説明
経営してきた組織(企業、団体)の営業活動を止め、拠点(会社、店舗、事務所など)を畳むことである。
個人事業主の場合でも同じように言われる。
似た言葉に解散があるが、廃業は当該企業から廃業した事実確認を取るケースや法人番号の抹消や廃業届などに基づいてカウントされ、解散は商業登記簿に解散した事実が記載されるという違いがある。
引退との違い
スポーツ選手や芸能人などの場合、その仕事から身を引くという時に「引退」という場合と「廃業」という場合の両方がある。
おおむね引退は「現役での活動を終了する」場合を指し、例えばスポーツ選手を辞めた後、指導者や組織運営者などの裏方に回ったり、リポーター・解説者やタレントのように表舞台には出るが直接試合には関わらない立場に転向したり、といった場合も「引退」となる。チームとの雇用契約の形態にもよるが、引退とは「選手としての廃業」とイコールといえる(※たまに引退後他競技に転向して「スポーツ選手」という立場そのものは続いている、というケースもあるが、その場合もあくまで「その競技の選手としては」廃業するのがほとんどである)。
これに対し「廃業」とした場合は「今後その業界に復帰することはない」、「その業界からの完全なる消滅」を指す形で使われる場面が多い。
大相撲界では、力士が引退する際(幕下以下、十両以上の力士にも「親方株」をもたないことやほかの理由で該当することがある)、親方衆(年寄)として日本相撲協会に残らなかった場合や部屋持ち親方が65歳の定年前に退職することを「廃業」(現在は力士は「引退」、親方は「退職」と呼ぶようになったため、まず使われていない)と呼ばれた。
芸能界の場合は、「個人事業主としてプロダクションに業務を委託している」という人もいれば「芸能プロダクションに社員として務めている」という人、完全フリーランスの人などもいるため、「引退」としたときは、制作側やマネジメントに回る形で芸能界との関係が続くケースや、これまで演じた役の継続・再演といった形で限定的に復帰するような可能性を残した表現として用いられることが多く、「廃業」は裏方含め業界から完全に抜けるような形で仕事を辞めることを指すようである。
落語界では今でも落語家をやめることを(その後一般タレントなどに転向し、芸能活動は続けていても)廃業と呼ぶようである