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概要編集

墓所の主(もしくは墓の主、主(あるじ、ぬし))とは漫画版『風の谷のナウシカ』の登場人物である。アニメ映画版には登場ししない。

6~7巻にかけてナムリスのセリフからその存在がほのめかされ、物語の中で主人公ナウシカが最終的に対峙することになった存在。本作品のラスボス的存在とも言える。







詳細(ネタバレ注意)編集


旧人類が造った人工的な「神」のひとつ。作中に登場する人造生命体ヒドラの一種でもあり、一種の生体コンピューターともいえる。

「数百億の人間が生きるためにどんなこともする世界」「有毒な大気 凶暴な太陽光 枯渇した大地 次々と生まれる新しい病気 おびただしい死」「ありとあらゆる宗教 ありとあらゆる正義 ありとあらゆる利害」によって絶望の淵にあった旧人類の研究者たちの一派によって作り出され、戦争や化学物質、巨神兵による火の七日間によって汚染され尽くした世界の浄化と再生計画の核を核を担わされている。

腐海によって汚染が浄化された世界の完成を進めつつ、その清浄な世界においてかつてのように世界を支配するのではなく世界の一部として生きる人類として、過去のような凄惨な世界にならぬように賢く穏やかになるように調整された新人類の卵を守っている。


土鬼の首都シュワにある黒い建造物シュワの墓所そのものが彼の肉体であり、地下深くに彼の核・心臓部分ともいえる場所が存在する。

外殻の強度はかなり高く生半可な攻撃では傷つかず自己回復能力も備え、光線や精神干渉による攻撃能力も持つ。


曰く『時間がなかった』ためか、旧人類の高い科学と叡智を保持しているが、自分の手足となって自由に世界各地を動かせる端末のようなものは持たない。

そのため浄化と再生計画を進めるために旧世界の精神性の人間を改造し汚染された環境への適応を行い、子飼いの科学者集団からなる「教団」を体内に住まわせ、擁護者である歴代の王に旧世界の力を提供する形で人類の発展を調整している。


自身を「旧世界のための墓標であり、新しい世界への希望」と位置づけており、自分を作った旧人類の後悔と絶望の果ての理想と使命感を受け継ぎ、旧世界と同じ過ちを繰り返さない新しい世界を作り出すことを理念としている。


混乱の元凶を正すべく墓所に侵入したナウシカとの対話の結果、自分の保持する技術による追加の改造以外では現状未来には種として存続の見込みがない改造人間を脅かす環境、人間の残虐性や暴力性、世界を滅ぼした過ちが再び起きることを生命という光を脅かす闇であると考える墓所の主と、例え絶望の時代に使命と理想を抱いて作られたとしても生命を作り変え思う通りにしようとするのは最大の侮蔑であり、今度こそ人類が滅びるとしてもそれは星が決めること、闇の中に瞬く光が命であるというナウシカで「命」への解釈の違いから完全に決裂。ナウシカの出した答えに応じた巨神兵オーマによって完全破壊され、多数の新人類も産まれることなく死滅する結末を迎えた。


破壊され溢れ出した墓所の主の体液は王蟲の体液と同じであるということが判明する。

そのため墓所を作り出した勢力は世界の汚染を浄化するための腐海や王蟲を作り出し、ナウシカたち汚染された環境でも防毒マスクで生存できる改造人類を生み出した勢力と同じと思われる。

また、巨神兵に対しては「世界を滅ぼした怪物」と恐れているため、別勢力の産物であり、人類と環境に決定的な打撃を与え現在の荒廃した世界を作り上げた火の七日間の発生は計画に含まれていなかったと思われる。



ちなみに道化に憑依し現した人間体の顔の造形は庭の主とよく似ているため、おそらく同じ計画のもとに作られた(あるいは同じ勢力だが別の計画を進めていた集団が同じ技術を流用したか)と思われるが、人格や思考は完全に独立しているため同一人物ではない。

庭の主からはオーマナウシカのことを伝えられていない当たり、互いに情報のやり取りや干渉はしていない模様。

また、世界を救う術を持つ自身を世界の希望であると位置づけて尊大な態度を取る一方、庭の主からは「(旧人類は)この庭にあるもの以外に価値あるものを残せなかった」と言われるなど、互いの価値観の相違もそれとなく露呈している。


関連タグ編集

風の谷のナウシカ

庭の主 王蟲

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