ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

平成VSシリーズ

へいせいばーさすしりーず

平成に公開されたゴジラ映画の内、タイトルに『VS』とある作品の総称。
目次 [非表示]

概要編集

平成に公開されたゴジラシリーズの作品群の総称。

1989年(平成元年)公開のゴジラVSビオランテ1995年(平成7年)公開のゴジラVSデストロイアの6作品を指す。

どの作品もタイトルが共通して『ゴジラVS○○(敵怪獣の名前)』であることから、この呼び方がよく使われる。


作風編集

平成シリーズの特徴としては、一連の共通した世界観を持ち、同じ登場人物(超能力者三枝未希陸上自衛隊特殊戦略担当室の黒木翔Gフォース司令官の麻生孝昭など)が登場することが挙げられる(一応、昭和ゴジラも世界観につながりはあるとされるが、VSシリーズと比べて設定などがかなり曖昧である)。こうした登場人物たちの織り成す重厚な人間ドラマがシリーズ内の大きな見どころの一つである。


また戦闘シーンにおいては、格闘シーンをリアリティがないとして嫌った特技監督・川北紘一の指導に加え、当時一世を風靡していた『ドラゴンボール』などの影響もあってか、光線技の使用頻度が上がっている。

例えば、ゴジラの放射熱線通常ワザとしてじゃんじゃん使用されまくっており、初激も熱線ならトドメも熱線なんてのは当たり前、酷い時は熱線しか使わずに戦いが終わったことすらある。

対戦相手の怪獣もこれに応戦する形で飛び道具を乱射する。

元々遠距離攻撃が主体だったキングギドラやメカゴジラは当然として、光線技を持っていなかったモスララドンにまで追加。

怪獣が戦っているときは基本的に光線が飛び交い火花が爆裂しているというのが常である。

また「生物として掴んだりするのはおかしい」との理由で格闘攻撃が行われるのは珍しいレベルにまで減少しており、怪獣の造形も歴代で最も「非生物的な」マッシブさを持っている(要は動きにくそうということである)。


VSシリーズ全体で見ても極僅かしかないと言えるほど頻度が減った格闘戦だが、たまにやると他シリーズと比べても勝るとも劣らないほどエグい描写があったりもする。

具体的には、ビオランテが蔦でゴジラの掌を貫く、ゴジラがバトラの喉笛を食い破って血まみれになる、キングギドラがその長い首を使って締め上げる。ラドンはメカゴジラの目を嘴で破壊し、モゲラはドリルでスペースゴジラに流血させ、対するスペースゴジラも鋭い尾を突き刺した。

とりあえず基本は光線の撃ち合い、稀に思い出したかのように格闘戦というのが平成ゴジラのバトルスタイルである。

また怪獣たちの擬人化ではない感情の発露も評価が高く、特に新堂会長と向き合ったゴジラの「演技」は語り草となっている。


主に川北監督が主導した、怪獣たちの大胆な設定変更や昭和からのパターンの打破も、この時期の特色である。

青い衝撃波や赤い熱線を放つゴジラ、植物なのに走り出すビオランテ、サイボーグ化して蘇るキングギドラ、「黒いモスラ」ことバトラ、そして赤く輝き全身から蒸気を吹き出すバーニングゴジラなど、観客どころか時に制作側さえ度肝を抜かれたド派手なアレンジも魅力の一つである。


また最終決戦の舞台こそ首都圏であることが多いが、怪獣達は日本各地にまんべんなく上陸する傾向にあり、各作品の序盤から中盤にかけてはほぼ必ず、怪獣が日本全国の観光名所をバックに進撃するという、観光地巡りとも言える場面が挿入される。これらは多くの場合、怪獣の身長的に、実際そこに現れたとしても絶対にそういう風には収まらないはずの絵面であったりするが(『vsメカゴジラ』の京都タワーや清水寺のシーンなどは顕著である)、誰もが知っている名所を蹂躙する姿はインパクトが強く、なんといっても地元民のキッズにとっては嬉しい一場面であり、否定的な声はあまり聞かれない。


評価編集

こうした、迫力満点の戦闘描写と完成度の高い人間ドラマがうまく融合された構成は、今なお非常に高い評価を得ており、「ゴジラシリーズの中ではVSシリーズが一番好き」というファンも多い。

この関係から、VSシリーズに登場したゴジラ(厳密には「VSビオランテ」以降のデザイン)も、他シリーズに登場した個体と比較して人気・知名度共に抜群に高く、放映終了から20年が経過した現在でも「ゴジラ」と聞くとこのVSシリーズのゴジラを思い浮かべる人は多い。

さらにゴジラのモニュメントなどが制作される際にはこの平成版に準拠したデザインが施されることも決して少なくない。


また、VSシリーズが大ヒットしたのは、80~90年代が「特撮冬の時代」と呼ばれるほど、特撮作品の放送が激減していた時期であったことも理由として考えられる。

当時はウルトラシリーズ仮面ライダーシリーズは放送を休止しており、東映メタルヒーロースーパー戦隊シリーズしか放送されていなかった。とはいえ、一応この時期に海外では『ウルトラマングレート』と『ウルトラマンパワード』がそれぞれ展開され、平成VSシリーズと入れ替わる形で『ウルトラマンティガ』に始まる平成ウルトラマンがスタートした。また『VSビオランテ』公開直前まで『仮面ライダーBLACKRX』が人気を博していた。

加えて、このVSシリーズの展開時期はジャンプ黄金期とモロ被りしていて、それらのアニメ作品とも必然的に鎬を削ることになった。しかし、それでもこのシリーズは人気を確保し続けた。ゴジラは目の肥えた特撮ファンを楽しませることのできる、貴重な存在だったのだ。


後にウルトラシリーズ2010年代以降に展開された新世代ヒーローズ令和ウルトラシリーズ)で監督を務めることになる田口清隆氏も、幼少期にこの平成シリーズや平成ガメラをみたことが後に特撮監督への道を志すきっかけの1つになった(実際、田口氏がメイン監督を務めた『ウルトラマンZ』や『ウルトラマンブレーザー』では平成ゴジラに対するオマージュやパロディと思われる演出が散見される)と語っているほか、田口氏以外にもこの平成シリーズから少なからず影響を受けたクリエイターは決して少なくない。

このことから、後の日本の(特撮をはじめとする)サブカルチャーにも大きな影響を与えたという点で、このシリーズの存在意義は極めて大きかったと言えるだろう。


作品一覧編集

映画編集

公開タイトルタグ
1989年12月16日『ゴジラVSビオランテ』ゴジラVSビオランテ
1991年12月14日『ゴジラVSキングギドラ』ゴジラVSキングギドラ
1992年12月12日『ゴジラVSモスラ』ゴジラVSモスラ
1993年12月11日『ゴジラVSメカゴジラ』ゴジラVSメカゴジラ
1994年12年10日『ゴジラVSスペースゴジラ』ゴジラVSスペースゴジラ
1995年12月9日『ゴジラVSデストロイア』ゴジラVSデストロイア

前章編集

公開タイトルタグ
1984年12月15日『ゴジラ』84ゴジラ

その他スピンオフ作品編集

公開年タイトルタグ
1992『冒険!ゴジランド』(第一期)ゴジランド
1993『冒険!ゴジランド』(第二期)ゴジランド
1993『超ゴジラ』超ゴジラ
1994『すすめ!ゴジランド よめるよ かけるよ ひらがな』ゴジランド
1994『すすめ!ゴジランド かぞえられるよ かず1・2・3』ゴジランド
1994『怪獣プラネットゴジラ』怪獣プラネットゴジラ
1996『すすめ!ゴジランド ゴジラとあそぼう たしざん』ゴジランド
1996『すすめ!ゴジランド ゴジラとあそぼう ひきざん』ゴジランド
1996『ゴジラ王国』ゴジラ王国
1997『ゴジラアイランド』ゴジラアイランド

関連項目編集

ゴジラシリーズ 平成ゴジラ 田中友幸 川北紘一


84ゴジラ(1984)←平成VSシリーズ→(GODZILLA(1998))→ミレニアムシリーズ(1999~2004)

関連記事

親記事

平成ゴジラ へいせいごじら

子記事

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 28924

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました