曖昧さ回避
- 駅で売られる弁当。売店や車内販売などでも売っているが、駅での停車時間の長かった昔はホーム上で弁当を提げた売り子が販売する形態もあった。
- 大東亜戦争後の学制改革によって新設された地方国立大学の蔑称。大宅壮一の「急行の止まる駅に駅弁有り、駅弁あるところに新制大学あり」発言が由来。詳細は駅弁大学を参照。
- 体位の一種。こちらを参照。※R-18注意
本稿では1について扱う。
概要
駅弁とは、JRの路線の終着駅、また新幹線の停車駅や複数の鉄道路線が集まった、いわばターミナル駅の売店で売られている弁当の事を指す。
一部民鉄でも一部駅ホームに売店を設けて弁当を販売しているが、「一般社団法人日本鉄道構内営業中央会」に加盟している業者が旧国鉄および現在のJR駅構内で販売している弁当に限られる場合が多い。
販売されている駅弁は、オーソドックスな幕の内弁当や海苔弁当もあれば、地域の名産の食材を使用した「ご当地弁当」など、販売店によって様々な駅弁が作られている。
今でこそその地域の味を楽しめる駅弁だが、ルーツは栃木県の宇都宮で売られた、おにぎりと漬物を竹の葉で包んだ簡素なものだったという。
しかし今では駅弁も進化し、普通のプラスチック容器ではなく、益子焼の器に入った峠の釜めしや、糸を引いて数分待つだけでいつでも温かい弁当の楽しめる仙台牛たん弁当など、今では駅弁の種類は多岐にわたる。
基本的に汁物は避けられるが(そのため吸い物や味噌汁はつかない)、中には本体そのものが汁物(お粥)である「上州の朝粥」(高崎駅)など例外もある。
鉄道の高速化や保存食の進歩で、「長距離移動の際の昼食」という本義が薄れた今でも、その地方独自の食材や調理を楽しめるため、旅情をかき立てるアイテムとして人気がある。
スーパーや百貨店などでは頻繁に「駅弁フェア」が開かれ、家庭で気軽に全国の味を楽しめるが、青春18きっぷなど用いて本場の駅弁を食べに行く「駅弁マニア」もいるという。
しかし、鉄道利用者の減少に伴う不採算化、経営者・調理人の高齢化、後継者不在などにより廃業する業者が増えており、その結果今日では味わうことが出来なくなった駅弁も増えている。その一方で、近年ではJR系のケータリング会社が主に大都市圏向けに地方の駅弁をライセンス生産して販売する事例も増えている。
どれも少々値は張るが、新幹線のホーム内の売店で売られているものも多いので、新幹線で長距離移動する際、茶とともに駅弁を食べる乗客も多い。
競争相手が多かった(路線延長が短い割に販売業者が多い)路線では内容の割に値段が安くなる傾向にある。
近頃は速弁(=高速道路の売店で売られる弁当)や空弁(=空港で売られる弁当)なるものもある。
コンビニ弁当とも比較されるが、コンビニ弁当と違って防腐用の酸化防止剤(多くはビタミンC)を使っておらず、消費期限は大体調製(1ロットの製造完了)後4時間程度と短いものが多い。
日本のように地域ごとに特色のある料理を駅内で弁当として出す国はほとんどなく、海外からの旅行客から注目されている。
フランスではデパートで駅弁フェアのようなものを主催して日本の駅弁を売り出したことがある。
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幕の内弁当:だいたいの駅弁の体裁はこれが原型。
食堂車:(一応)競争相手(だった)