概要
粥(かゆ)とは、米(うるち米)、麦、粟、稗などの穀類を、多めの水とともに炊きあげた料理である。炊き上げた飯に後からだし汁や調味料を加えて煮込んだものは雑炊として区別されることもある。
世界各国に類似した料理(ポリッジ)があるが、ここでは日本料理の粥について扱い、世界的観点からの粥料理については粥の項目を参照されたい。
日本の粥
古代に米を蒸した強飯を食べていた時代は、汁気が残らない程度に炊き上げたご飯を「固粥」と呼んでいたが、後に固粥を常食するようになると、これを「飯」と呼ぶようになり、「粥」は汁気が残る「汁粥」のみを指すようになった。
中国では中華粥と油条が朝食の定番となっているのに対し、日本では粥と言えば病中病後の食事としてのイメージが強く、(鍋料理の締めなどとして食べられる雑炊を別にすると)あまり常食はされない。ただし関西では昔から「昼に炊いたご飯を昼食・夕食で食べ、残った冷えたご飯を朝食でおかゆにして食べる」という食習慣があったため、病人食という認識は比較的薄い傾向にある。
水の量によっては上澄み液が出る事があり、これは「重湯」と呼ばれる。重湯は澱粉を多く含み、粥すら受け付けないような状態に対する食事としてよく利用される(たとえば、人工ミルクが発達していなかった時代、重湯は母乳の代用品として使われる事があった)。
簡単な調理器具で作る事ができるが、市販されている米飯用の炊飯器には粥用のゲージが用意されている機種も多い。
曹洞宗の開祖道元が食事を頂く時の心構えを著した「赴粥飯法」におかゆの10種類の効能「粥有十利」が記載されている。
- 体の色つやが良くなる
- 気力が増す
- 寿命が伸びる
- 食べ過ぎを防ぎ、体が楽になる
- 血流が良くなり頭が冴え、言葉も滑らかに
- 胸やけしない
- 風邪を引かない
- 飢えを満たす
- 喉を潤す
- 便通が良くなる
日本の粥料理
雑炊も参照。
- 白がゆ - 炊いたご飯と水で作るシンプルな粥。病人食のイメージが強い。
- 茶粥 - 煮出したほうじ茶の中に冷やごはんを入れて炊いたもの。奈良県を中心に朝食として常食される。
- 桜粥 - 米と小豆の粥。小正月の1月15日に、一年の健康を願って食べられる。
- 霰粥 - 鯛などの白身魚をほぐして入れた粥。
関連イラスト
おかゆ
オリジナル
版権
表記揺れ
関連タグ
山岡ゆり:愛称として『おかゆ』と呼ばれている。