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榴弾砲

りゅうだんぽう

榴弾砲は大砲の一種。榴弾(弾の内部に火薬が詰められた砲弾)を曲射にて発射するための大砲であるが、現在では役割が変化しつつある。
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この兵器の現在における基本の定義は同口径のカノン砲に比べ砲口直径、すなわち口径、に対する砲身長、すなわち口径長が短くなっており、結果発射される砲弾は低初速かつ短射程となるが軽量でコンパクト、高仰角の曲射射撃を主用する大砲とされる。 ただし概ね冷戦後においてこの兵器の長砲身化などによる砲種の統一により、比較されるべきカノン砲との区別はあいまいなものとなっている。

名称

 西洋における名称は15世紀にフス派フス戦争において使用した大砲(火砲)を意味する、チェコ語houfniceを語源とする。
 なお各言語での名称は、
英語:Howitzer(ハウザー)
ドイツ語:Haubitze
フランス語:Obusier
イタリア語:Obice
ポーランド語:Haubica
ロシア語:га́убица(ラテン文字表記:Gaubitza)
と表記される。

定義

 この武器(ハウザー)は時代によりその定義が変更されているため、この項目では簡単に記述する。
 この兵器に類似した武器であったカノン砲は16世紀から17世紀の間は砲弾、すなわち大砲から発射される弾丸の重量が42ポンド(約19㎏)以上の大口径の滑腔砲の呼称として用いられていた。
 しかし、榴弾、すなわち弾丸の内部に炸薬を仕込み、その爆発により砲弾が破裂しその破片が殺傷能力を持つ弾丸が発明され、大砲が対人兵器としても有効となると三十年戦争(1618年から1648年に発生した国際戦争。ボヘミアにおけるプロテスタント反乱がもとで発生し、神聖ローマ帝国で行われた。「最後の宗教戦争」、「最初の国際戦争」ともいわれる)を機に野戦においても野砲という名称で大砲が多用されるようになった。
 その際榴弾を主に高仰角の曲射弾道で射撃、すなわち曲射砲として野戦の取り回しに不便にならないよう砲身をある程度短くするなどした大砲は榴弾砲、これまでのように砲丸散弾榴散弾による直射、平射砲として扱う大砲はカノン砲と区別されるようになった。
 19世紀末以降において駐退復座機、すなわち大砲の砲身のみが後退して反動を吸収する仕組みなどが開発され大砲が飛躍的な進化を遂げたたため、それまで反動が大きいためその用途では使用できなかったカノン砲でも比較的仰角をとった曲射の間接射撃を行うことができるようになり、火砲の全盛期とされる第二次世界大戦頃までは「榴弾砲は30口径前後までの比較的小口径、カノン砲はそれ以上」と口径長(大砲の口径を砲身の長さで割ったもの)で両砲を大まかに区別するようになった。

運用等

 この兵器はカノン砲と比較して、その構造ゆえに装薬量の少ない砲弾を多用し短砲身のため射程は短く近くを狙うことも難しいが、砲全体の重量ははるかに軽く仕上がりの大きさも小さくなるため、生産性や運用性に優れ、また高仰角の射撃を得意とする。現在においてはカノン砲が主用する砲弾もあくまで榴弾および尖鋭弾(遠距離射撃用の榴弾)であるため、近現代においては使用砲弾の差異によってカノン砲と榴弾砲とが区別される訳ではない。

 しかし、この兵器は「多数の弾丸を目的地にばらまき面で制圧する」ものであり、敵味方が入り乱れることも多い昨今の市街戦などでは、巻き添えの危険が高まるため仕様が難しくなっている。
 これに関してはM982エクスカリバー155mmGPS誘導砲弾(自走砲であるM109アーチャーなどでも運用可能)のように精密誘導可能な榴弾が開発された。
 精密誘導というのは1発あたり5万ドル以上と非常に高額、そのため部隊で勝手に使えず議会の承認が必要。しかしミサイルに同じことをさせるとこれより高額になり、おまけに再装填に手間がかかって、でかい発射機も別に持ってこなければならない。

自走化

 車両と組み合わせ自走砲として用いられるものが存在する。対砲兵レーダーが発達した現代、陣地展開、移動の高速化のため、自走化の需要は大きい。
 しかし自走砲は非常に大きく、重く、総じて高価なものになりがち。牽引用の車両を含めてもはるかに安価で、状況によってはヘリに吊るして空輸も可能な牽引砲の手軽さもまだまだ捨てがたく、棲み分けが行われている。

関連タグ

牽引式:FH70
自走砲:フンメル 四式十五糎自走砲 M109 75式自走155mm榴弾砲
ガンシップ:AC-130
GBU-28:バンカーバスターの一種で、初期型は8インチ砲の砲身が流用された

参照

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