概要
「腐海」と呼ばれる有毒な菌類の樹海に棲息する“蟲”(むし)と呼ばれる生命体の一種。“蟲”の中で最大を誇り、体長は最大80mに達する。
また“蟲”の中では例外的に知性を持ち、念話で人間と会話することもある。
堅牢な表皮に包まれた体は十数節の体節によって形成され、14個の眼と多数の歩脚、口腔内には治癒能力を有する糸状の触手が無数に存在する。眼の色は普段は青いが、怒り等で精神的に高揚すると赤くなる。体液の色は青い。
王蟲の殻はこの時代の超硬質セラミック以上の強度で、特に弾性に優れかつ軽量であるため、抜け殻のうち外皮は戦闘機の外装や武具を生成する材料として、目の部分はガラスの代用品として珍重されている。ナウシカやユパの剣も王蟲の殻から削りだした物である。セラミック刀で王蟲の剣を破壊しよう物なら、クシャナの様に相当の技量が求められる。
原作版王蟲
アニメ版では特に由来についての言及はなかったが、原作版では実は人工生物であったという事実が終盤で明らかとなった。
映画版の王蟲はテレパシー程度の交流シーンがあるが、原作版では巨神兵オーマと同じぐらい相手の表情や言動から心理や虚偽を見透かしたり、人間を品定めするかのような言動を見せており、かなりの知能を持ち合わせている事が窺える。
クシャナや城おじ達と腐海に落ちた時に王蟲と『交流するシーン』があるが、原作版では王蟲が「念話」を使っている。
作中後半の粘菌による「大海嘯」を止めるべく、現存する王蟲の大半が死亡した模様(亡骸は全て腐海の植物となった)。ただし、死は自ら望んでいる節もあり、苦難からの解放と称する者もいた。
表記
漢字では「王蟲」と表記するが、読み方は「オウム」ではなく「オーム」である。
風の谷のナウシカの原作漫画1巻10ページめ台詞内の「王蟲」には「オーム」とルビがふられており、それ以降も「オーム」の表記で通されている。
間違っても「オウム」ではないので、要注意。
ただし漢字変換したい場合、「オーム」ではなく「オウム」と打たないと変換されない。
またアニメ絵本版では「おうむ」とルビが振られている。
余談
- 『デューン/砂の惑星』シリーズのサンドウォームが元ネタと推測される。
- 一方で『発光妖精とモスラ』のモスラをモデルにしているのでは、という説もある(原作者は、宮崎が敬愛する堀田善衛であるため)。
- カプコン(セガ)から発売されているアクションゲーム・『大魔界村』にも、王蟲によく似た同名のボスキャラが存在する。 最新作の『帰ってきた魔界村』では中ボスとして再登場している。
- 『League_of_Legends』に登場するマスター・イーは、その特徴的なキャラデザから「王蟲みたい」と一部でネタにされる。彼のように丸い目がたくさんあるように見えるキャラクターはイジられやすい傾向にある。
関連イラスト
関連タグ
ダンゴムシ:姿形がどこかそっくりな生物。
ふなっしー:彼の下半身な青いのは王蟲の体液で染めたかららしい。