中国の曹洞宗
中国仏教における「禅宗五家」の一つで、その法統は道元によって日本に持ち帰られた。
元の時代にクビライによってこの寺を任せられた雪庭福裕禅師の時代に教勢を強め、嵩山少林寺は現在に至るまで中国曹洞宗の中心地であり続けている。
明の時代から曹洞正宗を名乗るようになった。
日本の曹洞宗
宋の時代に天童如浄禅師から印可(境地の証明書)を与えられた道元が日本に持ち帰り布教した。
福井県の永平寺と神奈川県の總持寺の二つを大本山とし、総本山が存在しないという珍しい宗派である。管長(その宗派で一番偉いお坊さん)は、この二つの大本山から交代で輩出することになっている。
同じ禅宗の臨済宗が公案(わけのわからない問いかけ。いわゆる禅問答)を用いるのに対し、ひたすら座禅を組んで座れという只管打坐(しかんたざ)を説く。このシンプルさゆえに、下級武士や農民の間に広まった。
勤行においては、観音経など『法華経』のいくつかの品(章)、『般若心経』等に加え、道元の主著『正法眼蔵』をもとに明治時代に編纂された『修証義』を読み上げる。