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主力戦車

しゅりょくせんしゃ

「Main Battle Tank(略称:MBT)」の訳語。現代の戦車はほとんどが主力戦車に分類され、陸上戦力の要となっている。
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概要編集

主力戦車とは、現代戦車のほとんどが該当する戦車の分類・区分。

Main Battle Tank」(略称:MBT)の訳語で、これは直訳すると「主戦闘戦車」になるが、「戦闘」と「戦車」で意味が重複するため一般的には「主力戦車」と訳される。


なお、歴史上で最初に主力戦車として制定された戦車は、1960年代のチーフテン戦車。

それ以前の車輌は公式には中戦車という場合が多く、主力戦車として位置づけられたのは後世のことだが、その視点も含めた場合、史上最初の主力戦車は第二次世界大戦末期のセンチュリオン重巡航戦車/中戦車とされることが多い。

チーフテン戦車センチュリオン中戦車
Chieftain Lf.Mk.5centurion tank

成立までの経緯編集

かつて第一次世界大戦で誕生し、戦間期に急速に発達した戦車は、おおむね機動力重視の軽戦車、装甲重視の重戦車、そしてその中間程度の性能を有する中戦車の三つに区分され、これらの車輌は状況に応じて使い分けられることと想定されていた。

あとは歩兵戦車とか騎兵戦車とか巡航戦車とかいろいろあるが、上記の区分のどれかしらと重複するので割愛。


しかし、史上最大級の総力戦が展開された第二次世界大戦の陸戦において、実際に運用してみると、軽戦車では敵の火力が想定外だった場合に棺桶同然であり、かと言って重戦車は機動力が不足しており戦線の移動についていけず、大抵の状況で無理を通せる中戦車が重宝されることになる。


というわけで戦後、それまで「中戦車」という戦車の一区分に過ぎなかったカテゴリが第一世代MBTとして発展し、軽戦車、重戦車は補助的な立ち位置に後退する。


さらに60~70年代、第二世代MBTの時代になると、人力装填の限界から火力が頭打ちになっていた重戦車に中戦車の進化が追い付いてしまい、またそれほどの火力を有しながら他兵科を置き去りにするほどの機動力をも確保していたため軽戦車まで必要性が失われ、戦車という単語がそのまま主力戦車を指すほどになる。


しかしながら80年代の第三世代MBTになると、対戦車ミサイルAPFSDS弾の普及により防御力への要求が増大、西側の主力戦車は良くも悪くも「重戦車」化していくことになる。

エンジン出力の向上により機動力の不足に悩むことこそなくなったものの、60t級に達しさらに巨大化していく戦車は軍の輸送補給網にすさまじい負荷をかけ、さらには橋脚や路面の強度の限界も見えてきた。


このため各国軍に於いてはかつての軽戦車に相当する軽便な装甲戦闘車両の存在感が高まっている。このような車両は基本的に偵察や初期対応を名目に調達されるが、主力戦車よりも多数が運用されて実質的な主力装甲戦力となっている事例もあり、主力戦車は身の振り方を考えさせられている状況である。


一方、東側の主力戦車は、元々足回りが悪い地域での運用が想定されていた事、できるだけ被発見率と被弾率を低くするというコンセプトもあって、早期に自動装填装置を導入し、西側よりも小型軽量に設計されている。橋脚や路面の強度もこれに合わせることで、西側からの侵攻を阻む構造となっていた。こちらはこちらで車内が窮屈、砲の仰俯角が狭いという問題点がある。


交通法規上の主力戦車編集

戦車とは言っても法律上は自動車、日本では大型特殊自動車の扱いなので、平時の公道では信号や標識、警察官の指示や誘導に従い、道路交通法に基づいて走行することになる。


また、日本の場合は車輌の保安基準を定めた「道路運送車両法」の対象ではないものの、公道走行を前提にナンバープレートはあり、ウィンカーやバックミラーも後付け可能になっている。

運転免許証をお持ちの方はよくお分かりかと思うが、ウインカーやストップランプの無い車輌が公道を走ることの恐ろしさといったら…


ただ、どの国の戦車にも大体このような灯火はある為、日本だけが特異な訳でも無いらしい。


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