概要
略称は「戦自」。英文表記は「JAPAN STRATEGY SELF DEFENSE FORCE (JSSDF)」。劇中では世界最強の軍隊の一角に数えられる。
セカンドインパクトの後、既存の陸上・海上・航空自衛隊は国連軍へと編入されていたが、2003年南沙諸島において発生した中国とベトナムの軍事衝突を契機に、固有の軍事力を必要とした日本政府により新たに設置された。管轄省庁は日本国国防省。
なお、国防省は架空の省庁であるが、一方でJAの起動算譜には実在する防衛庁(現実世界での日本国では2007年1月9日より「防衛省」に移行)の名前が入っている。JA計画について、「(戦自の)介入は認められず」とする赤木リツコの台詞からは、国防省が戦自を、防衛庁が陸海空自衛隊を統括するという区分になっていると推測される。
ただし上記の通り陸空海の自衛隊は国連軍に編入されているため矛盾ができてしまう(一応航空自衛隊表記の航空機が登場するため、組織自体は存在している可能性はある)。
エヴァンゲリオンANIMAではネルフ本部改めネルフJPNと協力関係にある。
スピンオフギャグ漫画である新世紀エヴァンゲリオンピコピコ中学生伝説にも登場しており、こちらは国連軍が存在しないため使徒に対処しているが、やはり攻撃は効いていない。
新劇場版にも登場。こちらは日本国内務省管轄の組織と設定されている。サードインパクト発生後、その戦力の一部はWILLEに吸収された可能性がある。
保有兵器
作中の国連軍や現実の自衛隊で使用されている装備もあれば、独自の装備もある。
航空兵器
- 軽戦闘機
ネルフ本部施設内にも入り込める、小型のVTOL機。ハリアーに似たエンジン及びエンジンノズルを有する機体。武装は機関砲のみ。
- UN重戦闘機 YAGR-3B
その名の通り国連軍でも運用されているVTOL攻撃機。直線的で全幅が薄いシルエットが特徴なティルトジェット機で、主翼両端に可動式エンジンノズルを有する。武装は国連軍所属機と同じくロケット弾ポッド4基。
塗装はグレーを基調とする国連軍所属機と異なり、ダークグリーンを基調としたもの。
- 超大型爆撃機
第壱話でも国連軍所属機として登場した大型爆撃機。6発機で、T字尾翼とH字尾翼を組み合わせたような独特の尾翼を持つ。武装は国連軍所属機と同じく(機体の3分の2程度の大きさ)大型ミサイル1基。
こちらも塗装はUN重戦闘機同様ダークグリーンを基調としたもの。
- Su-27SMN2プラティパス2(エヴァンゲリオンANIMA)
ロシアから輸入したSu-27をベースにN2技術の実験機として戦自技研とネルフJPNが共同開発した機体。動力源にN2リアクター、推進器に重力子フローター、そして武装には陽電子砲を搭載している。
単座型と複座型の2種類が存在するが無人機としての運用も可能。
本機の開発によって得られた技術はアレゴリックウィングの開発に大いに役立てられている。
作中には白と青に塗装されたネルフJPN所属機が4機、灰色に塗装された戦自所属機が2機登場。
戦自所属機のコールサインは「モズ1」と「モズ2」。
台詞のみで機種不明。入間から発進しているため、基地は国連軍(旧自衛隊)と共用の可能性がある。
陸上兵器
- レオパルト2A7/A10主力戦車
実在するドイツの主力戦車・レオパルト2の改良型。現実のレオパルト2にもA6Mの近代化改修型に同じ名称が付けられているが、こちらはそれとは全く無関係。塗装は茶色。
新劇場版では国連軍所属車両として、緑基調の塗装をした車両が登場。
- M551試作軽戦車
かつてアメリカ軍で運用された空挺戦車と同じM551の名を持つが別物。82式指揮通信車に似た車体を持つ6輪式の装輪戦車。74式戦車に似た砲塔を搭載している。塗装は茶色。媒体によって細かい部分(サイドスカートの有無等)が異なる。
こちらもレオパルト2A7/A10同様、緑基調の塗装をした車両が国連軍所属車両として登場。
因みに作中の設定は2015年だが、史実では偶然にも16式機動戦闘車(2007年から開発)の試作車が存在する時期である。
- 自走ロケット砲
9A52-4とMLRS(架空型のM290)の2種。
- 爆雷投射車両
- 指揮通信車両
ネルフの警備車両と同系統の車両。
幌の形状や車体正面上部には速度表示灯があるため、旧型と思われる。EVA弐号機とEVA量産機の戦闘を確認している部隊が装備。
上記73式大型トラックと同じ場面に登場。車体正面は73式だが、後部には75式自走地上風測定装置のような物が映り込んでいるため、2両を合体させた架空車両の可能性もある。
攻撃描写がないため分かりにくいが、場面(弐号機のケーブル切断を指示する隊員の後方)に写っている。
9A52-4の隣に停車している。ネルフでも使用されている他、新劇場版では国連軍の車両として登場。
- 三式試製メーザー砲車(エヴァンゲリオンANIMA)
いわゆるメーサー砲で、動力はN2リアクターを搭載している。乗員2名。
元々はもっと名前が長かったが、ミサトの「舌を噛みそう」という一声で改称された経緯がある。
- 連装機関砲(鋼鉄のガールフレンド)
トライデントが配備されていた基地に設置されていたが、同機が脱走した際に迎撃するも破壊される。
- 試作自走陽電子砲/大出力型第2次試作自走460mm陽電子砲
戦自研が開発、試作した陽電子砲であり、自走砲となっているため地上兵器として開発されていたと思われる。なおTV版と新劇場版で名称が異なる(左側がTV版)。
ネルフによって徴発、改造されポジトロンスナイパーライフルとなり使徒撃破に成功する等、間接的ながらも戦略自衛隊が使徒撃破に貢献することとなった。
海上兵器
- ヰ409特改(エヴァンゲリオンANIMA)
近代化改修によって予備浮力などを強化した2隻の潜特型潜水艦(史実では未成艦であるヰ404とヰ405)を並べてブリッジ翼で結合した双胴潜水艦。上陸部隊の支援を目的とした運用が成されている。
- 護衛艦「やまと」(エヴァンゲリオンANIMA)
戦艦大和(史実では戦没艦)を護衛艦に改修したもの。主機を大型N2リアクター、副砲を単装砲に換装し艦首にVLS、艦橋にフェーズドアレイレーダーを設置するなど大幅な改修が施されている。
後部甲板にはエヴァ用の武装を搭載する事も可能。
歩兵装備
- H&K G11(ケースレス方式のドイツ製自動小銃:初期型、2種類存在する)
恐らく作画コスト(排莢シーン)の問題で採用されたと思われる。が、作中の日本はセカンドインパクトの影響で常夏になっており、ただでさえケースレス弾は高温多湿に弱く、なぜ戦自が本銃を採用したのかは不明(詳しくはリンク先を読めば分かるが、それ以外にも問題があった銃であるため)。
- FN ブローニング・ハイパワー(ベルギー製自動拳銃:リングハンマー仕様)
- グロック17(漫画版のみ)
- ワルサーP99(漫画版表紙のみ)
- コンバット・ナイフ
- 110mm個人携帯対戦車弾
- 携帯式無反動砲
- 火炎放射器
- C4爆薬(漫画版で名称が登場する)
- バリスティック・シールド(個人携行用防弾盾)
- H&K XM8
厳密にはWILLE戦闘員の装備だが、本銃を装備する戦闘員は戦自隊員の装備をしており、WILLEに吸収された戦自残存戦力が装備していた可能性がある。余談だが、この銃も諸々の事情により制式採用を逃しており、G11と似たような末路を辿っている。
その他兵器
- N2弾道ミサイル
- 超重N2弾「イピクロス・ジャベリン」
登場はしないが、『Air/まごころを君に』の劇中で青葉シゲルと日向マコトが会話中で使用する可能性に触れている。PSPのゲームにおいては、使用されることもある。
- トライデント級陸上軽巡洋艦「雷電」「震電」(鋼鉄のガールフレンド)
6年後の戦争を見据えて開発、試作された汎用戦艦。総重量は3000t。
名称上は“軽巡洋艦”としているが実質ロボット兵器であり、大きな2本脚による陸上歩行は勿論、10万馬力のターボジェットエンジンによる高速飛行、ハイドロジェット形式による水上・水中行動も可能。
メイン動力炉として熱核型原子炉を搭載し、タンク内の貯蔵燃料のみで7日間稼働できる。
機体そのものに固定武装はなく、オプションとして機首に機関砲、肩部分のパイロンにミサイルランチャーを装備する。
高い機動性の代償として、激しい振動で搭乗者に内臓の損傷などの負担を強いる欠陥がある。
- 四式統合機兵「あかしま」(エヴァンゲリオンANIMA)
ジェットアローンの発展機。詳細はジェットアローンを参照。
戦力について
ネルフ本部の直接占拠に際して投入された戦略自衛隊だが、その突入部隊の個人装備は閉所空間における任務の性格からCQB(近接戦闘)に特化した構成になっている。
そのため、劇中ではブラックカラーで個人装備が統一され、戦闘服、タクティカル系のブーツやグローブ、ボディーアーマー、ヒップホルスターを着用した上、頭部及び眼球保護の目的からフェイスマスクとヘルメット、ゴーグルを着用するなど、SWATに代表される特殊作戦部隊の個人装備を意識したものとなっている。
なお、劇中に登場する全ての隊員が着用していた特徴的なヘルメットは、通気用のホールが施されたデザインから樹脂製のクラッシュ・ヘルメットと思われる。
クラッシュ・ヘルメットは元来アイススポーツなどに用いられる耐衝撃緩和を目的としたヘルメットであり、防弾性能は皆無だが軽量で通気性が良く機動性が確保できるため、CQB(近接戦闘)において高機動性を重視する実際の特殊部隊、特に船舶臨検部隊などに多用されており、現実の自衛隊でも一部採用されていた。
またアミューズメント専用景品として、軽作業用多目的バッグ(2014年採用)と十五式腕時計(2種類存在し、設定では仕様の異なる物をネルフが1年先に採用、支給している)がある。因みに設定として、時計はシンプルで頑丈とされているが、現場からの人気が無いのか、支給から1年も経たない内にデッドストックが大量に流出しているとのこと…。
基本的な兵器から弾道ミサイルのように高度に戦略的な兵器、また爆雷投射車両という、そもそも使用機会があるか怪しい兵器まで装備しており、限定的な能力を持つ特殊部隊のような組織ではなく、あらゆる状況に対応できるよう整備された戦力である事が窺える。
旧劇場版などでは約一個師団の戦力以外は確認出来ないが、派生作品では大型艦や機動兵器を多数保有するなど、世界最強は伊達ではない事が分かる。
なおBC兵器を保有しているため、この世界の日本は条約から脱退したかそもそも批准していない、あるいは極秘に保有していたと思われる。
火炎放射器の使用に関しては規制されていない上に、劇中のネルフが事実上テロリスト扱いであるため、容赦なく使用している。現実の自衛隊では、あくまで戦闘用以外の目的で保有、使用している。
戦略自衛隊に限らず、ネルフを含む国連組織でも当然のように少年兵が存在するため、関連条約も無効になっている模様。
施設警備のため、鋼鉄のガールフレンドでは軍用犬(警備犬)の存在も確認できる。
関係機関・部隊
技術開発のために戦略自衛隊技術研究所という研究機関を持つ。作中ではヤシマ作戦時に、ポジトロンスナイパーライフルの基となった試作自走陽電子砲を開発した戦略自衛隊つくば技術研究本部が登場した。
史実の自衛隊では、防衛庁技術研究所→防衛省技術研究本部→防衛装備庁となっている。
鋼鉄のガールフレンドには戦略自衛隊病院が登場。また2ndの白瀬ユウキ(案のみで本編未登場)は戦略防衛大学校の3年生であり、自衛隊における防衛大学校のような学校も存在すると思われる。
ANIMAでは第1空挺団(旧自衛隊の部隊と同一なのか、新設されたのかは不明)や戦自医大(自衛隊における防衛医科大学校)等の部隊、組織の存在が確認出来る。ちなみにこの時、隊員の階級は「陸曹長」と表記されており、戦略自衛隊の階級表記は旧陸上自衛隊と同じと思われる(ただしANIMA限定の可能性もある)。
上述のアミューズメント景品の設定では、新習志野第101空挺団、東部方面隊新富士教導団が存在している。
作中の立場
ヤシマ作戦と旧劇場版における本部侵攻以外にはこれといった出番は無いが、ネルフ関係者は何度か戦自を意識した発言をしており、ネルフへの対抗色の強い組織として描かれている事が窺われる。
劇中ではゼーレの策略により、ネルフを人類滅亡を企むテロリスト(あながち間違いでもないのでタチが悪い)と判断した日本政府の命令により出動。ネルフ職員を戦闘員、非戦闘員を問わず攻撃し、投降者や重傷者にも容赦なく銃撃・爆撃・火炎放射を加えている。
戦自からすると、人類補完計画発動=敗北(人類滅亡)であるため、とにかく急ぐ必要があったのも理由と思われる(捕虜の取り扱いにより、進軍に影響が出るため)。
なお旧劇場版「シト新生」の裏ジャケットには、対ネルフ出撃前、あるいは訓練中と思われる戦略自衛隊の隊員達(と猫)が描かれており、彼らも自分達の職務に忠実であっただけの人間である事が見て取れる。
また、ゲーム『鋼鉄のガールフレンド』で戦自(恐らくトライデントを開発した設計部)は元少年兵の霧島マナをスパイとして碇シンジに接近させてエヴァの秘密を探らせ、トライデントの改良を目論む。
だが一方で、マナの友人でもある少年兵2名によるトライデントでの脱走事件が発生する。内1名は転倒により損壊していた機体を発見したNERVに保護され、戦略自衛隊病院に入院。
その後、国連軍の戦車隊が芦ノ湖に潜伏していたもう1機と一度交戦するも、高い防御性能を誇るトライデントを前に為す術なく撤退。再び芦ノ湖に潜伏したトライデントを誘き出すため、すでにNERVが捕縛し戦自に引き渡されたマナを人質兼餌として利用した(なお戦闘を行っていたのは同じく国連軍)。
作中のマナ救出作戦時にも、トライデントと激しい戦闘が発生し、葛城ミサトが今件での戦自や国連軍の対応にイラつく場面がある。
ANIMAでは上述の通り協力関係にあるが、仲はあまり良くなくユーロ軍のネルフJPN侵攻部隊を素通りさせている。
関連タグ
登場作品
新世紀エヴァンゲリオン 旧劇場版 鋼鉄のガールフレンド 新世紀エヴァンゲリオンピコピコ中学生伝説 エヴァンゲリオンANIMA ヱヴァンゲリヲン新劇場版
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