概要
かつて存在し、大海嘯で腐海に没した「エフタル王国」が運用していた戦闘機。
文明が後退した作中の時代ではロストテクノロジーの塊で、量産が不可能な部品であるエンジン等のパーツは、「火の七日間」以前に栄えた産業文明の遺跡から発掘されたものや、墜落した他の航空機から回収したものを修理し使っている。
ガンシップは作中時代、貴重かつ強力な兵器と認識されており、これを所有する国は「ガンシップによる軍事支援」を引き替えにして、自治権を認められるほど。
また、ガンシップは族長が乗り継ぐしきたりとなっている。
劇中では、主に風の谷の物とペジテの物がそれぞれ1機ずつ登場する。
漫画版では風の谷やペジテの機体以外にも、辺境諸国の様々なガンシップが見られる他、エフタル王国のガンシップも描写されている。
風の谷のガンシップ
全体的にメーヴェと似たデザイン。
2人乗りで、前席に操縦士兼射撃手が搭乗し、後席でエンジンの制御を行う。
エンジンの噴射口は主翼内にあり、可動翼を利用することで逆噴射も可能。
主武装は機首にある口径が200mmほどのスピン安定式ロケット砲で、ダブル・デリンジャー銃のように、砲口を上下に2つ重ねている。
その威力は高く、一撃でバカガラスの艦首ドアを吹き飛ばして脱出したほか、2発で装甲コルベットを撃墜した。
また機体自体も王蟲の甲皮を装甲(キャノピーのガラスは王蟲の眼を加工)に使っている為に頑丈で、原作では様々な攻撃に晒されながらも終盤まで飛行不能になる事はなかった。
作中では主にミトが操縦した。
なお、アニメ映画版では言及されていないが、原作でナウシカは、風に乗るのではなく風を切り裂いて飛ぶことから「みにくい船」と評しており、メーヴェの方を好んでいた。
そのせいか、正式に乗り継いだナウシカが乗る事はあまりなかった。
前述の通りエンジンのみをレストアして使っており、漫画版では廃棄されたガンシップの残骸が城の地下に多数転がっている。
ペジテのガンシップ
1人乗りで、機関砲を武装として装備している。
エンジンは胴体後部に単発ないし垂直双発で、高速かつ小回りが利く。
トルメキアへの報復に燃えるアスベルが搭乗し、トルメキアの艦隊を襲撃するが、撃墜される。
エフタル王国のガンシップ
エフタル王国で用いられていたガンシップ。原作コミックの2巻で、1コマのみ登場。
ペジテのガンシップに似たシルエットの機体だが、翼下にミサイルの様な兵装(翼安定式ロケット弾?)を搭載しているのが相違点。