共食いとは、自然界における現象の一つである。
概要
1つの群れの中で極端に個体数が大幅増殖される等の状況が無いかぎりには起きにくい。
しかし、生物によっては何度も何度も起きる場合もあり、例えばある種のカマキリはメスが自身の産卵の為の精力や卵への栄養を補給するために交尾した相手のオスを捕食する。
日本産のカマキリおよびクモなど他の肉食虫も大抵メスの方が大型であるために、必ずとまではいかずともオスが食べられてしまうことは珍しくない。
そもそも、相手が同種の生物である事を認識せず誤って食べてしまう程度の事は意外とある。それを「共食い」の範疇に入れないだけで。
あるサメは、母体内で胎児どうしが共食いする事が確認されている。母親の胎内ですら安全ではないのだ。
そして人類最恐の敵とも言われている黒いあいつに至っては、殺虫剤等で死んだ同胞にも即座にまとわりつく形で共食いを行う悪食ぶりを見せ、それ故にあいつの骸が発見される事はほとんどない。
なお、牛の骨や脳髄を粉砕した「肉骨粉」を飼料として牛に食べさせることがあり、これがBSE問題の原因となった。
上記から転じて、「(コンビニなどの小売店によく見られる)同業他社同士の潰し合い」や「組織や一族間の内部抗争」といった、人間の骨肉相食む醜い争いのことを比喩的に表す言葉としても使われる。
また機械・設備の修理の際に、必要になる予備の部品、特に消耗・摩耗による予備のストックが前提の部品が予算の都合などで確保ができていない場合に、何らかの故障や定期検査の絡みで当面は稼働できない個体から、とりあえず必要な部品を取り外して間に合わせの修理をすることを「共食い整備」と呼ぶことがある。(ただし、経年などで補修部品の製造が打ち切られた場合、廃棄する個体から予備部品を確保することが一般的に行われているが、それらは「共食い整備」と呼ばれることはない)
創作での共食い
SFホラーなどでは、敵となる未知の生命体の凶悪さを演出するために共食いの習性を持たせることが多い。
“ともぐい”というタイトルの主な作品
- 第146回芥川賞受賞作『共喰い』(集英社刊)著:田中慎弥
川辺の町で起こる、逃げ場のない血と性の臭いがたちこめる濃密な物語。血縁関係の泥沼。
- ホラーノベル『共食い』(双葉社刊)著:金沢伸明
大ヒットシリーズ『王様ゲーム』の作者が手がけるサバイバルホラー。生徒たちが殺しあう。
- コミック『共食い』(双葉社刊)漫画:斉藤ロクロ 原作:金沢伸明
コミカライズ。主な登場人物は同じだが、原作ノベルとは異なる演出が追加されている。
イラストのネタとしての『共食い』
下記のイラストのようにネタとして描かれることも。
ギャグ漫画の流行以降からあるネタで、軽いブラックジョークのようなもの。
生物学的にどこまでを共食いとしているかは曖昧である。
ネタとしての共食いイラスト
牛が焼肉やビーフカレーを食べようとする典型的な共食いの様子。 |
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実際に牛に肉なんか食べさせると体内で異常発酵を起こして危険。 |
豚が豚肉(料理)を食べる。 |
千葉には豚がコックのコスプレした絵を載せているとんかつ弁当の駅弁がある。(豚骨から出汁を取っているであろう)エースコックのマスコットもブタのコックである。 |
カラスがフライドチキン・焼き鳥を食べる。 |
そもそもカラスは雑食で何の肉でも食べる。QMAの公式四コマでも似たようなネタがあったが、鷲が他の鳥を食べるのは普通である。もっと小型の鳥で言えば百舌なんかも自分より小型の鳥を捕食する。と言うか、これが共食いなら人間が牛や豚を食べる場合やホッキョクグマがアザラシを食べた場合も共食いになる(哺乳網同士。後者に至ってはカラスとニワトリよりもずっと近縁になる) |
夜雀が焼き鳥を食わされる。 |
そもそも夜雀は雀ではない。なお、雀の焼き鳥が出る店もあるという。 |
イカがイカ料理を食べる。 |
実際にイカは共食いをする習性がある 。 |
タコがたこ焼きを食べる。 |
蛸には自分の足を食べる習性があったりする上にイカ同様共食いの習性もある。 |
自分の髪を食べる。 |
この辺から意味がちょっと変わってくる。 |
自分と同じ名前(あだ名)のものを食べる。 |
ダジャレか! |
(部分的・全体的を問わず)自分によく似ているものを食べる。 |
もはや普通の食事ですから!! |
他のネタ
部品の供給が不足している際に、一つの機械の修理のために、他の破損した(同型の)機械から使える部品を外して用いる事を、共食いに例えて「共食い整備」と言う(一般的には「ニコイチ」と言う)。
ただし、同型の部品でないとトラブルが生じる事があり、外見にかかわる部分だと
魔改造のようになってしまう事もある。
鉄道等でも同様に、車両基地の片隅に部品取り用の車両が留め置かれている事が有る。
又車両の老朽置き換えをする際に、以前から使用していた旧型車と同型のそれなりに後に造られ比較的状態の良い車両(それらの車両も既に他路線で使い古されていて、多少更新改造している事も有る)を配備して置換える事例が一部地域や路線(代表的なのは千葉や広島等)で有り、それを「共食い」と呼んで皮肉る。
他にも、新幹線0系の場合は暫くの間は後継車両が開発されなかった事から旧くなった0系を更新するのに改良型の0系を新製配備して置き換えていた時期が有った。
(「共食い整備」の記事も参照。)
関連イラスト
プリキュアシリーズ
Splatoon
関連タグ
ガゾート・・・・「トモダチはご馳走!」というほど共食いをする生物
内ゲバ・・・組織の内部抗争こちらが使われることが多い