製造は小松製作所。
概要
戦後、日本で初めて量産された装輪装甲車である。前作が存在せず、専ら通信機能に特化して開発されたため、他国のように既存の装甲兵員輸送車などを改造した車両ではなくゼロから開発された(つまり本車のベースとなった車両は存在しない)。
機能が通信と部隊指揮に特化しているため、基本的に師団司令部、連隊本部などで使用される。武装は主武装が12.7mm重機関銃M2、副武装に62式7.62mm機関銃か5.56mm機関銃MINIMIのみといった具合に軽武装。
昭和57年度(1982年)~平成11年度(1999年)までに合計231両が調達された。
後に登場した87式偵察警戒車と化学防護車は本車がベースとなったほか、開発経験は96式装輪装甲車の開発に活かされたと言われている。
後継
本車の登場後、陸上自衛隊の指揮通信システムは度々新しい規格のものが登場しており、また96式装輪装甲車の充足に伴って車種を揃えることが望ましいとされたためか、96式装輪装甲車に指揮通信システムを搭載した車両も登場している。
しかしながら、現在では96式装輪装甲車そのものも制式化から30年近くが経過したことに加えて、メーカーの小松製作所が2019年に防衛事業から撤退したため、実質的な後継車両は96式の後継に導入される次期装輪装甲車のいずれかをベースとした車両になるのではないかと見込まれる。
具体的には、96式の後継として導入されたフィンランド パトリア社の『パトリアAMV』、または三菱重工業が16式機動戦闘車をベースに開発した『共通戦術装輪車』のどちらかとみられる。
登場作品
登場から40年近くが経過し、活躍期間が長いためかなり多数の作品に出演している。
ゴジラシリーズは1984年版の『ゴジラ』以降、全作品…とまでは行かずともそれなりの割合で登場したり破壊されたりしている。
自衛隊の描写がやたら手が込んでると一部で話題の映画『クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦』では戦車部隊の指揮車両として使用された。