概要
冷戦下において、榴弾砲よりも広範囲を面制圧できることを目的として開発された。
車両部分はM2ブラッドレー歩兵戦闘車をベースとし、車長・砲手・操縦手の3名で運用される。
背面のグラスファイバー製のコンテナは強固なアルミフレームで支えられており、ロケットとミサイルを含むMFOM(MLRS Family Of Munition rockets and artillery missiles)と呼ばれる兵器群を発射できるようになっている。
発射間隔は約4.5秒で、全段発射後はコンテナを入れ替えて再び使用可能。
運用の結果色々と問題があることもわかってきており…
- 高い。
- デカくて重い。C-130に載せられない。
- 至近距離の目標への砲撃は不発弾が出やすくなる。
- コンテナ載せ替えに時間がかかる。
- 派手な音と煙を出すので位置がバレる。
- ロケット弾が風の影響を受けやすい。
後者3つはロケット弾を大量に発射して攻撃する以上どうしてもつきまとう問題なので仕方がないのだが、高い上にデカくて重いという問題は迅速な展開が必要な海兵隊や空挺部隊にとっては看過できない問題のため、M2ブラッドレーから軍用トラックをベース車に変えて安く軽くしたHIMARSが新たに開発され、配備されている。
1992年から陸上自衛隊にも配備されており、2012年時点で99両が保有する。
島国である日本がこの兵器を配備した理由について防衛省は「敵侵攻部隊による日本本土への上陸を阻止するため」と言っており、万が一上陸された場合にその上陸地点を山間部などから迎撃することを目的に配備している。
情報処理装置部は東芝が、車両部分はIHIエアロスペースでライセンス製造されており、価格は1両につき約19億円。