庭の主

にわのあるじ

宮崎駿著「風の谷のナウシカ」に登場する人物。

人物

土鬼の聖都・シュワ付近に点在する、火の七日間が起こる以前の動植物、あらゆる詩や音楽を貯蔵した「庭」の主。

特定の名前を持たず、「庭の主」「庭園の主」などと呼ばれる。

1,000年前、旧世界の人類によって生み出された不死生物ヒドラの上位種。

腐海の浄化システムによって世界の浄化が完了し、腐海の環境に適応すべく改造された現生人類と「賢く穏やかな性質を持って新しく生まれた人類」との交代が終了する時まで、旧時代の科学文明発達以前の古い文化遺産を伝える庭を管理する役目を与えられている。

姿は普通の人間とほぼ変わらず念話も使えるが、それがなくともあらゆる言葉を話すことができる。

超常能力者であり、相手の心を探り、それに合わせて自由に姿を変え、心の隙に忍び寄っては精神的に束縛し、庭の中に引き留めてしまう。

ナウシカ曰く残酷だが優しい人物。

彼の「庭」を訪れた者は基本的に一生出られない（安らかな場所である為、出ようと思うものもいない）が、200年前、初代神聖皇帝となった少年が「人類を救いたい」という書置きをしてヒドラ数体と共に「庭」から出ていった。

庭の主曰く「我々も時に油断する」らしく、彼の意識が弱まった時を狙って脱出する事はできる様子。

自身の束縛を跳ね除けたナウシカに、現生人類が人工的に作られた存在であるという真実を伝えた後、すべての真実を見極めるべく「シュワの墓所」に向かう決意を強めた彼女を引き留めようとはせず、彼女のために庭の入り口をいつでも開放しておくと告げて見送った。

同じ計画のもと造られたと思われる墓所の主とは互いに不干渉を貫いているらしく、情報や意志をやり取りすることもないようである。

また、墓所の主がその身に蓄えた旧世界の遺物を世界を救うために必要な遺産と位置づけ、自身が世界を救う力を持つ存在であると尊大に語る一方、庭の主自身は「人間はこの庭にあるもの以外に価値あるものを残せなかった」と語っている等、互いの認識の違いもそこはかとなく露わになっている。

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風の谷のナウシカ