概要
C-141の後継として、アメリカ本土よりヨーロッパの前線未整備小型飛行場に物資を大量輸送する戦域間空輸を担う大型長距離輸送機を開発する米次期輸送機開発計画C-Xによって生み出された。
その性能要求は厳しく、米軍が有するあらゆる車両を輸送可能なペイロード、戦略輸送に使用できる長大な航続距離、未舗装の3,000フィート滑走路で離着陸が可能な性能が求められた。
ボーイングやロッキード、マクドネル・ダグラスの3社が提案を行い、1981年8月にマクドネル・ダグラス社の提案が採用された。
ロールアウトが1990年12月、初飛行は1991年9月15日、部隊配備開始は1993年7月である。
愛称はグローブマスターIIIで、これは旧ダグラス・エアクラフト社の開発した輸送機C-74 グローブマスターとC-124 グローブマスターIIに由来している。
要求仕様はおおむね達成され、M1エイブラムスすらも空輸可能な絶大な輸送量と、1km以下の短い滑走路でも離陸可能な小回りを両立することに成功した。
しかしながら、高すぎる接地圧のせいで着陸滑走路を選ばなければならなくなっており、望んだとおりの使い勝手になったかというのは微妙。
それでも大輸送量とある程度の小回りは魅力であるので、米軍以外でも採用されている。
日本でもC-1の後継候補に挙げられたがスペックで日本の条件に合わず不採用、C-2を製造することになった。