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狂牛病

きょうぎゅうびょう

牛海綿状脳症。ウシの病気の一つ。異常プリオンと呼ばれる異常なタンパク質の沈着により脳がスポンジ状に破壊されることで引き起こされる中枢神経疾患。人間に感染する可能性があり、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病を引き起こすとされている。
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狂牛病とは、ウシ中枢神経疾患の一つである。


概要編集

正式名称、牛海綿状脳症。Bovine Spongiform Encephalopathyの頭文字を取ってBSEとも。

その名前の通り、組織がスポンジ状に破壊されることで発症する。発症当初は脚に震えが出る程度であるが、そのうち外部刺激に対して異常反応を起こすようになり、やがて立つこともできなくなり死亡する。


同様の病気ににおけるスクレイピーや、ヒトにおける変異型クロイツフェルト・ヤコブ病が存在し、これらをまとめて伝染性海綿状脳症とも呼ばれる。


原因編集

2015年現在、原因については確定した説はまだ存在しない。もっとも有力である説は、立体構造が通常と異なる異常プリオンと呼ばれるタンパク質が神経細胞内に沈着し、これが崩壊することで結果神経細胞がスポンジ状に破壊された状態になるというものである。

異常プリオンが発生する原因については、異常プリオンに汚染された餌を取ることによって体内の正常なプリオンが異常プリオンに置き換わると考えられている他、遺伝子異常によって発生する可能性があるとされているが、いずれも具体的な機序は未解明である。


治療編集

細胞破壊は不可逆的であるため治療方法はなく、該当個体を殺処分するしかない。日本においては家畜伝染病予防法に基づき、発症個体が発生した場合は殺処分措置がとられる他、前出の通り餌による感染が疑われているため調査が行われる。


ヒトへの感染可能性編集

前出の通り餌による感染が疑われており、またヒトにおいても変異型クロイツフェルト・ヤコブ病という同様の病気が存在すること、また発症牛の肉を使用して作られたキャットフードによって猫が発症した事例があることから、発症牛の神経組織を食することで人間にも感染する可能性があると考えられている。具体的には、日本においては脊髄、頬肉を除く頭部、回腸遠位部が特定危険部位とされている。


影響編集

2001年9月に日本で狂牛病を発症した牛が発見され、日本も狂牛病発生国となったことで、おもに牛肉の市場や、牛由来成分を使用した商品の市場に大きな影響を与えた。また2003年にはアメリカでも狂牛病発症牛が現れ、これによりアメリカ産牛肉の禁輸措置が取られたことで、廉価なアメリカ産牛肉に頼っていた外食産業などに多大な影響が発生した(例えばこの時期、吉野家は牛丼の販売を一時停止しており、豚丼などに置き換えたメニューを置くことになっている)。

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