ATフィールド
えーてぃーふぃーるど
正式名称“Absolute Terror Field(日本語訳:絶対不可侵領域)”。
「絶対領域」とは似ているようで全く意味が異なるので注意。
作中では「ATフィールド」と略されて呼ばれる。
絵的には、オレンジ色の八角形が層をなすバリアとなり、敵の干渉や攻撃をズバァァァと退ける。
「ATフィールド全開…ッ!!」
人類を襲う謎の敵「使徒」、およびそのテクノロジーを解析して建造された汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン(EVA)のみが展開可能なバリア。原理は不明だが、フィールド境界にて空間の相転位現象を起こしているらしく、通常兵器では破れない程の強度を誇り、あまりにもフィールドが強力だと光や電磁波すら捻じ曲げるほどの力場が発生する。
一部の使徒は本来一枚しか張れないはずのATフィールドを幾重に展開したり、値を反転させる事で拒絶ではなく全てを受け入れる(侵食する)形で使用し、相手の精神の侵蝕、更に虚数空間「ディラックの海」の形成に応用したりもする。EVA側も放射状に展開して攻撃手段として利用したり、切断された腕を形成するなど、その汎用性は計り知れない。
また一部の作品では技術進歩によってATフィールドを応用した推進器や発電機、粒子砲などが開発されている。
フィールド同士で干渉し合うと中和される性質を持っており、そのため同じフィールド展開能力を有するエヴァンゲリオンだけが使徒に対抗可能な戦力と言える。
ただ、あまりにも強大なエネルギーを受けると流石に耐えきれないらしく、サキエルとイスラフェルはN2爆雷による核兵器級の爆発で、ラミエルは陽電子砲(ポジトロンスナイパーライフル)による狙撃でフィールドを貫通され、ダメージを受けている描写がある(ただし、N2爆雷は周囲への被害が大きいうえに表皮を焼いて足止めするのが限界。陽電子砲に至っては日本中の電力を使用している為、EVA以外で対抗しようとするのは現実的ではない)。
また、ダメージは受けずとも衝撃は本体に通り、当の本体が固定されている訳ではないので、ATフィールドごと超質量で押し潰されたり強烈な攻撃を受ける等するとフィールドを貫通されないまでもダメージが通ってしまう事がある。
加えてフィールドの展開領域にも限界があるらしく、EVA本体の破壊が困難だと判断した戦略自衛隊はアンビリカルケーブルに攻撃を集中し、EVA弐号機の稼働そのものを停止させることで攻略を試みている。
渚カヲルによれば、ATフィールドは人間ならば誰しもが持つ「心の壁」であり、(自分と他者を隔てる事で)人間の形を構成しているものであるという。
後に、この全人類の持つATフィールドを消失させ、個と個の境目をなくし一体化させ、「人類」という一つの生命体にする事こそが人類補完計画の目的であると判明、実際に計画が発動すると「アンチATフィールド」によって人々の自我境界が崩壊し、LCLと呼ばれる液体へと還元されてしまった。
新世紀エヴァンゲリオン2
各キャラには「A.T」というゲージが存在している。これは掻い摘んで言えば「やる気」であり、自キャラの体調管理が重要になる。NPCの場合は好感度という意味合いが強い。エヴァパイロットはこれが高いほうが使徒戦で有利になる。
当然ながら、劇中終盤の碇シンジのように心を閉ざした状態でいると、かえってゲーム攻略が困難になってしまう。
スーパーロボット大戦シリーズ
「一定量(作品によって変わる。だいたい3000~4000ぐらい)ダメージを無効化するバリア」として設定されている。そのため装甲等々を改造したり強化パーツなどで補強すればザコ敵から集中砲火を浴びてもびくともしなくなる。反面、元の装甲はかなり脆く設定されているうえ、無効化しきれなかった攻撃は素通りして大ダメージを受けてしまう弱点を持つ。そのため使徒はもちろん他作品の攻撃力が高いボスとの戦闘にもリスクが伴う。
おかげで「使徒との戦闘より他作品のザコ敵掃討に向く」とネタにされることもある。
また、バリア系能力の中では処理が特殊になりがちで、「バリア貫通」で貫通できない(代わりにEVAや使徒は「A.T.フィールド中和属性」武器を持ち、互いにフィールドを無効化出来る)、シンクロ率によって効果が増減するなどの特徴がある。
『第3次α』ではEVA本体の半分程度の防御性能に落ちるものの、ATフィールドの効果がEVAの編成されている小隊員全員に及ぶので、EVA以外の小隊員を防御することができるというメリットがある。ただしEVAの小隊編成コストが高く、高コストなスーパー系と組みにくいという欠点がある。
前述の通り、敵である使徒もATフィールドを装備しているため、ATフィールド中和武器を持つEVA以外では使徒には敵わない……かに思われたが、無効化できる値を超えるダメージを叩き出せば問題ない。スパロボでは味方は「低HP・高攻撃力」、敵は「高HP・低攻撃力」のステータスとなっており、高威力の必殺技を持つスーパーロボットだったら無効化限度以上のダメージを与える事は容易。もちろん、精神コマンドの熱血、直撃とかも有効。そのためシナリオ上でもシンジが「他のロボットでも使徒は倒せる」という理由で搭乗を拒否する展開がある。さらに、「バリア貫通」属性があれば問答無用でバリアを無視できる。そのため、ロボットですらない人間サイズの変な奴らが涼しい顔で使徒を殴り倒す、というシュールな光景も…
なお、庵野秀明監督はスパロボ参戦にあたり、ATフィールドの強度について「超電磁スピン(コン・バトラーV)やシャインスパーク(ゲッタードラゴン)は耐えられない」と発言している(『電撃PlayStation』Vol.106)。
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