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概要編集

フルタイトルは『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』。


人気怪獣の1つ「ガイガン」のデビュー作でもある。


1972年に「東宝チャンピオンまつり」の一篇として上映された。「ゴジラが他の怪獣と戦い、怪獣のチャンピオンを目指す」というチャンピオンまつり路線を決定づけた作品。

ゴジラアンギラスふきだしを使って会話するという有名なシーンがある。このシーンはアメリカで公開された時は声優アフレコしている。


また日活路線変更永田ラッパ期の大映倒産東宝の定番(東宝クレージー映画・『駅前』・『社長』・『若大将』)シリーズの連続打ち切り等に見られる五社協定の崩壊で協定のブロックで映画に出れずテレビ等で活躍してきた俳優の進出と自社所属の俳優の引退・フリーランス化もあり日活出身の武藤章生等が出た一方で、レジェンドだった中島春雄がゴジラを演じた最後の作品でもある(最後とあってか、本編にもカメオ出演し冒頭で武藤と共演している)。

制作費削減の影響もあって新人の俳優が多く、遠くの怪獣を見上げる演技がなかなかできなかった出演者が多かった一方、『ウルトラセブン』ですでに経験のある菱見百合子は「まあまあ慣れていました」と語っている。


この作品ではゴジラや他の地球怪獣は人間からは脅威と認識されており(以前の作品で散々暴れてきたためか)、偵察に来たアンギラスを防衛軍が攻撃したり、東京へ出撃しようとするゴジラとアンギラスを警戒する描写などがある。

一方で侵略者であるM宇宙ハンター星雲人が地球の怪獣達を警戒していたり、先の『怪獣大戦争』・『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』同様にガチガチに計算された悪魔の完全犯罪的な侵略作戦に対して人間側の原始的にしてイタズラ的なゲリラ戦で怪獣達の窮地を救ったとはいえ、キングギドラガイガンに防衛軍では歯が立たないとなると防衛軍の司令官が「我々の切り札はゴジラかね?」などと言い出したりする等、ゴジラ率いる地球怪獣達は人類にとっては脅威だが地球を守るためには必要といった立場になっている。


主題歌は「ゴジラマーチ」。


同時上映は『帰ってきたウルトラマン次郎くん怪獣に乗る』・『天才バカボン 夜まわりはこわいのだ』・『みなしごハッチ ママにだかれて』・『ミラーマン』・『樫の木モック』。サブタイトルのない2本は第1話、他は各エピソードのブローアップ版(『ハッチ』は最終2話を編集、『バカボン』は2本立てで放送されていたエピソードのうちの1本(第17回Aパート))である。


登場怪獣編集

ゴジラ

アンギラス

ガイガン

キングギドラ


M宇宙ハンター星雲人


当初は、バランラドンモスラ、そして次回作に登場するメガロの登場も予定されていた(後述)。


また低予算ゆえ一般映画を含む映像流用や伊福部昭の音楽の大量流用でも知られているが、選曲はシリーズに関わっていたスタッフが担当。伊福部はそれを承諾の上で、自身も間接的に参加し暗黒街シリーズなど一般映画を含め適材適所の曲を使用させ「監修」な立場で様々なフォローをした。それは「伊福部氏の曲は、あまり好みではなかった」という福田純監督の作風に、見事に応えたのだった。


当初の構想ではオープニングは『宇宙大戦争』のタイトルテーマを流用する予定だったが、すでにファンの間で知名度の高い曲であるため他の曲にしてほしいという福田監督の要望により大阪万博三菱未来館で使用された「火山」に変更したとされる。


あらすじ編集

売れない漫画家・小高源吾は、マネージャーの友江トモ子が新たにとってきた建設中のテーマパーク・世界子供ランドの怪獣デザインの仕事の打ち合せに向かった。

ところが彼を待っていたのは、物々しいモニュメント的なゴジラタワーやまだ幼い子供…高校生にしか見えないのに桁外れに「見た目は子供、頭脳は大人」な会長の須東文夫と無国籍的で喋り方のおかしい謎の事務局長・クボタだった。彼らは「子供ランド完成の暁には、平和にとって不要であるゴジラと怪獣島の怪獣たちすべてを抹殺する」と語る。


後にオフィスで小高はクボタ達に追われていた謎の女性とぶつかってしまい、彼女が落していった謎のテープを拾う。その夜、帰宅途中の小高はその女性である志摩マチコと彼女の友人でヒッピーの高杉正作に出会い、「テープを返してくれ」と言われる。話を聞いてみると、マチコの兄でコンピューター技師である志摩武士が「3日前から行方不明」だというのだ。子供ランドのどこかに監禁されているとにらんだマチコ達に、小高は協力する。

テープを再生してみると、人間が聴くだけでは奇妙な電子音が流れるばかりで何の目的に使うものなのかさっぱり解らなかった。


一方、怪獣島ではゴジラが何かの異常を察知し、アンギラスを偵察に向かわせていた。だが、しかし…。


キャスト編集


スタッフ編集

監督福田純(本編)/中野昭慶(特撮)
脚本関沢新一
制作田中友幸
音楽伊福部昭
撮影長谷川清(本編)/富岡素敬(特撮)
編集中野嘉男
配給東宝
公開1972年3月12日
上映時間89分
制作国日本
言語日本語

準備稿編集

本作は、馬淵薫氏と関沢新一氏による準備稿および、検討用台本が存在し、内容が一部判明している。

馬淵氏の準備稿は「ゴジラ対宇宙怪獣 地球防衛命令」の仮題がつけられ、ゴジラとアンギラスに対し、ガイガンとキングギドラ、そしてメガロが登場。更に新怪獣として『魔神ツール』が登場する予定だった(人間が建設した施設として、ゴジラタワーも登場する)。

本作では、M宇宙ハンター星雲人に当たる敵として『宇宙人ミーコー』が登場。人前に姿を現さないが、その正体は機械の中の脳髄で、ギドラとガイガンを操っていた。

魔神ツールは当初、ただの石像と思われていた。ミーコーは、ガイガンに石像を両断させ、内部に機械を埋め込み、自分の手駒のロボットにしようと企む。しかし回転鋸を受けて出血したツールは、魔神として動き出し、ゴジラとアンギラスに協力して戦う。戦いの結果、ミーコーは倒され、宇宙怪獣たちは宇宙に追い返される……という内容だった。

関沢氏の検討用台本は『キングギドラの大逆襲』の仮題がつけられており、ゴジラ、ラドン、バランに対し、キングギドラ、ガイガン、そして新宇宙怪獣モグ」が戦うというものだった。

後に新たな検討用台本『ゴジラ対ガイガン キングギドラの大逆襲!』が書かれ、登場怪獣はゴジラ、アンギラス、モスラ幼虫、キングギドラ、ガイガン、メガロが予定されていた。


関連タグ編集

昭和ゴジラ ガイガン アンギラス キングギドラ

中島春雄


ゴジラ対ヘドラゴジラ対ガイガンゴジラ対メガロ

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