曖昧さ回避
概要
強力な重火器を搭載し、地上兵力の火力支援を行う航空機の総称。
かなり範囲の広い言葉で、どうにか定義するなら「冷戦に入ってから開発された対地攻撃航空機の内、攻撃機、爆撃機と呼ばれないもの」と言ったところか。それでも著者によってはB-17のような、第二次世界大戦頃の銃座付き大型爆撃機をガンシップと呼んでいたりするんでややこしいことこの上ない。
先述の定義からするとCOIN機や攻撃ヘリコプターもガンシップに含まれ、実際そう呼ばれることがある。
これについてはそれぞれの記事を参照していただくとして、ここでは輸送ヘリ・輸送機に武装を施したものについて解説する。
ヘリコプターのガンシップ
武装ヘリコプターを参照。
固定翼機のガンシップ
こちらも輸送機に武装を施したものだが、武装が前方に向かっている武装ヘリと違い、こちらは武装が機体の胴体から突き出して横を向いている。
通常攻撃機や爆撃機は前方ないし下方に向けてしか火力を発揮できず、繰り返し攻撃が必要となると、目標の上空を通過後Uターンして戻ってくる必要がある。
一瞬で敵上空を通過してしまうため攻撃は短時間にとどまってしまい、標的をじっくり探しながら攻撃することも難しい。
これに対し、ガンシップは側面の火器を目標に向け続け、周囲を旋回しながら継続的な火力支援を行う。
大型の輸送機をベースに開発される事が多い。搭載量を活かして数百発の砲弾を積み込み、長時間現場に滞空して攻撃を継続することが可能で、半日に渡って地上部隊を支援し続けたこともある。
こちらも飛行性能や防御性能は据え置きで、その性能から、戦闘機や近代的な防空網に対して弱く、絶対的制空権の確保が可能なアメリカ軍や、軍ではなく麻薬密輸組織と戦う一部の南米諸国程度でしか運用されていなかった。
しかしながら近年、MANPADSの発達によって、そうした制空権の確実性は揺らいでおり(実際一例だが被撃墜が発生している)、射程外からの攻撃を可能にするため誘導爆弾や空対地ミサイルも搭載されている。
その他対テロ任務用として、中・小型機に大口径機関砲を搭載した軽ガンシップを導入する国が現れ始めている。
元々はベトナム戦争で、旧式のC-47輸送機の側面ドアに重火器を据え付け、簡易ガンシップとして運用した事に端を発する。現在では大型輸送機C-130を改装したAC-130シリーズが有名。
関連タグ
空中戦艦:航空機+大砲の組み合わせでより規模が大きい。