アニメにおけるセカンドインパクト
『新世紀エヴァンゲリオン』本編から15年前の西暦2000年9月13日に起きた大災害。
南極大陸にて突如謎の大爆発が発生、それに伴い洪水・津波・海水面上昇・噴火・地殻変動・地軸の変動などの環境激変が全地球規模で引き起こされ、初期に南半球で約20億人の死者を出した。また、これを発端として各地で紛争が勃発、東京でも新型爆弾が投下され50万人が死亡するなど世界中で惨劇が繰り広げられた。一連の災害及び紛争による死者は、実に当時の世界人口の半数にのぼる。
この災害により南極大陸は消滅、バクテリアさえ存在しない死の世界となった。更に、海水面上昇により多くの沿岸都市が海中に沈んだ。また、地軸の移動によって緯度が変わり、その影響で劇中における日本列島は年中が夏の亜熱帯気候に変わってしまっている。
原因
公的には大質量隕石の落下が原因だとされているが、それは世界を裏から牛耳る秘密結社・SEELE(ゼーレ)によって情報操作されたものである。特務機関NERV(ネルフ)の職員などの情報筋には、「南極で発見された『第1使徒アダム』の葛城調査隊による調査中に謎の大爆発を起こした」と説明されていたが、実はそれすらも欺瞞情報であり、実際には一部の人間達の手によって人為的に引き起こされたものである。具体的には、SEELEと碇ゲンドウらがこの葛城調査隊を利用して他の使徒が覚醒する前にアダムをロンギヌスの槍を使い卵にまで還元しようとした際、副次的に発生したエネルギーによりもたらされた、というのが真相である。
なお、葛城調査隊に同行していた隊長の娘・葛城ミサトは、この事件を最も近くで目撃した調査隊唯一の生存者であり、その際、1体の光の巨人が羽を広げるのを目撃している(ただ、この巨人が第1使徒アダムであったのかは不明)。
新劇場版におけるセカンドインパクト
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』でも旧作同様「15年前にセカンドインパクトが起こり、人類の半数が死滅した」と説明されているが、“西暦何年に”“具体的に何が起こったか”は(少なくとも現段階においては)説明されていない。ただ結果として、全世界の海が赤く変色してしまっており、海洋生物はその殆ど全てが死滅、僅かに人類が人工的に構築した環境において限られた数の個体が生存するに過ぎないという状況に陥っている。
そのためセカンドインパクト後に生まれた碇シンジやアスカ達は、ペンギンや亀といったありふれた海の生物を知らない、という描写がなされている(なお、海洋生物のみならず陸上の動植物にも相当の被害が及ぼされている模様であり、劇中では“9割人工肉”が流通していたり、シンジが加持リョウジの育てるスイカを資料でしか見た事が無かったりといった描写がある)。
セカンドインパクト自体の描写も変更されており、黒い球体と共に現れた四人の光の巨人(使徒のコアらしき赤い球体と頭上に光の輪を持つ)と、旧作におけるロンギヌスの槍に似た形状の数本の物体が描かれている。また、現在もセカンドインパクトの爪跡として、爆心地付近には4本の十字架状の謎の物体が存在している。
備考
SEELEによる情報操作では、10cmに満たないものの質量が4.02×10^20トン(月5.5こ分)ある隕石が光速の0.95%で衝突した災害としている。この隕石の運動エネルギーは約1.6×10^40Jという数値になる。これは太陽が1000万年間に放出するエネルギーや、地球質量の総エネルギー匹敵する。
おそらくこれは設定ミスで、質量4.02×10^20トンではなく、隕石の運動エネルギー4.02×10^20Jなどとすると直径1km程度の隕石が衝突したのと同程度のエネルギーとなり自然な設定になる。