「あんたバカァ?」
CV:宮村優子
pixivでのタグは基本的にアスカを用いられることが多いようである。
概要
基本的特徴
ドイツ3/4、日本1/4の血を持つクォーター。ドイツ出身であり、国籍はアメリカ。
生年月日は2001年12月4日。容姿端麗な美少女で、14歳にして大学を卒業している。
セカンドチルドレンであり、EVA弐号機のパイロット。
血液型は初期はO型だったが、後に庵野の意向でA型に変えられ、「シト新生」やエヴァンゲリオンクロニクルとかではA型と表記されている。しかし、セフィロトの樹のドックタグや「Air/まごごろを、君に」のパンフレットにはO型と記されていたりもするが表記ミスなのか果たして真相はどうなのだろうか。
思考と性格の傾向
勝ち気で負けず嫌い、異常なまでにプライドが高く、自意識過剰ぎみな所がある。
エヴァのパイロット、適格者であることに誇りを持つ。その性格は、幼少期のトラウマに起因している。
アスカは幼少時、EVA接触実験の失敗の後遺症で精神を病み、人形を娘と思いこみ自分を全く見てくれなくなった母親を振り向かせようと努力を重ねた。しかしその努力も報われることなく、母が娘だと思い込んでいる人形と一緒に自殺してしまう。
そのことがきっかけで、誰かの人形ではない、自分で考え自分で生きることのできる強さを持った人間になる決意をし、他人に見てもらえる自分になることで母から得られなかった承認欲求を満たそうとする。そのため、評価されない・重要と見られないと察すると見て分かるほど塞ぎ込み、精神的に自分を追い込み心をジクジクと傷つけてしまう。
そのために、その後もパイロットとしてだけでなく勉学などにおいても様々な努力を重ね、結果を出してきたが、「もう誰にも負けられない」「他人から必要とされる自分でなくてはならない」という強迫観念にとらわれ、承認欲求と拒絶の入り混じった、心の闇と脆さと紙一重な傲慢かつ身勝手でプライドの高い性格が形成されることになった。
そういった奥深くに根差した真っ暗で真っ黒なものが彼女の成長を阻害し続けているため、内面的には色々な問題を抱える登場人物の中で最も幼い。
容姿についての特筆
企画段階ではブロンド(金髪)であったとされているが、セル画に描写した際に黄色では見栄えが悪かったために赤毛にされたという。ただその他の公式スピンオフ作品によっては美しい金髪に塗られたイラストも公開されているため、彼女のイラストを描くときは金髪でも正解なのかもしれない。
パイロットとしての能力
エヴァのパイロットとしての能力は、シンクロ率に於いては当初はトップだったものの、戦闘での戦果は共同撃破がほとんどと参戦回数の割に少なく、さらにシンジが急成長を遂げたことでシンクロ率でも負けるようになる。
戦績
※単独・・・パイロット単独にて敵を行動不能にしたもの
※共同・・・彼女を含む複数のパイロットと共同にて敵を撃破したもの
※被撃破・・・彼女が撃破されたもの
TV版
第6使徒(共同)、第7使徒(共同)第8使徒(単独)、第9使徒(共同)、第10使徒(共同)、第13使徒(被撃破)、第14使徒(被撃破)、第15使徒(被撃破)
旧劇場版
戦車及び航空機多数、EVA量産機(9機:しかし後に復活したためノーカウント)
総計
単独撃破1、戦車、航空機多数。
共同撃破4。
生涯総撃破数5
特記
戦闘時における暴走事故なし。
他の人物たちとのかかわり
ネルフでの彼女
加持リョウジに憧れを抱いていたが、エヴァパイロットとして来日してからは同居人でEVA初号機のパイロット、碇シンジにしだいに惹かれていく。だが、エヴァのシンクロ率を彼に追い抜かれて自信を失っていき、度重なる使徒への敗北で自らの存在価値に疑問を抱く。
また、のちには初号機の凍結中に起こった第15使徒アラエルとの戦闘で、使徒による精神汚染攻撃を受け、自らの辛い過去を晒される。
さらにはその時のNERVの対応から、自らが綾波レイより軽視されていると感じ自分自身すらも見失い、精神を病む。
それによってエヴァの起動すら不可能になった彼女は、シンジの口から加持の死を知らされたことで止めを刺され、精神が崩壊、文字通り寝たきりの廃人となってしまった。
シンクロ率が追い抜かれた頃より、シンジには愛憎入り混じった非常に複雑な感情を向けるようになる。
旧劇場版ではシンジに対し「あんたが全部あたしのものにならないなら、あたし何もいらない」など、シンジに対する強い執着、独占欲を露わにしている。
公式資料集「エヴァンゲリオン・クロニクル」によると、シンジはアスカに好意とは呼べるが曖昧な感情を持っており、アスカの明確な想いとは温度差があり彼女は傷ついてしまった。
彼女はシンジを異性として意識し、愛情と敵意と呼べる振れ幅の大きいものになってしまったが、「あんたが全部あたしのものに」の発言に気持ちは集約されているとのこと。
つまり、『あたしのもの』を「隣にいて」などのプラスの意味でも「あたしのおもちゃ」などのマイナスの意味でも、他様々、あらゆる方向で彼女自身の真意をさらけ出したセリフという訳である。
逆にいえば、それほどの複雑で真正面な想いを向けるほどシンジを欲していた証拠でもあり、そういった描写がテレビアニメの方で(察することはできたが)描かれてこなかったために、後述の宮村氏の「違和感を覚えた」という言葉も無理のない話といえる。
その愛憎劇が旧劇場版のクライマックスとなり、旧劇場版後のビデオ版以降にアスカがユニゾン頃からシンジに惹かれ、キスして抱きしめるなどの愛情を求めていることを示唆するシーンが説明的・伏線的に追加されている。
レイのことは、最初こそ仲良く(表面上だが)しようと試みたものの、レイの薄い反応や、母親関連のトラウマを彷彿とさせるレイの人形っぽさ、シンジとレイの親密さから毛嫌いするようになる。
学校での彼女
友人たちに関する描写はあまり描かれているとはいえない。ただ、無二の親友とも言える人物にクラス委員長である洞木ヒカリがいる。また男子では鈴原トウジ、相田ケンスケ、碇シンジの三人を纏めて“三バカトリオ”と纏めてよく口喧嘩をしていたようである。ある意味において、彼女の学校生活や人間関係の賑やかさは、彼女が戦局が悪化する前の当作品の明るいトーンそのものだったとも言えるかもしれない。
尚、脚本集である、EVANGELION ORIGINAL第2巻によると、学校での口喧嘩の合間にヒカリのトウジに対する好意を感じ取るという描写があったが、割愛されてしまったようである。
旧劇場版での扱い
冒頭から主人公碇シンジに「オカズ」にされるなど(彼女本人の気持ちは別として)良い扱いと問われれば、疑問に思われる節もあるが、この作品における女性キャラ全般に言える事ではある。
弐号機搭乗時にはエヴァ内の母親の魂が自分を見守ってくれていることに気づいて復活を果たし、量産機9体に対し圧倒的な力を見せるが、S2機関を搭載した量産機は時間をおいて復活。ロンギヌスの槍に目を貫かれ、活動限界が訪れたところを量産機9体によって内臓を捕食されるなどのグロシーンの中敗北した。
その後、人類補完計画により一度は補完されたものと思われる。シンジの願いにより他者との境界が曖昧となった際、精神世界において上述のようなシンジへの執着と拒絶を前面に押し出した。補完計画が進行して人類がLCLに還元された際も彼女は補完を最後まで拒否、唯一シンジとともに元の世界へ戻ってきた。
(アスカの他人への強烈な承認欲求と拒絶性、シンジの強烈な孤独性と依存欲求など、2人の矛盾した業ともいえる心理を考えれば、実は最初から結果は見えていた)
この補完の件やラストシーンの「気持ち悪い」などについては、様々な考察や憶測がされている。
新劇場版
新劇場版では「式波・アスカ・ラングレー」と名前を変えて「破」から登場した。詳細はリンク先の記事へ。
ちなみに、新劇場版監督の鶴巻和哉氏からはアスカ派である事を公言されている。
漫画版
4巻から登場。初登場時は第三新東京市内において、クレーンゲームに失敗してその機体を蹴り、更に実際には見えていないパンチラの見物料と称してシンジ、ケンスケ、トウジからカツアゲしようとして、トウジをキレさせて、ケンスケを喜ばせた。また、一人でヤンキー3人を相手取っても優勢な喧嘩センスを見せている。
TV版に比べて猫かぶりで陰険な面が多く、優等生ぶる一方で他人を見下しているところがある。
自分が優位に立たないと気に入らない性格でレイやシンジを小馬鹿にする一方で気に入らないことがあると癇癪を起こしたりと自己中心的で傲慢な性格なのはTV版と同じである。
正式な父親はおらず、精子バンクにより生まれているという設定。
基本的な流れはTV版と同様で、NERV停電時のキス未遂もあったが、シンジとレイが付き合っていると勘違いしていたり、加持の死を最後まで知らなかったこともあり、シンジに対して恋愛感情を抱かないというのが大きな違いとなっている。
精神を病んだ母親に絞殺されかけるというTV版以上のトラウマを持っていたために、アラエル戦後すぐに廃人となり、綾波に嫉妬される位にシンジが見舞いにきていたものの、旧劇場版のように「オカズ」にされることも無かった。
その代わりに、漫画版オリジナルの展開で見舞いに来たシンジに、錯乱状態になって襲いかかり首を絞めるという展開になっている
原作に無い補完シーンでは加持の幻影でLCL化しており、その際「加持さんもあたしのこと好きだったんでしょ?」と言って溶けており、加持に対する想いが強調されている。
シンジに恋愛感情を抱かなかったものの、TV版以上に親近感を持っており、自身の出生について語ったり、葛城家でのミサトやシンジとの同居はアスカ自身が決めたことである。また、ヒカリのトウジに対するアプローチを考える際に付き合わせていたりしている。
レイに対しては、初期に戦闘実績以上に優遇されていたこととレイの塩対応で激怒して突っかかり、シンジに止められたことがあるが、その後は特に仲良くしようとしていないが、毛嫌いしたり、平手打ちを食らわすこともなかった。
また、TV版より登場が前倒しされたカヲルと面識があるが、出会った場所やカヲルの言動故に変態扱いしている。
最終回では補完が拒否された新世界において、彼女とよく似た少女が登場するが、Cut (カット) 2014年 12月号の貞本エヴァインタビューによると「最終回に出てくるアスカは、これまでの本編でのアスカではなくて、次の新しい世界でも知りあえるであろう魅力的な女性の象徴として出している」とのことで、シンジとの恋愛的な意味は無いと発言しており、単行本化の際、読者に誤解されないようにシンジの頬の斜線を消去している。
実写版
旧劇場版ではカットされた第26話「まごころを、君に」の短編実写パートでは24歳OLで神戸弁のアスカが鈴原トウジと同棲している。アスカとトウジは痴話喧嘩を繰り広げながら毎晩ズルズルと肉体関係を持っている、という話になっており、2003年発売のDVDBOXや2015年発売のBlu-rayBOXの特典などで視聴することが出来る。
エヴァンゲリオンANIMA
TV版のIFの3年後を描いた本作では17歳となっている。旧劇場版と異なり量産機との戦いに敗北した後は弐号機と共に補完計画の依代にされかけたが、自分の意思でエヴァに乗ったシンジのEVA初号機F型装備によって助け出された。
3年の時を経て肉体面ではより女性的に、特に胸のサイズは大きく成長しており何かと引き合いに出されている。
精神面ではより安定した人格へと成長し、全チルドレンの中で最も安定したシンクロ率とフィールド生成能力を有している。
シンジとの距離感も縮みつつあるが、精神的支柱であった碇ゲンドウを失ってしまったレイを思い躊躇している。
余談だが、シンジ用とシス用を除くネルフJPNのプラグスーツにヒールがあるのは伸びてくるシンジの身長に張り合おうとした彼女の要望である。
新世紀エヴァンゲリオン2
PS2、PSPゲーム「新世紀エヴァンゲリオン2」「新世紀エヴァンゲリオン2 造られしセカイ」では、ほぼ全てのシナリオでアスカが味方になる。アスカのA.Tはエヴァパイロットの中では高く、弐号機も安定した性能であり、正直主人公であるシンジとその乗機の初号機より扱いやすく、エース機として活躍出来る。
また、アスカの各キャラクターによる初期感情の好意値は、実はシンジに対してよりトウジやカヲルの方が高い。
参考として、シナリオ1「使徒、襲来」の好意値は、シンジ:250、トウジ:400、カヲル:500である。
この二人は、シナリオの条件次第でエヴァパイロットとして仲間になる。特にカヲルのA.Tは全キャラでもトップを誇るチートキャラなので、味方にすると使徒戦が楽になる。参号機、四号機の性能も弐号機同様高い性能なので、是非味方にしよう。
好意値が高いと恋人関係になりやすく、この二人はシンジより恋人になるのが楽。仲が良いといろいろなコマンドが試せるので日々の生活の面で色々便利である。
尚、シン・エヴァンゲリオン劇場版:||でのアスカはとある人物と深い仲になっていたので、このゲームでその関係を再現することも可能。(少なくともシンジより略)ただ、シンジ達と比べて接する場面が少なく、第3新東京市の損害程度では疎開し二度と会えなくなるので、恋人状態になるにはそれなりの工夫が必要。
その他の“公式”スピンオフ作品での彼女の設定
基本的には勝気な天才美少女という、スタイルが崩されることは少ないが・・・作品によっては親友の洞木ヒカリ顔負けの良妻ぶりを発揮している作品もあった。確認されているだけでもシンジの幼馴染だったり、ほかに男が居たり、レイ同様に公式のセールスプランに振り回されているキャラであろう。因みに、ウエディングドレスを着たフィギィアもかつて販売されていた。余談であるが胸のサイズが不安定という評もある。
SSソフト『新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression』ではルート次第でバンドのボーカルを務める。そこではゲームオリジナル楽曲『Get it on! ~Doppelgängerにくちづけを~』を披露する。アスカ役の宮村が歌唱しており、歌詞もまさにアスカの性格・言動を現したものとなっている為、言わば彼女のキャラソンとも呼べる曲である。
ゲーマーとして
意外なことにゲームをする描写がほかの登場人物がほぼ皆無なのに比べ、彼女は二度ほど描かれている。
テレビ版ではセガサターン、新劇場版ではワンダー・スワンをプレイしていることが確認できる。
いずれも現在からは少々古い型だが、そう言った面ではゲーマーにも親しまれやすいキャラなのかもしれない。因みに育成ゲームである綾波育成計画withアスカ補完計画ではPS2がイベントにて出現している。
その他
- 演じた宮村優子はラジオ番組などで 「TV本放送版ではアスカはシンジに対し恋愛感情なんか出していなかったのに、そのあとの映画やゲームなどでアスカはシンジが好きという設定になってて違和感を覚える」、 「(アニメの)アスカはツンデレではないと思う」 と発言している。
スパロボ
クロスオーバー作品であるスーパーロボット大戦シリーズでは、シンジと同様ストーリーでの存在感はあり、特にその強気な言動が目立つが、そのせいで他の版権キャラクターと揉めたりすることが多い。
だが、その分原作よりも他人との交流が多くなり、シンジと同様に精神的な成長を遂げる。
特にαシリーズではそれが強く感じられる。
ここでは、αシリーズとMXについて解説する。
αシリーズ
スーパーロボット大戦αで初登場。
『スーパーロボット大戦F』よりは抑えられたが、原作通り強気で挑発的な発言が目立ち、他のキャラクターとの衝突も多い。
しかしアスカフラグとも呼ばれる条件を満たすとやや大人しくなる。
旧劇場版同様に精神崩壊を起こして後に復活するが、その際の相手はティターンズ。
ここではアスカ一人で戦うが、この時の相手は改造段階がかなり抑えられているため、アスカが育っていなくてもまずゲームオーバーにはならず、一気に一軍になれるほどレベルが上がる。
このマップでも1度倒したEVA量産機が復活しピンチに追い込まれるが、自軍部隊であるSDFが原作の鬱展開を熱い展開に変えた。
ドリームキャスト版では、弐号機に初号機との合体攻撃が追加されたためシンジとの運用が望ましい。
第3次αでは、バルマー戦役の後はシンジと一緒に暮らしていたことが発覚。『α』の頃の二人を知っているαナンバーズのメンバーには大いに驚かれていた。
自信満々な態度は相変わらずだが、かつての他者を無闇に見下したり蔑んだ言動は成りを潜めている。
シンジやミサトと同様に『機動戦士ガンダムSEED』のキャラと絡む場面が多く、キラ・ヤマトを「昔のシンジそっくり」と評したり、キラを含めたコーディネイターへの復讐を企んでいたフレイ・アルスターの本性を見透かしたりしている。
なお、バルマー戦役から2年の歳月が経過している設定だが、その間ずっと軟禁状態にあったせいか中学生のままである(シンジが「中学生」と名乗る場面がある)。
スーパーロボット大戦MX
会話シーン等ではドラグナー3人組との絡みが多い。
劇場版の復活イベントは『α』同様にまったく育ててなくても楽勝。
ドラグーン軍団とEVA量産機(弱)を一掃すれば嫌でも水準クラスまで上がる。
ただし、復活したEVA量産機(強)には歯が立たないため、敵フェイズでEVA量産機(弱)を全滅させると痛い目を見る。
EDでは「加持のことは吹っ切れた」と発言し、シンジが「僕にも相手を選ぶ権利がある」と言うと激怒するなど、ツンデレな態度を見せた。
関連イラスト
関連タグ
作品
新世紀エヴァンゲリオン エヴァンゲリオンANIMA 綾波育成計画withアスカ補完計画
個別タグ
アスカ・ラングレー 式波・アスカ・ラングレー アスカ EVA弐号機 あんたバカァ?
オリジナルアスカ・・・関連性が取りざたされることがある。
グループタグ
その他
惣流・キョウコ・ツェッペリン ※アスカの母。前述の通り、彼女のトラウマの元凶ともなった。
惣流・アスカ・ラングレー(シンカリオン) ※シンカリオン世界のアスカ。