロイアが完全体に成長した理由の一つがゴジラジュニアのエネルギーを吸収したこと、完全体がゴジラのエネルギーを吸収した後ゴジラに反撃されて逃げていることからデストロイアはゴジラ親子に依存しているという意見も存在する。
ただ、これについては、ゴジラが体内炉心の暴走や唯一の同族を殺された怒りによる相乗効果などが重なったことで、前作までとは比較にならない程の大幅なパワーアップを遂げてしまい、結果的にデストロイアが弱く見えてしまっただけではないかという見方もある。
実際、本来ならば必殺の威力(40年前に初代ゴジラを葬り去ったオキシジェン・デストロイヤーよりもさらに高威力)を誇る「オキシジェン・デストロイヤー・レイ」はメルトダウン直前の状態であるゴジラには効果が薄くなっており、さらにこちらも本来ならば即死技に近い威力である「ヴァリアブル・スライサー」で真っ二つにした筈がG細胞がメルトダウンの影響で異常に活性化しているために「切断した瞬間に切断された部分が即再生する」というチートのような状態であったゴジラにはまったく効果がなかった。
逆にゴジラはと言うと前作「ゴジラVSスペースゴジラ」までは本当にトドメの一撃のようなタイミングぐらいでしか使用されていなかった赤色熱線を常時使用し、上記のようにG細胞の異常活性化による異常な自然治癒能力まで獲得している。
イメージとしては、赤色熱線を格闘ゲームにおける超必殺技と考えると、「超必殺技ゲージが常にMAXで超必殺技を使い放題な上に、常に自分のHPは回復し続けている」という、所謂格闘ゲームにおけるボス性能な状態に近い状態と考えることができる。
当然ながら家庭用版のオマケなどでボス性能を持つ隠しキャラがプレイアブルとして採用されている場合、こんな性能のキャラは間違いなくゲームバランスを崩壊させるような存在であり、本作のゴジラも同じ「平成VSシリーズ」以前までのゴジラシリーズ、あるいはゴジラシリーズ全体で考えてもバランス崩壊レベルの突出した圧倒的な力を持っている存在である。
そんな本作のゴジラと戦ったデストロイアを、前作までの通常のゴジラと戦った怪獣達と同じように戦ったゴジラとの相対的な強さだけで比較する方が間違っていると言えるかもしれない。
デストロイアの戦闘力自体は決して低くはなく、もしも暴走していない普通のゴジラが相手であればもっと良い勝負ができていた……あるいは勝利していたかもしれない。
今まで様々な怪獣達の猛攻にも耐えていたゴジラの体でさえも真っ二つにするヴァリアブル・スライサーが作中同様に命中していれば、普通のゴジラでは当然切断面が即再生されることもないので下手すれば即死もありえるような甚大なダメージを与えていたことだろう。
そもそもゴジラの熱線もメルトダウン間近の影響で超パワーアップしているため、熱に強いデストロイア相手には普通のゴジラの熱線は効果が薄かった可能性もあり、攻防ともにゴジラを圧倒していた可能性は寧ろ高かったのではないかと思われる。
このため、これら全ての事情をよくわかっている者からは、「デストロイアは強い」と言われる反面、「相手があまりにも悪すぎた」という同情論も多く見受けられる。
しかしながら、集合体の時点で通常のゴジラよりも能力が劣るのは勿論、戦闘の経験までが圧倒的に劣るジュニア相手にデストロイアが完勝できなかったという点は「デストロイアは強い」と言うにはかなり痛い部分である。
完全体になったデストロイアはオキシジェン・デストロイヤー・レイでジュニアを仕留めることに成功したが、デストロイアが完全体になるにはジュニアのエネルギーが必要だったことを考えると、ジュニアよりも強いかどうかを論じるためにはジュニアのエネルギーを必要としない集合体までの能力で比較、考察しなければならないので……
自衛隊に止めを刺された件についてもあくまで止めを刺しただけであり、それも既にゴジラとの戦いでズタボロの状態であったためで、集合体の時に自衛隊と交戦した際には、弱点であるはずの冷凍メーサー戦車の攻撃を受け、オキシジェン・デストロイヤー・レイで戦車隊を攻撃し飛翔体に変化して飛び去っている。
完全体よりも遥かに戦闘能力の劣る集合体でこれだけの強さを誇っていたのだから、万全な状態の完全体と正面から衝突していたとしたら、果たして自衛隊に勝機があったかと言われると…。しかし、集合体は自衛隊の部隊を全滅させておらず、攻撃後飛翔体に変身して飛び去っていることから、実はある程度ダメージを負っていて自らの命を守るために自衛隊の部隊から逃げたと考察するファンも存在する。
- ちなみにデストロイアが止めを刺される直前、国連G対策センターが無線で自衛隊へ発した「逃がすな、撃ち落とせ!」の命令は、映画本編の名言の1つとなった。
なお、自衛隊により倒されたことに関しては人類が生み出してしまった怪物を人類が倒すという初代ゴジラと同じ構図という意見もある(初代とはゴジラとデストロイアの立場が逆転しているという皮肉な構図となっている)。
また、これに加えて本作はゴジラの最期にスポットが当てられている為、デストロイアとの戦闘ばかりに時間を費やすわけにはいかなかったという作劇上の都合もあったと考えられる。
事実、当初の設定では撃墜後も存命しており、再度ゴジラに襲いかかるも敵う訳がなく、ゴジラのメルトダウンのエネルギーと自衛隊の冷凍兵器のダブルパンチによって遂に限界を迎えることになっていた。該当シーンの撮影もされていたが、尺の都合等でカットされているとのこと(ちなみにこの映像はゴジラvsデストロイアの特典映像で見ることが出来るが、どっちみち自衛隊に止めを刺されてる。というかこっちの方が悲惨にしか見えない。)。
「芹沢博士が作り出した怪獣」、「芹沢博士の負の遺産」等と呼ばれることもあるが
「平和の為に尽した博士をまるで悪魔のマッドサイエンティストの様に呼ぶのはおかしい」「デストロイア誕生は海底トンネル工事による発掘を始めとした結果論であり、博士に責任があるように言うべきではない」という反対意見も当然存在する。
鳴き声は後に「ULTRASEVENX」のヒュプナスに流用された。
後々の見解
新たなゴジラシリーズが作成される後年になり、一つの見解が浮上した。
それは、オキシジェンデストロイヤーによって復活した太古の微生物が全てデストロイア完全体になった訳では無い、という物だ。
作中、太古の微生物は地下海底内で復活・繁殖した上で、空気に触れる事で微小体→クロール体→幼体と進化している。これが後にデストロイアとして集合体→飛翔体→完全体となったわけなのだが、東京湾海底にはこの微小体か他に存在する微小生命同様、無数に存在している事になる(劇中表現から、他に封印状態だった無酸素時代の生物が存在していてもおかしくはない)。
その為、確率計算上において、異常進化した全ての個体が作中のデストロイアになるという事は、外部からの超意図的な命令(X星人などによる思念)でもないがぎり、生物の行動学的にはあり得ないという事になる。現に、作中で「全ての微生物がデストロイアになった」という仮説や類似コメントは登場していない。
今だにあの世界の海底には微小体の状態で活動している個体が存在しても何の不思議でも無く、酸素下でも生存できる事から、生存競争で淘汰されない限りは何れ東京湾海底から移動し、海底で別のコロニーを形成する事も十分考えられる。
少なくとも、伊集院博士が持ち帰った海底の砂の中にいた群体は、研究施設のあるビルの中に持ち込まれた後で脱走。この時点で海底のグループとは別行動をとっている。
作中、水族館に登場しているクロール体と集合体になった幼体群は、この時海底から運び出され、より密度の高い空気と接触したグループが進化した物であるという見方も出来なくはない(もしこの説が正しいなら、作中の事態はその群体を地上に持ち出した伊集院博士のせいにもなるが)。
第二・第三のゴジラでは無いが、海底内には未だ微小体段階で生息・繁栄している=条件下によっては日本や世界の何処かで新たなデストロイアが誕生するまで進化するという状況が、生物学的にありうるという事だ。
但し、今回の事件によって冷凍兵器がデストロイアに有効であること、ミサイルや爆弾など高熱を発生させる兵器はデストロイアにダメージを与えられるが突然変異を起こす危険性があること、ゴジラをデストロイアに近づければデストロイアは急速に進化するため取り返しのつかない大惨事が起きる恐れがあることを人類は学んだ。
そのため新たなデストロイアが事件を起こした際は、「ゴジラVSデストロイア」内で起こったような進化をデストロイアが起こすよりも前に、少なくとも小型の段階で即座に人類が冷凍兵器を用いて駆除を行うと思われる。
関連イラスト
関連タグ
オルガ:『ゴジラ2000ミレニアム』に登場する怪獣。古代より深海に生息し、G細胞で進化する点が共通。
シノムラ:『ゴジラ:アウェイクニング』に登場する怪獣。デストロイアと同様に集合・合体能力を持つ怪獣
ヘドラ:『ゴジラ対ヘドラ』に登場する怪獣。デストロイアと同様に集合・合体能力を持つ怪獣。作中の描写にてゴジラの骨が露出するという展開や、ゴジラと人類が協力して撃破した怪獣であることが共通。上述でデストロイアの方はあくまで可能性として挙げているが、ヘドラの場合は本当に生き残りがいたことが示唆されており、後に(一応)再登場を果たした。
ガニメ:同じ東宝特撮作品のゲゾラ・ガニメ・カメーバ決戦!南海の大怪獣に登場するクロール体や幼体と同じ甲殻類系の怪獣。後の作品ではガニメ亜種が存在するものの、それ以外の関係性は一見無いように思われるが……?
ゴジラ2016:姿や名前こそ『ゴジラ』ではあるが、形態の変化(作中ではデストロイア同様に有翼化の可能性についても言及されている)やラストの分裂化(未達)等、むしろデストロイアに似通っており、『ゴジラの皮を被ったデストロイア』と評されることもある。
ジャイアント芹沢博士:『ゴジラジェネレーションズ』に登場するキャラクター。一応隠しキャラクターではあるが、そのあまりのインパクトからそれなりに知名度を得ている。デストロイアとは「オキシジェンデストロイヤー」を用いて町を破壊する存在として共通(してしまっている)。これだけ読んでも全く理解できない筈なので該当記事を参照してほしい。可能であれば実際に当ゲームをプレイしてもらえればより理解できる……かもしれない。