ナムリスとは「風の谷のナウシカ」に登場する人物である。
概要
ヒドラとの移植手術を繰り返したことによって老いることのない肉体を手に入れており、不老不死の皇兄として民衆からは恐れられていた。残酷で虚無的な快楽主義者で、独裁者ではあってもあくまで民衆を案じていたミラルパと違い、ナムリスは自身の楽しみ以外のことは意にも介さず、己の血潮の滾るままに争いを繰り返した。
死去した際には民衆が大喜びする様が描かれており、死してなお配下からの忠誠が残っていたミラルパとは対照的と言える。
最低でも100年以上の時を生きているが、上述のように不老の肉体ゆえに外見は若々しく、劇中の大半では頭巾や巨大な目玉模様のゴーグル付きの兜をかぶっているため、顔を晒すことは極めて少ないが、非常に荒んだ目つきの若い男の姿をしている。
弟のミラルパのような超常の力を持たなかったために、100年以上もミラルパに実権を握られ続け、日陰者にされていた。だがナウシカを倒そうとして返り討ちにあったミラルパを謀殺した後、不死の人造生物ヒドラを率いて帝国の実権を掌握し、今までの憂さ晴らしと言わんばかりに活動を開始する。
活躍
帝国の実権を握った後に土鬼の生き残りと合流し、手始めに弟の下で権勢を振るっていた僧会の僧たちを大量粛清した。
その後、“土鬼トルメキア二重帝国”を創り上げるべく、以前より面識のあったクシャナを捕らえると彼女との政略結婚を図る。そして、遊び半分で育てた巨神兵を用いてトルメキア侵攻を企てるが、ナウシカの妨害、巨神兵の暴走、クシャナたちの反乱によって失敗。さらに巨神兵の暴走によって内臓を引きずるほどの重傷を負い、挙句の果てにクシャナによって首だけの姿にされてしまう。だが、ヒドラとの移植手術を繰り返していたため、そのような状態になっても死ぬことはなく、会話も可能であった。
最後は、首だけになったまま旗艦から転げ落ち、“面白くなってきた世界”を見られないことを惜しみながら雲間に消えていった。
余談
風の谷のナウシカにおいては、物語後半の一時期のみに登場する人物だが、際立った個性を放っているためかファンは決して少なくない。
他の登場人物が大なり小なり迷いや葛藤を抱えているのに対し、彼だけはそういったものがさっぱり無く、シンプルに欲望の赴くままに生きているためか、劇中でもある意味異質な存在として描写されている。
宮崎駿のキャラクターの中でも珍しい、善性が一切描かれなかった完全な悪役である。
関連イラスト
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ナムクシャ いわゆるカップリングタグ。