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概要

アメリカ陸軍が進める再編計画の一環として計画され2002年2月に命名された装甲車、M1126"Stryker"装輪装甲車のこと。ジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ社により、スイスのモクワ社が開発・生産した装輪式兵員輸送車「ピラーニャⅢ」をベースに開発された。開発意図としては、頻発する地域紛争・非対称戦争に素早く大量に展開し、展開に時間のかかる後続部隊が到着するまで戦線を維持できる事にあった。このため、C-130輸送機で展開できる軽量、主力として前線を維持できる火力と防御力、兵員輸送力、調達と維持の容易さといった多様な性能要件が求められた。

採用された車両はこれら要件を一通り満たし、地域紛争やテロに対して迅速に戦力を展開する「ストライカー旅団戦闘団」に配備されている。また兵員輸送と前線での火力が共に求められる事から、歩兵戦闘車としても運用されている。


火力は遠隔武器ステーション(RWS)に配置して用いる。標準は12.7ミリ.50口径重機関銃M2。有効射程は1600m前後。防御力は正面が14.5mm、全周7.62mm対応。更に追加装甲を装着することで全周14.5mmに対応できるようになる。オプションで鳥かご装甲や爆発反応装甲も装着可能、対戦車ミサイルへの対処すら考慮している。


C-130による空輸が可能なように設計されていたが、実際のところは追加装甲を一切取り外した上でもC-130に積むにはギリギリのサイズで「一応積めない事はない」レベルのものでしかなく、万が一の時の脱出経路を塞いでしまうなどの問題から、結局C-130で展開した事は一度もない。

火力への要求が増加したことにより兵員輸送型に30mm機関砲を標準装備とする計画が進行中であり、トータル2tほど車重が増加してC-130への搭載は不可能となる見込み。


そもそも空輸されること自体がコスパの問題から稀であり、基本的には海路での輸送となる。損耗補填で少数をC-17で運んだ程度。

「普通の装輪装甲車」として使う分には何ら問題ないので、空輸による戦力投射については開発当初ほど重視されてはいない。

エンジンを始めシリーズ車両もしくは他車両との部品の共通化が推し進められ、燃費の効率化も追求されてコストが圧縮されている。結果、調達数はすでに4000両を越えている。


ちなみに名称は「Striker(打撃者)」ではなく、第二次世界大戦で活躍した「スチュアート・S・ストライカー一等兵(Stuart S. Stryker)」と、ベトナム戦争で活躍した「ロバート・F・ストライカー四等特技兵(Robert F. Stryker)」に由来する。


バリエーション

  • M1126ストライカーICV

基本形で兵員輸送車型。搭乗可能な歩兵は9名。

  • M1127ストライカーRV

偵察車型。

  • M1128ストライカーMGS

MGS

火力支援型。MGSはMobile Gun System(機動砲システム)の略。

105mmライフル砲を装備した無人砲塔を持つが、これがなかなかの曲者で、当初はエアコンを装備していなかったためコンピューターのオーバーヒートが頻発し、搭乗員は冷却ベストを着用しなければならなかった。またハッチが小さく、緊急時の脱出も容易ではない。さらに自動装填装置に車内からアクセスできないため、修理が必要になった場合は車外に出て作業を行う必要がある。

他にも主砲の旧式化などの問題もあり、2022年までに退役予定となった。

  • M1129ストライカーMC

自走迫撃砲型。81mmまたは120mm迫撃砲を備える

  • M1130ストライカーCV

指揮車型。

  • M1131ストライカーFSV

砲兵観測車型。

  • M1132ストライカーESV

工兵車型。

  • M1133ストライカーMEV

野戦救急車型。

  • M1134ストライカーATGM

自走対戦車ミサイル型。TOW対戦車ミサイルを備える。

  • M1135ストライカーNBC RV

NBC偵察車型。

  • M1296ドラグーン

従来火力では激戦地への先行投入には不足するという現地の声により改良。RWSに替えて30mmの無人砲塔を搭載、有効射程は約3000mに伸びた。足回りも強化した新型の兵員輸送仕様である。

現在3個旅団分が採用されており、今後ストライカー旅団の歩兵部隊はこちらに統一される見込み。


関連タグ

装甲車 アメリカ陸軍

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