旧劇場版
ゼーレの用意した、NERV壊滅作戦および人類補完計画発動の切り札。
搭乗者は存在せず、渚カヲルのダミープラグによって自律稼働する。コア(魂)の正体は不明。
目のないウナギのような頭が特徴。収納展開が自在な翼を背面に内蔵しており、自力飛行が可能になっている。また、これまでのEVAシリーズにあった肩のオプションが無い。これはDVD版の小冊子によると、S2機関の搭載とロンギヌスの槍のコピーにより、非常用電力とプログナイフなどの武器の必要性が無くなったためと記述されている。
武器はロンギヌスの槍のコピーに変形する諸刃の剣。
建造には天文学的な予算が費やされている。
体内にはS2機関を搭載しており、無限の活動時間を要する他、恐るべき自己再生能力も併せ持つ。
見た目は全て同一だが、内部の識別番号によって5~13号機まで区別されている。
劇場版25話『Air』では、9機でEVA弐号機1機と戦闘した。
劇場版26話『まごころを、君に』ではサードインパクトを誘発させるためEVA初号機を依代として捕縛し、その後自らのコアにロンギヌスの槍を突き刺しS2機関を共鳴させ「アンチA.T.フィールド」を展開。レイと同化したリリスと共に、地球上の全てのA.T.フィールド(=心の壁)を無力化し、全人類をL.C.Lへと還元させる。
だが、補完計画の最終段階においてシンジの自我が補完を拒絶。初号機によって量産機のロンギヌスの槍は破壊され、全機が活動を停止、石化し地上へと落ちていった。
戦闘シーンについて
劇場版25話『Air』では、9機でEVA弐号機1機と戦闘。
復活を遂げたアスカの駆るEVA弐号機の圧倒的な力を前に量産機は次々と破壊されるが、弐号機の活動限界の間際に9号機がロンギヌスの槍を放ち、弐号機の頭部を串刺しに。
弐号機が動けなくなった後、9機全てが再起動し弐号機を捕食。その後、上空から全機でロンギヌスの槍を突き刺し葬った。
このシーンのインパクトや量産機の不気味な形状などから、みんなのトラウマとして語られることも多い。
破壊された順番
弐号機との戦闘で破壊されたのは以下の順番
- 9号機:飛びかかってきた弐号機に頭を潰され、胴体ごと真っ二つにへし折られる。
- 11号機:湖に押し倒され、頭にプログレッシブナイフを刺される。
- 7号機:プログレッシブナイフで右腕を切断され、アイアンクローをかけるも逆に首を折られる。
- 6号機:七号機の剣を持った弐号機と剣撃するも、首筋に刃を叩きこまれる。
- 12号機:剣で上半身を切り落とされる。
- 8号機:剣で左脚を切り落とされる。
- 10号機:隙をついて押し倒すが、頭にニードルガンを二連発受ける。
- 5号機:建物に押し付けられて頭を潰され、十三号機の方に投げつけられパンチで体を貫かれる。
- 13号機:飛ばされて来た五号機と衝突し、弐号機のパンチでコアを握りつぶされる。
声について
EVA初号機を演じる林原めぐみ氏と同じく、エフェクトがかけられているので聞いた限りではわからないが、カヲルを演じる石田彰氏が演じた。
漫画版
STAGE:81より登場。
外見や投入までの流れは旧劇場版と変わらないが、途中乱入した初号機により弐号機を仕留め損なっている。
最終的に旧劇同様初号機を依代にサードインパクトを発生させることに成功するものの、補完をより明確な意思で否定したシンジにより補完は失敗する。
最終回では再構築された世界で化石化しているのが確認されている。
9体がかりにもかかわらず弐号機一機に一度は全滅させられると言う醜態を晒した劇場版と異なり、数の有利を生かして集団で襲い掛かる、飛行能力をより有効に活用し終始優勢に立ち回る等、戦闘能力は劇場版のそれを大きく上回る。また自己再生能力も遥かに強力になっており、破壊された頭部の復元や切断された四肢の接合、その他損傷も完全に修復と言う驚異的な性能を見せつける。
エヴァンゲリオンANIMA
旧劇場版とは異なり弐号機とアスカを依代として生命の樹を描くが、戦自の部隊を撃退して現れた初号機F型装備と零号機F型装備の活躍によって全機が撃破され補完計画も破綻した。
撃破された量産機の残骸の内3機は即時解体され、残る残骸は各国の支部へと輸送されたが、残骸は輸送中や輸送先で次々と姿を消してしまう。
0・0EVA
ネルフ本部がゼーレによる再侵攻を懸念し解体した量産機とモスボールされていた試作零号機のパーツを組み合わせて建造された3機のエヴァ。
正式名称は「零号機試製II式改・領域制圧機」。
搭乗者はレイ・No.カトル、レイ・No.サンク、レイ・No.シス。
USエヴァンゲリオン/ウルフパック
行方不明となった量産機の残骸の一つを元にしたと思われる機体。
搭乗者はマリ。
米国政府によって国有機関化されたネルフUSAによって建造された。
機体と搭乗者の親和性を高める為、搭乗者と同様に複数の動物の遺伝子を混ぜ合わせた作られた獣のエヴァ。
獣の群れのようなATフィールドを展開する能力を持つ。
前述した3機の0・0エヴァが完成した直後にロールアウトした為、エヴァンゲリオン17号機とも呼ばれる。
エンジェルキャリアー
(上のイラスト集における作中のカラーは12枚目のイラスト)
行方不明となった量産機の残骸を元にしたと思われる機体。
動力源であるQRシグナムが喉元に1枚あるI型、QRシグナムが2枚に増え両肩に配置されたII型、II型に翼が生え飛べるようになったIII型などのバリエーションが存在する。
腹部の繭には使徒の幼体が格納されておりキャリアー本体とは別に攻撃を仕掛けてくる。(ただし幼体は一部の例外を除いて繭の外に出ると自壊し消滅してしまう)
立体物
バンダイよりリミテッドモデル、HG「エヴァンゲリオン量産機」及びHG「エヴァンゲリオン量産機~最終戦仕様~」としてラインナップ。 HGの前者は差し替え用に頭部が二種類、翼が収納状態と展開状態の二種類が付属し武装の両刃の大型剣が付属する。こちらは後者の最終戦仕様や同シリーズの初号機などと異なり、肘を可動させることができない構造になっている(軟質樹脂でもない為バルディエルと違い温めて曲げることもできない)。
また翼も後者のように曲げることができない。
後者は頭部にラバー素材を使用しており、口の開閉が可能、翼も軟質樹脂になっているためお湯などで温めてあげると曲げることが可能。更に武器にロンギヌスの槍(コピー)が付属している。
※最終戦仕様は、メーカーのトラブルにより生産不可に陥ってしまったため現在入手困難。
HGのものが再販されるのは上述の理由により前者のみになっているのだが、(ロンギヌスの槍のコピーの有無についてはさておいても)如何せん肘が可動させられないという致命的な欠点を抱えている為、再販しても諸手を挙げて喜ばれているとは言い難い。
加えて、バンダイの部品通販に後者の腕部品の項自体は存在するものの在庫がまず切れている為に、「後者の腕部品のみを部品注文して置き換える」ということも出来ない。
商品を下手に差別化したが故の問題点と言えよう…。
ゲーム版
PS2・PC『鋼鉄のガールフレンド 2nd』では、伍号機がカヲルの乗機として登場。数少ない味方としての登場となる。諸刃剣でイスラフェルを瞬殺した。
PS2・PSP『バトルオーケストラ』では、一撃の攻撃力は非常に高いものの、移動・攻撃速度共に最低クラスという極端なパワータイプとして設定されている。とはいえ諸刃剣による攻撃はリーチが広く、攻撃をヒットさせやすい。超必殺技では他の量産機を呼び寄せ敵を鳥葬するという映画の再現となる。
スーパーロボット大戦シリーズ
これまでに『スーパーロボット大戦α』『スーパーロボット大戦MX』『第3次スーパーロボット大戦α』『スーパーロボット大戦スクランブルコマンダー』に参戦。
上記の劇中における凶悪なイメージを再現してか、いずれも高い攻撃力と耐久力、そして強力なHP回復機能に必殺技クラスをぶつけないと破れないATフィールドを有した難敵としてプレイヤーの前に立ちはだかる。ATフィールドに関しては原作に倣ってEVA系で中和する手もあるが、こちらのフィールドも中和されて無防備になってしまうため、却って危険。
そのためザクを始めとする“(リアル系ロボットアニメにおける)量産機”が多く登場する同ゲームにおいて、「こんな強い“量産機”は前代未聞だ」とよくネタにされる。
なお、『α』では量産機共の前座としてモビルドール搭載のガンダムMk-Ⅱ(ティターンズカラー)がワラワラと現れ、それらを撃破した後にEVA量産機が登場するのだが、最初から最後まで量産機を倒したら量産機が出てきてさらに面倒極まりない量産機に変貌という、量産機てんこもりシナリオである。
また、お約束として旧世紀版のアスカの危機にはほぼ必ず味方が来てくれる。『α』では神を超え、悪魔をも滅ぼす、「皇帝」の名を持つ究極の魔神とゲッター線の無限の可能性を体現する、究極のゲッターロボ、超古代文明が遺した、機械仕掛けの勇者というヤバすぎるメンツが量産機をシメにくる。最初から気力150になっているので、格の違いを思い知らせてやろう。
新ルートが追加されたDC版αではなんとスーパー生身大戦の先駆者の1人が量産機と戦うルートがある。第3使徒と互角以上に戦う生身の人間の前には量産機なんぞ相手にもならないので思う存分ボッコボコにしてやろう。
『MX』では…やはり、復活した量産機にアスカが追い詰められてしまう。もはやこれまでかと思われたその時…
???「待てぃッ!!」
量産機「!?」
???「優勢と劣勢には翼があり、常に戦う者の間を飛び交っている。たとえ絶望の淵に追われても、勝負は一瞬で状況を変える…人、それを「回天」という…!」
そして、現れたのは、天空よりの使者バイカンフーと味方部隊。気力がはじめから150なので、一気に形成をひっくり返そう。ちなみにこの間、量産機は大人しく説教を聞いている。ゼーレもお約束には逆らえなかった、ということなのだろうか。
…もっとも次のステージでは気力100スタートなので途端に難敵と化すのだが(特にHPが1.5倍に増えている『MX PORTABLE』)。
このバケモノを完全に黙らせるには数多のスーパーロボット達が束になってかからないとまず無理だというところでEVAがいかに恐ろしいシロモノかがわかるだろう。
恐ろしいことに『第3次α』ではこんな厄介な代物をゼーレが隠し持っていた。シンジが自我を取り戻すまでは、イデオンソードで両断したり、イデオンガンで吹き飛ばしても復活してしまう。最終決戦では普通に倒すことができる。
余談
新劇場版エヴァンゲリオンの『Q』と『シン』においては量産型という意味では同じ役割であるEvangelionMark.04が登場している。Mark.04は旧劇場版の量産型が人型という意味では量産型だったのに対し、宇宙戦用、航空特化型、電力供給特化型、陸戦型など、兵器としての役割のあまり、元の人型兵器という枠から大幅に外れた異形のEVAが量産型となっている。『Q』における『シン』の予告においては、きちんとした人型兵器という意味での量産型は存在する模様。
新劇場版の世界では、元来は有人仕様ではない艦艇NHGの一番艦ヴーセをヴィレが強奪して改めたAAAヴンダー内の「白血球」がいることをデザイナーの山下いくと氏が言及している。そのラフ画における「白血球」の形状と顔がEVA量産型と酷似している。サイズは人間とほぼ同じで徘徊する白血球にヴンダーのクルーもやや引いている。
これぞはたらく細胞ということか。
2019年の水曜どうでしょう祭でコラボグッズが登場した際、嬉野Dの発言「シカいっぱいいんじゃん」(2004年、ジャングル・リベンジより)をもじった「シトいっぱいいんじゃん」のテロップが描かれたグッズの背景は、実は旧世紀版でネルフに量産機が飛来しているシーン。なのでシトはいっぱいいない。
「パイロットが搭乗しなくても稼働可能」「実質活動限界時間の制限が無い」「驚異的な再生力」「単独で飛行可能」という、兵器として見た場合非常に性能が不安定であったエヴァの欠点を見事に補っているが、作中ではこれらの要素が全て悪い方向に作用している。
作中では「エヴァシリーズ」という呼称が量産機を指して度々用いられているが、現実においてはかなり紛らわしい単語になってしまうためこちらの呼称が使われることは極めて稀。
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表記ゆれ:エヴァ量産機 エヴァンゲリオン量産型 量産型エヴァ