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海兵隊

かいへいたい

元々は海戦における『敵艦への殴り込み役』。時代の移り変わりとともに役割も変遷をとげ、現在多くは水陸両用作戦や有事の際の即時対応に当たるための部隊となっている。
目次 [非表示]

『海兵』とは

大砲が発明される以前でも、人間の戦いは海でも行われていた。

だが、大砲で相手の船を破壊して沈められるようになる前は、一体どうやっていたのだろう。


その答えが『相手の船に乗り込み、火を放つか乗っ取る』というものである。

人間の持てる武器はおろか、後述の大砲ですら19世紀後半にまともな炸裂弾が普及するまでは、敵船を直接沈めることは出来きず、帆の支柱を叩き折り、人員を殺傷して航行不能にするのがやっとだったのである。

その中での海兵隊の役割とは、海戦の最中に敵の船に乗り移り、火を放つ、もしくは乗っ取るという役割だったのであのだ。


もちろん、相手も簡単にはやられないために腕っぷしを揃えて対抗し、こうして海兵隊は『腕っぷしが強ければ出世できる、要は体力だけの軍隊』と見做されていった。

(現在でも名残があり、冗談でも言われている)


のちに大砲で敵艦を沈めるのが可能になり、射程距離が大幅に伸びてくると、水夫も軍人たる水兵になるにつれて海兵の役割も少しずつ変わっていく。

海兵隊には「上陸時の安全確保」という任務もあり、そちらが主になっていった。

HERE THEY COME!!


センパー・ファイ!(常に忠実に)

ただし、体力自慢の脳筋集団という理解だけでは海兵隊の実態を掴む事はできない。

中世の軍艦では、水夫は軍人ではなく、もちろん国王に忠誠を誓っているわけでもない。


このような中にあって、海兵隊は艦内の規律維持にも働いた。

当然ながら国王への固い忠誠心をかわれての事であり、当時は志願兵のみで編成される事が多かった。実際、アメリカは現在でもとくに志願する者だけが海兵隊になれる。

(過去に例外はあったが)


この事は現在のアメリカ海兵隊の標語でもあらわされており、『センパー・ファイ!』(常に忠実に)の一語だけで全てを理解できる。


いろいろな海兵隊

現在、戦争規模の海戦において白兵戦闘が起こった事は無く、また起こることも無い。

(ミサイル技術の発達により、そもそも水平線の向こうで勝敗が決まる)

もちろん海兵隊の役割も変わり、その役割は軍港の警備や水陸両用作戦へと重点を変えた。


水陸両用作戦とは強襲上陸・隠密上陸といった、着上陸作戦の事を指している。

(場合によっては)味方の支援が乏しい状況での強行上陸などの困難な任務も想定されており、当然ながら徴募兵のような質の低い兵士では役に立たない


従ってアメリカでは、『志願した人間のみ海兵隊に入れる』というのが伝統である。

(戦争時には例外もあったが)

このことは徴兵制のあった頃から続いており、海兵隊はまさに精鋭集団の代名詞となっている。


他の国でも、例えばイギリスオランダでは半ば特殊部隊と化している。

タイ韓国なども上陸戦専門の部隊とされ、これも練度の高い部隊とされている。


イギリス

Per Mare Per Terram(海に、陸に)

イギリスでは1664年、「ロードジェネラル近衛歩兵連隊」が海上勤務を命じられた事から始まる。

現在の英王室海兵隊(ロイヤルマリーンズ)の基礎である。


フランス

Troupes de Marineは1622年にリシュリューにより創設された本来の海兵隊で、当初は同時代の他国の海兵隊と同様に艦上勤務を専門としていた。その後植民地警備も担うようになっていたが、各地の植民地が次々に独立していったために1967年には陸軍に移管された。歴史的経緯から「海兵」と名乗っているもので、上陸作戦能力は無く標準的な陸軍部隊となっている。


アメリカ

U.S.Marine.Corps(アメリカ海兵隊)は現在のところ、世界で唯一の独立した軍となっている海兵隊である。

これは、創設時に法律で海兵隊を別個に組織したためである。

略称はUSMCで、通称としては『マリーン』『マリンコ』などが知られており、他にもさまざまな別名がある。

この御方のような鬼教官たちに鍛えられた連中が居るところ、と言えば一部の方にはよくお分かりだろうか。

ハートマン先任軍曹

詳しくは個別記事を参照のこと。


その他の海兵隊

海兵隊が陸軍海軍のどちらに属するかは、国によって異なっている。

例えばフランスでは陸軍の下部組織となっているし、逆にロシアは「海軍歩兵」として海軍の下部組織となっている。


ただ、成り立ちがそうであるため、おおむね海軍の下部組織となっている国が多く、

『海兵隊は海軍の下にある組織』と理解しても間違いではないだろう。


日本の場合

帝国海軍海兵隊 歩兵隊将兵集合写真

一般にはあまり知られていないが、明治期の日本海軍にもイギリス海兵隊を基にした海兵隊制度が存在した(上イラスト)。

但しこの海兵隊は上記の通り敵艦移乗を行うための部隊であり、艦砲の発達と艦自体の高性能化に伴い、早々と姿を消した。

尚、日本海軍にも陸戦隊と言う部隊があるが、基本的に必要時に艦艇乗員から編成される臨時部隊であり、海兵隊とは若干性格が異なる。

また、特別陸戦隊の様に常設部隊として鎮守府・湾港の警備にあたる部隊もあり、こちらも海兵隊に近い存在である。

その他、地理的要因から上陸作戦に大きな興味を持っていた日本陸軍では海上機動旅団なる上陸専門部隊が構想されており、現在の海兵隊に近い存在は結構ある。


現在では陸上自衛隊において、3000人規模の「水陸機動団」が設立されている。

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