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概要

アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』第6話に登場したビーム兵器

正式名称は「EVA専用改造陽電子砲NERV仕様」。

その名が示す通り、ポジトロン(陽電子)を発射するスナイパーライフル(狙撃銃)であり、汎用人型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオンによって運用される。

当初はNERVが独自に開発していた「陽電子砲円環加速式試作20型」を使用する予定だったが、大出力に耐えられる設計ではなかったため戦略自衛隊の「試作自走陽電子砲」を徴用・改造することで実戦投入にこぎつけた。

その攻撃力は絶大であり、本来ATフィールドを中和しなければ有効打を与えられない使徒を一発で倒せるほどの威力を有する。

その一方、設置や運用に多大な人的・時間的コストがかかる点、発射態勢に入ったエヴァは殆ど動けず無防備な点、外れた際には砲身の冷却・ヒューズの交換などに相当の時間を要する点など、運用上の弱点も多い。

劇中での活躍

劇中では第六話に登場。大出力の加粒子砲による長距離攻撃能力とATフィールドによる鉄壁の防御力を兼ね備えた第5使徒ラミエル狙撃する作戦「ヤシマ作戦」に投入された。

また、ラミエルのATフィールドを突破するためには1億8千万キロワットもの電力が求められ、この電力を賄うために日本全国が停電するという描写もあった。

EVA初号機による第一射はラミエルが同タイミングで発射した加粒子砲に阻まれたが、第二射は目標に命中。ATフィールドを突破し、ラミエルのコアを一撃で破壊・撃破することに成功している。

また、第弐拾弐話では衛星軌道上に出現した第15使徒アラエルを狙撃するために零号機が使用した。しかし、流石に射程外であり、日本中からの電力を集める余裕も無かったため、アラエルのATフィールドを突破出来ずに終わった。

新劇場版

新劇場版でもTV版第六話と同様の経緯で登場。

こちらでの正式名称は「戦略自衛隊技術研究本部大出力型第2次試作自走460mm陽電子砲」。

また、この兵器を装備する際に初号機は肩部に「G型装備」と呼称される狙撃用補助装備を取り付けていた。

本作では一射目を第6の使徒に命中させたものの、光線がコアを掠めて致命傷を与えるには至らなかった。その後、使徒の反撃を零号機の援護でしのぎ切り、再度の発射で撃破するに至っている。

その他

スーパーロボット大戦などのゲーム作品では初号機あるいは零号機の武器として登場。

初号機最強の必殺技扱いされていたり、直線射程型のMAP兵器とされるなど威力の面では優秀な武器とされているが、総じて燃費が悪く、壁役として格闘戦を挑むことの多いエヴァとは育成上の相性が悪いなど、運用の面倒さも再現されていることが多い。

余談

コレの実際の威力がどれほどのものかと言うとポジトロンスナイパーライフルの原理を考えれば、「電力のエネルギー→陽電子の生成+加速→破壊力」

そして、エネルギー保存の法則から「破壊力=電力のエネルギー」となる

電力とは、1秒あたりのエネルギーなので、2発の合計エネルギーは「1億8千万kW×停電開始から2発目を撃つまでの秒数」ということになる。

従って1億8千万kW=1800億Wで、11時30分から0時2分40秒までは32分40秒=1960秒、全エネルギーはこれらをかけて352兆8千億J。

これを2発で使い切ったとすれば、1発あたり176兆4千億J。TNT爆薬に換算して4万4400tで、直すと44.4Kt(キロトン)、広島に落ちた原爆の威力が16Ktなので原爆の2.5倍近い火力が出ていることになる。

ビームの直径が1mなら、面積は半畳程となり、この狭い面積に44.4Kt分のエネルギーが集中するのでそりゃあATフィールドも抜けようというものである。

ちなみにこの火力を発揮するのに掛かるお値段、二発でなんと12億円、一発六億円は高いのか安いのか…

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